売れるネット、今期経常を95%下方修正

配信元:株探
投稿:2024/03/15 17:00
 売れるネット広告社 <9235> [東証G] が3月15日大引け後(17:00)に決算を発表。24年7月期第2四半期累計(23年8月-24年1月)の経常損益(非連結)は9900万円の赤字(前年同期は6500万円の黒字)に転落した。
 併せて、通期の連結経常利益を従来予想の2億4500万円(非連結)→1200万円に95.1%下方修正した。

 会社側が発表した上期実績と通期計画に基づいて、当社が試算した2-7月期(下期)の連結経常利益は前年同期非連結比9.9%増の1億1100万円に伸びる計算になる。

 直近3ヵ月の実績である11-1月期(2Q)の経常損益(非連結)は9100万円の赤字(前年同期は3100万円の黒字)に転落し、売上営業損益率は前年同期の11.2%→-67.2%に急悪化した。

 ※今期から連結決算に移行。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
  下方修正となった理由としましては、2024 年7月期上期(2023 年8月~2024 年1月)において成果報酬型のマーケティング支援サービスの売上高が163 百万円(当初計画比57.1%)と軟調に推移しているためでございます。また、クラウドサービスにつきましても「売れるネット広告でざいん」の売上高が想定の61.6%で進行していること及び解約率が41.6%(2023 年7 月期46.6%)と前年を下回って推移しているものの、当初計画である35%を上回っており、新規アカウント獲得数につきましても当初計画を下回って推移し、売れるD2C つくーるの契約アカウント数が2024 年1月末時点で145 社となっていること等から、クラウドサービス全体の売上高は169 百万円(当初計画比81.7%)となっております。 なお、2024 年7月期下期(2024 年2月~2024 年7月)につきましては、株式会社グルプスへの運用広告委託による内製化に伴うマーケティング支援サービスの売上拡大、大規模有料セミナーの開催等による売上・各利益共に2024 年7月期上期(2023 年8月~2024 年1月)を上回る想定ではございますが、上期未達分を補うまでは至らないと判断し、上記の通り業績予想を修正いたします。なお、売上原価・販売管理費につきましては前回発表のとおりに進捗をしております。 マーケティング支援サービスが軟調に推移している理由としましては、当社は2023 年9月中旬より、D2C(ネット通販)業界において直近課題の一つとなっております、「不正注文の対策」に集中する施策を実行したためでございます。 不正注文とは、転売目的等で商品を購入しようとする悪質な注文のことでございます。転売目的等で不当に商品を買い占める“転売屋”や初回価格狙いで即解約する“初回ピッカー”がD2C(ネット通販)事業者の経済的損失やブランド価値の毀損につながる事態となり、業界全体の大きな課題となっております。不正注文が発生する理由としましては、D2C(ネット通販)のビジネスモデルが原因の一つとなっております。 D2C(ネット通販)のビジネスモデルは、初回申し込みのハードルを下げ、まずは1度試してもらうために、新規顧客に「初回特別価格」をオファーすることが慣例になっております。(例:「初回70%OFF、2回目以降10%OFF」のように、初回価格と2回目以降の価格に大きく差をつけているビジネスモデル) D2C(ネット通販)事業者は2回目以降も継続して購入する想定の価格設定であるため、初回注文価格で何度も購入を繰り返し、解約をする消費者が増加するほど、D2C(ネット通販)事業者は赤字に陥ることとなります。当社におきましても、不正注文が一つの理由として、事業撤退を余儀なくされるクライアントが発生するなど早期に対策を講じる必要がございました。 そこで、当社は2024 年7月期上期(2023 年8月~2024 年1月)に不正注文を減少させるべく、当社クラウドサービスにおいて、D2C(ネット通販)における新しいビジネスモデル「半永久的に●%OFF」という初回価格と2回目以降の価格差が発生しないビジネスモデルをクライアントの皆様の協力を仰ぎながら実行して参りました。(例:「初回も2回目以降もずっと、半永久的に20%OFF」のように、割引率を固定する方法) この「初回も2回目以降もずっと同じ価格にする」という新しいビジネスモデルを導入したクライアントにおいては、不正注文が減少したという事例が確認でき、一定の実績を作ることが出来ております。 一方で、本施策について不正注文は減少いたしますが、初回と2回目以降の価格差をなくすことで、結果的に初回申し込みのハードルが上がるため、コンバージョン(申込件数)が低下することとなります。 当社マーケティング支援サービスにおいては、「売れるD2C つくーる」クライアントにのみ提供をしているサービスであり、クラウドサービスで制作された「ランディングページ」に一般消費者を集客することを目的として、インターネット上に広告を配信するサービスです。本サービスにおいては、掲載した媒体に対して一般消費者によるコンバージョンが発生し、メディアプラットフォーム上で計測される申込件数によって料金が発生する成果報酬型広告を中心としております。 上記施策は当事業年度期首から実施を検討し、2023 年9月中旬から開始を致しました。当初は業績への影響は軽微であると想定しておりましたが、想定以上にコンバージョン(申込件数)が減少したことでマーケティング支援サービスの売上高が2024 年7月期上期(2023 年8月~2024 年1月)において、前回発表の業績予想の57.1%と軟調に推移することとなっており下方修正の要因となっております。
配信元: 株探

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