GMOフィナンシャルHD、FX収益の減少により営業収益は前年比減収も、暗号資産の伸長等で各段階利益は増益
トピックス|医療プラットフォーム事業について(1/2)
石村富隆氏:本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。代表執行役社長の石村です。2024年12月期第1四半期の決算についてご説明します。よろしくお願いします。
まず、トピックスです。先日よりお伝えしているとおり、医療プラットフォーム事業について、GMOヘルステックが医療ITサービスを提供する株式会社アイソルの全株式を取得しました。
スライドに記載のとおり、アイソルは2001年に設立され、事業内容は診療所向け電子カルテシステムの開発・販売・導入・保守等になります。売上規模は22億9,000万円です。
スライド左下の注記のとおり、アイソルおよびその関連会社2社の合計3社の全株式を取得しています。アイソルは2024年6月1日付で、GMOヘルスケア株式会社に商号変更を予定しています。
トピックス|医療プラットフォーム事業について(2/2)
今後、アイソルとのノウハウ融合で新規事業の成長を図ります。新サービスは2024年秋より順次リリース予定です。先日設立したGMOヘルステックのシステム開発力およびリテール向けのマーケティング力と、アイソルの医療分野におけるITサービスの構築や提供ノウハウのシナジーを最大化し、医療プラットフォーム事業を拡大していくことを考えています。
タイ証券事業|信用取引・不良債権残高の推移
タイ証券事業における信用取引・不良債権残高の推移です。債権回収と信用取引残高全体の圧縮によるリスク低減施策を全力で推進しています。今はスライドのような状況で、2022年12月期第4四半期末から新しく貸し出しを行っていないこともあり、1年間で信用取引残高を約119億円減らしています。
グラフのグレーの部分は貸倒懸念債権を破産更生債権に振り替えたもので、契約内容としては信用取引ではなく、約定弁済のついた金銭消費貸借契約などで回収を図っています。
1年間の主な取り組みとしては、大口顧客に対して資金の返済をお願いしているほか、追加担保差入の依頼を行っています。さらに、ロスカット基準を厳格化し、お客さまから預かっている担保を我々が早めに処分できるようにしています。加えて、新規取引の停止をお客さまにお伝えしています。
現在の不良債権残高は136.2億円です。この中で担保による保全ができているものが63.3億円、貸倒引当金が72.8億円というかたちでBSに計上されている状況です。
Q1’24|決算サマリー(前年同期比)
今期第1四半期の決算サマリーです。スライドには前年同期比で表示しています。FX収益が減少し、営業収益は前年同期比で5.8パーセント減となりましたが、各段階利益は増益で着地しています。
営業収益は128億8,000万円、営業利益は43億5,200万円、経常利益は41億6,100万円、最終利益は28億円となりました。先ほどお伝えしたとおり減収ではあるものの、利益は大きくプラスとなっています。
Q1’24|セグメント別の状況(前年同期比)
セグメント別の状況です。前年同期比では、証券・FX事業は減収となっています。一方で暗号資産事業に関しては営業収益、営業利益ともに増加しました。
Q1’24|営業利益増減(前年同期比)
営業利益の増減について、スライドに詳細を記載しています。FXは好調だった前年同期比で大きく減収していますが、暗号資産の増収とタイの貸倒引当金繰入額の計上がなかったことで、増益という着地になっています。
株主還元|配当
株主還元、配当に関してはスライドに記載のとおりです。2024年12月期第1四半期は1株当たり11.87円で配当を実施いたします。こちらについては、配当目標の連結配当性向50パーセント以上を達成しています。
Q1’24(1-3月)|マーケット環境
第1四半期のマーケット環境です。スライド一番左のグラフは2市場個人株式委託売買代金で、日本株の売買代金を示しています。こちらは大きく伸びています。
第1四半期の減収の要因でもある店頭FXの取引高は、昨年に比べて全体がやや下がっている状況です。
スライド一番右の国内の暗号資産の売買代金は、FXとは違い、前期第4四半期から徐々に取引高が戻ってきています。今期第1四半期は、前年同期比、前四半期比どちらも増えている状況です。
Q1’24(1-3月)|決算サマリー(前四半期比)
決算サマリーです。詳細はスライドをご確認ください。
Q1’24(1-3月)|セグメント別の状況(前四半期比)
セグメント別の状況です。証券・FX事業に関しては、営業収益が前四半期比で7.9パーセント減となっています。一方で、営業利益に関しては前四半期比28.7パーセント増で、全体として減収ではあったものの、増益という結果になっています。
