マーキュリーリアルテックイノベーター、通期売上高は過去最高 中古マンション領域は新サービスにより増収を目指す

投稿:2024/05/02 19:00

Agenda

陣隆浩氏:マーキュリーリアルテックイノベーター代表取締役CEOの陣です。当社の2024年2月期通期決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。さっそくご説明を始めます。

本日のアジェンダはスライドのとおりです。事業概要、2024年2月期通期業績、2025年2月期業績見通し、今後の成長戦略の順にご説明します。

VISION

事業概要についてご説明します。当社のビジョンは「Big Data×Technologyで不動産の未来は私たちが動かす」です。

事業概要

当社は、プラットフォーム事業、デジタルマーケティング事業の2つの事業とその他サービスを運営しています。売上構成比66パーセントのプラットフォーム事業では、主力商品の「サマリシリーズ」や、仲介業者向け営業支援サービスの「データダウンロードサービス」といった不動産マーケティングシステムを提供しており、大手企業中心の顧客基盤と高い継続率を保持しています。

売上構成比28パーセントのデジタルマーケティング事業では、マンション販売における集客をWebマーケティングで支援しています。売上構成比6パーセントのその他サービスは、ビッグデータやテクノロジーを活用した新規サービスの創出を行っています。

不動産マーケティングプラットフォーム「Realnet」の概要

不動産マーケティングプラットフォーム「Realnet」をご紹介します。「Realnet」は、不動産ビッグデータと最新のテクノロジーを融合した不動産マーケティングプラットフォームです。新築マンション領域、中古マンション領域、それぞれの業態に合わせたサービスを提供しています。

当社の不動産ビッグデータ

当社の不動産ビッグデータについてご説明します。当社のデータの強みは、質と量です。

当社は、データのもととなる図面集や価格表を、顧客との直接的な関係構築により取得しています。これらのデータ素材は、サービス開始当初から実際にモデルルームへ足を運び、顧客と対面した上で収集しています。また、データ素材はマンションが新築で販売されている期間でしか収集できないため、これを30年続けてきた当社は高い参入障壁を築いています。

当社がデータに関してこだわっている点は3つあります。1つ目は網羅性です。当社は公的な届出情報からデータを取得しているため、計画の変更などを除けば、ほぼ100パーセントを捕捉できています。

2つ目は即時性です。情報取得からお客さまに反映されるまでのスピードにこだわっており、情報取得後、翌営業日の運用を継続しています。

3つ目は正確性です。データ開発部という専門の部署を持っており、データ入力・校正など制作ラインを社内で組織化することで、クロスチェックの徹底など、正確性を担保した運用オペレーション体制を構築しています。

決算サマリー

業績についてご説明します。まずは決算サマリーです。

売上高は14億3,700万円、前期比102パーセントとなりました。一方、営業利益は5,600万円で、前期比41パーセントに減少しています。これは新規サービスの開発やエンジニア職の採用強化などの先行投資を行ったことが要因です。

業績の概況

業績の概況です。売上高は前期比102パーセントとなりました。一方、営業利益はエンジニア職の採用及び新規サービスの開発などの投資を先行させたことにより、前期比41パーセントと減少しています。

業績動向

業績動向です。売上高は、2021年2月期に新型コロナウイルスの影響により一時的に下がったものの、その後は順調に増加し、今期は過去最高を更新する14億3,700万円となりました。

経常利益は2022年2月期に増加したものの、今期は前期比58パーセント減となっています。これは先ほどもご説明したとおり、エンジニア職の採用及び新規サービスの開発などへの先行投資によるものです。

営業利益の増減分析

営業利益の増減分析です。システム開発力を強化するため、エンジニアを積極的に採用した結果、人件費及び採用費用が増加しています。

また、「サマリシリーズ」のユーザビリティ向上のため、追加機能の開発コストが継続して増加していることなどにより、減価償却費が増加しています。減価償却の推移については、次のスライドで詳しくご説明します。

ソフトウエアの減価償却費の推移(⾒込み含む)

ソフトウェアの減価償却費の推移です。スライドのグラフは見込みを含んでいます。

先ほどご説明したとおり、「サマリシリーズ」のユーザビリティ向上のため、追加機能の開発を継続しており、資産計上しているソフトウェアの償却費用が増加しました。ソフトウェア償却は2025年2月期まで同水準で推移し、2026年2月期以降には大幅に減少する見通しです。

