15年4月以来、約9年ぶりの高値を示現!
【注目ポイント】「91.250円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「92.420円」付近までの上昇
【シナリオ②】同レート割れなら、「90.000円」付近までの下押しも考慮
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「90.000~92.420円」
先週9日、ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)のエコノミストがRBNZ(NZ中銀)の金融政策スタンスに対してタカ派見通しを示したとのニュースを受け、NZドル/円は一時15年4月以来、約9年ぶりの高値となる「91.799円」まで上昇。その後は、「反省相場」→「往って来い」主体の相場付きとなる中、もう一段の上値追いを模索する時間帯/局面となっています。
各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日および200日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方に位置していること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが横向きでの推移(上図赤色点線丸印)となっていることから、現在のNZドル/円・日足チャートは、上昇トレンド継続を示すチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”となっていること、さらにはⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が示現していることを合わせると、今後のNZドル/円は徐々に上値を切り上げる動きとなりそうです。
そんな中、目先の注目ポイントは・・・BB・+1σラインをメドとする「91.250円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「91.250円」で下値サポートされた場合は、「上昇バンドウォークの継続」→「上値切り上げ」となりそうです。当該ケースでは、「9日に付けた直近高値(=91.799円)超え」や「遅行スパンのさらなる上放れ」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、15年4月に付けた高値レートである「92.420円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇も視野に入れるべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「91.250円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「下値切り下げ」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への近接」や「21日MA(≒90.600円)割れ」、また「ADX・+DI・-DIの収斂」なども伴いながら、BB・-1σラインをメドとする「90.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しも考慮すべきでしょう。ただし、現状では青色雲が分厚い形状(=強い下値支持帯)であること、また、上述の通り200日MAが右肩上がりでの推移となっていることから、下値余地は限定的となりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、今後のNZドル/円は下値しっかりの相場付きが継続すると想定しつつ、当面※は「90.000~92.420円」を“主戦場”(コアレンジ)とする展開になりそうです。(※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
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