方向感模索の時間帯
【注目ポイント】「150.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「151.872円」付近までの上昇も
【シナリオ②】同レート割れなら、「147.500円」付近までの下押しを想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「147.500~151.872円」
昨日(2月29日)、日銀・高田審議委員の講演での発言が「日銀の出口近し」と市場で咀嚼(そしゃく)されたこともあり円高フローが進展し、一時「149.192円」まで下押しする動きとなりました。
各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方で推移していること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)があること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DIと-DIが収斂し、ADXが横ばいでの推移(上図赤色点線丸印)となっていることから、現在の米ドル/円・日足チャートは、下値しっかりの相場付きを示すチャート形状であると判断します。
他方、ⅰ) BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが収縮する“スクイーズ”が示現していること、またⅱ) ローソク足がBB・+1σラインを割り込む“上昇バンドウォーク崩れ”となっていることから、足もとの米ドル/円は、「上昇トレンド一服」→「方向感模索」の時間帯/局面であると捉えて良いでしょう。
喫緊の注目ポイントは・・・約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAをメドとし、同時に心理的な節目でもある「150.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「150.000円」で下値サポートされた場合は、「下値固め」→「反発/上昇フロー」となりそうです。当該ケースでは、「SARの買いサインへの転換」や「上昇バンドウォークの再開」、また「+DI>-DIへの変化」なども伴いながら、昨年11月13日に付けた高値水準である「151.872円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇もあり得そうです。
[シナリオ②]
一方で、「150.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「心理的な節目割れ」→「もう一段の下押し」となる可能性も。当該ケースでは、「(青色雲の上辺である)先行1スパン(≒149.180円)割れ」や「遅行スパンのローソク足への近接」、また「-DI>+DIへの変化」なども伴いながら、BB・-2σラインをやや下回る水準である「147.500円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しを想定すべきでしょう。ただし、現状では㋐青色雲が分厚い形状(=強い下値サポート帯)となっていること、さらには㋑200日MAが右肩上がりでの推移となっていることから、下値余地は限定的と言えるでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、足もとの米ドル/円は「150.000円」ラインを重要な“分水嶺(ぶんすいれい)”としつつ、方向感を模索する動きとなりそうです。当面※は「147.500~151.872円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。(※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
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