BSの状況

バランスシートの状況です。借入金の返済により、負債が大幅に減少しました。自己資本比率は前期比で6.7ポイント向上し、79.9パーセントとなっています。

事業ごとの売上高

事業ごとの売上高です。プラットフォーム事業、デジタルマーケティング事業ともに、前期比で増加しました。その他サービスについては、前期比68パーセントと減少しています。

プラットフォーム事業の売上構成

プラットフォーム事業の売上構成です。新築マンション領域の売上高はライセンス追加によるARRの増加に伴い、前期比3パーセント増となりました。一方、中古マンション領域の売上高は新サービスのリリース遅延により、売上が計画どおりに進捗せず、前期比17パーセント減となっています。

プラットフォーム事業(新築マンション領域)の業績

新築マンション領域の業績です。平均顧客単価はアップセルによるライセンス追加により順調に上昇しており、前期比3.4パーセント増となっています。平均顧客数は横ばいで推移しており、すでに大きくシェアを獲得している現状から考えると、今後もこの傾向は続く見込みです。

新築マンション領域のARRと解約率

新築マンション領域のARRと解約率についてです。ARRは前期比5.96パーセント増と安定成長を継続しています。解約率は0.54パーセントと引き続き低水準を維持しています。なお、ARRはプラットフォーム事業におけるサブスクの年間売上高を指しています。

プラットフォーム事業(中古マンション領域)の業績

中古マンション領域の業績です。予定していた新サービスのリリース遅延により、売上が計画どおりに進捗せず、売上高は前期比で減少しました。顧客数は計画どおり増加しています。

デジタルマーケティング事業の売上高

デジタルマーケティング事業の売上高は4億円を突破し、過去最高を更新しました。

その他の業績

その他の業績です。DMが前期比133パーセントと堅調に推移しています。リフォームは2023年2月期第2四半期で受注活動を停止しているため、売上はありません。

2024年2月期ビジネスアップデート

主要なビジネスアップデートについてご説明します。1つ目に、「マンションサマリ」の新機能の提供開始と、検索速度の高速化について改善を実施しました。こちらは定期的なマイナーアップデートを続けており、今回は複数の検索機能をリリースしています。また、データ集計処理を大幅に改善したことで、高速処理が可能となりました。本リリースにより、ユーザビリティの向上を実現しています。

2つ目に、「マンションサーチ」の機能強化を実施しました。「マイプロットメモ」をはじめとした各機能の利用導線の再設計や写真一括登録など、大幅な機能強化を完了しています。これにより、従来の法人会員に加えて、個人会員の新規登録や利用促進を目指していきます。

3つ目に、新サービスとして「間取図作成サービス」をリリースしました。当社が保有する高精度の間取図データに描画処理技術を活用することで、効率的にスケルトン図面への変換が可能となりました。これにより、広告用間取図作成の高速化が実現しました。

ビジネスアップデート 新サービス紹介

「間取図作成サービス」について、詳しくご説明します。本サービスは、物件広告などで活用する間取図を作成する、不動産仲介業者向けのサービスです。顧客との直接的な関係から取得した、高精度の自社保有データに描画処理技術を活用することで、スケルトン図面への変換を効率的に行うことが可能となりました。

この技術により、広告用間取図作成の高速化と低コストでの提供が実現しました。今後は本サービスを足がかりに、中古マンション領域の増収を目指していきます。

2025年2月期 業績予想

2025年2月期の業績見通しについてご説明します。売上高は微増ながらも、過去最高となる前期比4.4パーセント増の15億円を計画しています。営業利益は前期比23.2パーセント増の7,000万円となる見込みです。

営業利益及び経常利益は増益となる一方、当期純利益は減益予想となっています。これは前期において特別利益に計上した投資有価証券売却益が今期は発生しないためです。

売上高の推移

売上高の推移です。今期は好調なデジタルマーケティング事業を中心に業績を伸ばしていく計画です。

成⻑戦略概観

今後の成長戦略についてご説明します。まずは成長戦略概観です。今期はCGMサイトとの連携を強化し、クロスセルによる業績拡大を目指していきます。

新築マンション領域では、デジタルマーケティング事業の売上拡大を進めていきます。中でも、重点サービスと位置づけている「CGM広告」において、掲載物件数の確保に注力します。加えて、既存サービスのARRを伸ばし、売上・利益の拡大を図るべく、引き続きアカウント営業を推進します。

中古マンション領域では、新サービスの「間取図作成サービス」による増収を目指します。

新築マンション領域の成⻑戦略

新築マンション領域の成長戦略です。重点サービスと位置づけている「CGM広告」において、掲載物件数の確保に注力します。CGMサイトとは、一般ユーザーが投稿したコンテンツで形成されるメディアを指し、主に口コミサイトや掲示板などがCGMサイトと呼ばれています。