暗号資産事業に関しては、第1四半期は取引が多くありました。ビットコイン価格に限らず全体的に暗号資産価格が上昇したこともあり、取引が活況となり、営業収益も営業利益も大幅に増加しています。
Q1’24(1-3月)|営業利益増減(前四半期比)
営業利益の増減です。第1四半期は前四半期と比べて増収になっています。FXは昨年、非常に調子が良かったものの、第1四半期はそこまで伸びませんでした。それをカバーするかたちでCFDや株のバイナリーオプションが多少増加、また、暗号資産が大きく増加したことに加えて、貸倒引当金繰入額の計上がなかったことで、利益を出せたというかたちです。
四半期業績推移|営業収益(セグメント別/商品別)
四半期の業績推移です。営業収益は、前年同期比、前四半期比ともに減収となりました。
四半期業績推移|営業利益
営業利益に関してはスライドに記載のとおりで、増益となりました。
四半期業績推移|販売費及び一般管理費
販管費については、タイ証券事業における貸倒引当金繰入額の計上有無によって増減が大きくなっています。貸倒引当金繰入額はスライドのグラフの一番上のグレーの「その他」に計上されていますが、第1四半期は計上がなかったことから、費用全体は約76億円に抑えられています。その他の事業の費用に関しては、そこまで大きな変化はありません。
第2四半期の見通しに関しては、約79億円としています。第1四半期との差の3億円弱は、スライドに記載の内訳の「その他」にアイソル関連のコストを加えたことによるもので、アイソル関連のコストを含めて4億円程度になると見込んでいます。
店頭FX|国内取引高シェアの推移
国内の取引高シェアです。スライドは店頭のFXで、取引高シェアは20パーセント前後で安定的に推移している状況です。
店頭FX|預り証拠金残高の推移
店頭のFXの預り証拠金残高に関しても、大きな凹みはなく徐々に増加というかたちで、今回の増加幅は小さいですが、基本的には大きく毀損することもなく、安定的に推移している状況となっています。
今までは日本円での取引でしたが、外貨に対するお客さまの関心も高まっており、GMOクリック証券では外貨建ての外国債券も取り扱っていることから、同社のFXネオ取引において、決済の損益やスワップポイントを米ドルで受け取ることができる「外貨取扱サービス」を開始しました。受け取った米ドルは外貨のまま証拠金として使えるようにしており、お客さまの利便性を高めたいと考えてサービスを始めました。今はFXのみですが、商品間でのクロスセルが不可欠と考えていますので、今後、外国債券などにも展開していき、全体的に外貨でも取引可能なプラットフォームにしていきたいと考えています。
CFD|売買代金・収益の推移
CFDの売買代金と収益です。スライドのとおりで、収益は前期第4四半期よりも大きく増加しました。一方で売買代金に関しては、やや減少している状況です。
売買代金が減りつつ収益が増えていますが、これは、取引されるプロダクトによって収益率が違うことが影響しています。具体的には、収益率の高いプロダクトやコモディティが多く取引されました。その背景としては、世の中ではコモディティ価格がかなり変動していたため、そのようなプロダクトが取引され、収益に寄与したという状況です。
CFD|預り証拠金残高の推移
CFDの預り証拠金残高の推移です。スライドのとおり微減となっていますが、今後も下ではなく上になるようにお客さまを確保し、預りを増やしていくという方針です。
国内株式|株式委託手数料・委託手数料率の推移
国内株式の委託手数料です。マーケット全体で取引高が増えていることもあり、株式委託手数料は前年同期比18.8パーセント増となっています。委託手数料率についてはほぼ同水準で推移しています。
国内株式|金融収支の推移
金融収支についてです。取引が伸びた一方で、信用取引はなかなか取引していただけなかった実態が、スライドのグラフに表れています。
暗号資産|売買代金の推移
暗号資産の売買代金の推移です。スライドのとおり、徐々に増えている状況で、第1四半期は多くの取引がありました。
この背景として、ビットコインの価格変動があります。半減期による上昇期待が持たれたことや、アメリカでビットコインのETFが承認されるという話が出たこともあり、価格が大きく動いたことで、お客さまの意識が暗号資産取引に向いたような状況です。
暗号資産|口座数と預り残高の推移
暗号資産の口座数と預り残高も大きく伸びています。預り資産は3,000億円ぐらいになっています。第1四半期は口座の開設が約2万6,000口座で、これまでの中でおそらく一番、二番を争うぐらいの数となり、新規の申し込みが非常に多い四半期でした。
暗号資産|セグメント収益・利益の推移
暗号資産の収益・利益の推移です。スライド左側の収益の推移については、取引の増加に伴い収益も確保できている状況です。
利益に関しても、収益が上がっている分、大きく増加しました。
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