大末建設、豊富な繰越工事高と好調な受注が寄与し通期売上高は前年比8.3%増 今期は利益率改善を想定
1.24/3期決算サマリー
村尾和則氏:大末建設株式会社、代表取締役社長の村尾です。本日は2024年3月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。私から2024年3月期の決算についてご説明します。
2024年3月期の決算概要についてご説明します。はじめに、決算サマリーについてです。スライドのグラフは、赤が受注高、青が完成工事高、グレーが繰越工事高を表しています。
2024年3月末の連結受注高は、前年同期より8.5パーセント増の943億2,400万円となりました。また、受注高の増加により、連結繰越工事高は1,037億1,600万円と、近年では最高の水準となっています。
連結営業利益額は前期に受注した案件を中心に、建設資材価格の高騰に対する価格転嫁が当初想定したよりも進まなかったことなどにより、前年同期より15.7パーセント減の15億9,000万円となりました。
また、連結営業利益率は前年同期より0.6ポイント低下し、2.0パーセントとなりました。
2-1.連結売上高推移
連結売上高の推移です。2024年3月期は、前年同期より8.3パーセント増の778億1,500万円となりました。2025年3月期は、豊富な繰越工事高により、839億円を予想しています。
2-2.主な完成工事
スライドには、主な完成工事を記載しています。
2-3.主な完成工事
スライドには、主な完成工事の写真を掲載しています。当期は分譲マンションの完成が多くあり、そのほかにも、物流施設などを引き渡ししました。
3.売上総利益推移・営業利益の増減要因
売上総利益の推移と営業利益の増減要因です。売上高が増加したことにより、売上総利益は前年同期より4.9パーセント増の56億4,600万円となりました。売上総利益率は資材価格の高騰が影響し、前年同期より0.2ポイント低下しましたが、徐々に改善傾向にあります。営業利益は販管費の増加などにより、前年同期より15.7パーセント減の15億9,000万円となりました。
4-1.連結受注高推移
連結受注高の推移です。複数の大型マンションの受注が寄与し、連結受注高は前年同期より8.5パーセント増の943億2,400万円となりました。2025年3月期は、繰越工事も十分にあることから、827億円を予想しています。
4-2.連結受注高内訳
連結受注高の用途別・地域別の推移です。用途別では、主力であるマンション・集合住宅が堅調です。地域別では、大型案件の受注もあり、中部エリアが大幅に増加しています。
4-3.主な受注工事
スライドに主な受注工事を記載しています。マンションのほか、商業施設やオフィスビルなどを受注しました。
5.25/3期計画サマリー
2025年3月期の計画です。連結売上高は、前年同期より7.8パーセント増の839億円を見込んでいます。連結営業利益は、売上高の増加と利益率の改善により、前年同期から63.5パーセント増の26億円を見込んでいます。営業利益率は、低採算案件がおおむね完成を迎え、工事採算が良化することから、3.1パーセントを見込んでいます。
6.連結貸借対照表
連結貸借対照表です。資産の部では、売上債権が増加したこと、負債・純資産の部では、仕入れ債務が増加したことなどにより、総資産は134億8,200万円増の、591億700万円となりました。
なお、自己資本比率は、総資産の増加などにより38.2パーセントとなっています。
7.連結キャッシュ・フロー
連結キャッシュ・フローです。主に売上債権の増加などにより、営業キャッシュ・フローは19億1,900万円減少しました。投資キャッシュ・フローは、子会社株式の取得などにより、29億9,200万円減少しました。財務キャッシュ・フローは、借入金により37億100万円増加しました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は12億1,000万円減少し、87億7,500万円となりました。
8.プライム上場維持基準の適合状況
プライム市場上場維持基準の適合状況についてご説明します。
流通株式時価総額は株価が堅調だったことに加え、リキャップワラントの行使が順調に進んだことなどにより、2024年3月末時点において107億4,000万円となりました。1日当たりの売買代金は、2024年3月期で5,000万円となっています。
以上のことから、流通株式時価総額と売買代金は上場維持基準をクリアし、想定よりも1年前倒しですべての項目において適合しました。そのほか、適合計画書に記載した各指標の進捗状況については、スライドに記載のとおりです。
9.新中長期経営計画~3つの挑戦と10個の重点施策
新たに策定した中長期経営計画の取り組みについてご説明します。
2024年度スタートの中長期経営計画を策定し、2月7日に公表しました。従前3ヶ年が基本であった経営計画のスパンを、2030年度までの7ヶ年としました。長期目線に基づいた、より野心的かつ連続性のある計画としています。
具体的には、2031年3月に向けて、「建築事業の強靭化」「高収益ポートフォリオの拡充」「経営基盤の次世代化」の3つをテーマに戦略を実行していきます。
建築事業の強靭化は、価格競争から脱却するため、これまで培ってきたマンション領域での強みをさらに磨き、収益性を高めます。一般建築においても、冷凍冷蔵倉庫など重点領域での専門性を高め、大末ブランドを確立していきます。
高収益ポートフォリオの拡充は、積極的な投資と攻めの経営により、土木や不動産事業へ参入します。また、社会貢献関連の新規事業に取り組むことで、安定的で高収益な事業基盤を構築します。
経営基盤の次世代化は、人材基盤の強化や組織体制の高度化、ならびに生産性向上とオペレーション改革に取り組んでいきます。
10-1.DXシステムの運用開始
DXシステムの運用についてです。2年前に開発を開始した当社独自のDXシステムが完成し、2024年4月から運用を開始しています。営業、施工、経営、それぞれの業務プロセスを改善し、収益性の向上に取り組んでいきます。
10-2.DXシステムの運用開始
2024年4月には、FPTソフトウェアジャパンと、建設業のDX化推進に向けたグローバルパートナーシップ契約を締結しました。協業により、DXシステムの改善・価値向上だけでなく、建設業界の変革を進めていきます。
11-1.株主還元方針
株主還元方針についてです。積極的な成長投資と安定的な株主還元を推進するため、2025年3月期より総還元性向50パーセント以上かつDOE4パーセント以上とします。なお、2025年3月期の配当予想は、中間配当、期末配当ともに44.5円の年間合計89円としています。
11-2.キャピタルアロケーション
キャピタルアロケーションについてです。積極的な成長投資により収益性を高めていきます。株主還元についても、継続して積極的かつ安定的に実施していきます。
12.SDGsの取組み
SDGsの取り組みについてです。気候変動に関する取り組みとして、2023年11月にTCFD提言に賛同しました。温室効果ガスの排出量を指標とし、2030年度までに31パーセントの削減を目標としています。
また、マテリアリティへの取り組みを推進し、結果を開示していくことで、着実な課題解決を進めていきます。持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めていきます。
13.大阪・関西万博の取組み
大阪・関西万博の取り組みについてです。当社は2025年大阪・関西万博において、チェコ共和国のパビリオンを建設します。木造建築にアートガラスを使用した特徴的なデザインとなっており、木造建築への取り組みを強化している当社にとって、大変やりがいのあるプロジェクトです。先日5月15日には起工式を執り行いました。2025年3月の完成に向けて、チェコ共和国と協力しながら進めていきます。
私からのご説明は以上となります。ありがとうございました。
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