本サービスは、マンションの購買意欲の高いユーザーが集まるCGMサイトを活用することから、反響の質の高さと送客力が強みです。最新の反響数データを集計したところ、全体の37パーセントのユーザーが来場予約を完了していることがわかりました。この割合の多さが、クライアントからも好評です。

また、CGMサイトの特性上、実際の消費者や自分自身と同じ立場のユーザーが情報を発信しているため、信頼性が高く、購買意欲を後押しする効果が期待できることも強みの1つです。

CGMサイトのポテンシャルと連携サイトの特徴

CGMサイトのもう1つの強みは、Googleが定めた良質なWebサイトを作成する上で、最も重要な基準E-E-A-Tに沿ったサイト構成であることです。2022年12月にアップデートされたGoogleの品質評価ガイドラインによって、実体験を持つ人が作成したコンテンツが高く評価されるようになりました。

CGMサイトは、実際の消費者の体験を基に構成されていることから、Googleから高く評価され、検索結果として上位に表示されます。これにより、サイトへの誘導がしやすく、目的に合った質の高いユーザーを効率的に集客することが可能となりました。

新築マンション領域の成⻑戦略 ビジネス成⻑に伴う広⼤な市場規模

「CGM広告」の成長戦略と併せて、市場規模についてもご説明します。まずは第1フェーズとして、当社の営業拠点である首都圏・関西・東海の三大都市圏で営業活動を行っています。

三大都市圏の市場規模については、2023年10月11日時点の数字になりますが、1,317物件が営業活動の対象です。月額費用10万円で12ヶ月掲載した場合、約15億8,000万円が市場規模となります。

第2フェーズでは、全国展開を計画しており、1,758物件で約21億1,000万円の市場規模、そして第3フェーズでは、中古マンションや戸建てといった新築マンション以外のカテゴリへの進出を予定しています。概算にはなりますが、第2フェーズの21億1,000万円プラスアルファが見込めますので、当社としては「CGM広告」を当面の重点サービスと考え、営業活動を推進していく計画です。

新築マンション領域の成⻑戦略

新築マンション領域の成⻑戦略です。2023年9月からアカウント営業に体制変更を行いました。

「CGM広告」の販売においても、アカウント営業体制がうまく寄与しており、効率的に営業活動を行えています。今期もアカウント営業を行い、顧客ニーズをさらに分析することで課題やニーズを抽出し、多様な提案を実施することで顧客単価の向上を進めていきます。

新築マンション領域の成⻑イメージ

新築マンション領域の成長イメージです。顧客数に関しては、すでに大きくシェアを獲得している現状から、わずかな増加を見込んでいます。そのため、「CGM広告」や既存サービスの利用アカウント数の拡大など、事業をまたいだクロスセルによる顧客単価の上昇を進めていきます。

新築マンション領域 売上の成⻑イメージ

新築マンション領域の売上の成長イメージです。安定収益のプラットフォーム事業をベースとしながら、成長ドライバーのデジタルマーケティング事業の売上を積み上げていく計画です。

中古マンション領域の成⻑戦略

中古マンション領域の成長戦略です。当社は新築マンション領域ではすでに大きくシェアを獲得していますが、中古マンションを取り扱う仲介市場においては、まだまだ余力があると考えています。

中古マンション領域を成長させていくために、今期は新サービスの「間取図作成サービス」による増収を目指す計画です。また、引き続きニーズの高い営業支援コンテンツの開発も続けていきます。

中古マンション領域の成⻑戦略

中古マンション領域の成長イメージです。新サービスの「間取図作成サービス」を足がかりに増収を目指していきます。

会社概要

会社概要はスライドのとおりです。従業員数は9名増え、78名となりました。

サービス一覧

サービス一覧はスライドをご確認ください。今後も新サービスの開発を続けていきます。

商号変更

最後に、社名変更のご報告です。2024年4月24日に発表したとおり、社名を株式会社マーキュリーへ変更します。5月30日に実施される株主総会での承認を経て、2024年9月から新社名での運用を開始する予定です。これからも変わらず、「Big Data×Technologyで不動産の未来は私たちが動かす」というビジョンの下、不動産業界を支援していきます。

免責事項

免責事項についてはご了承いただきますようお願いします。

以上で、株式会社マーキュリーリアルテックイノベーターの2024年2月期決算説明会を終了します。本日はお忙しい中、ご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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