日足では下降トレンドを示唆!ただし週足では・・・?
【注目ポイント】「140.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「150.000円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レート割れなら、「130.000円」付近までの下落も視野に
【注目イベント】19日(火)の日銀会合および植田総裁会見
先週(7日)の植田日銀総裁による「チャレンジング」発言に伴う“植田ショック”で、円高フロー主体でのフラッシュクラッシュ的な下落フローとなった米ドル/円。その後一旦持ち直したものの、12-13日に行われた米FOMCにおいて、「FRBはハト派スタンスへのシフトが強まった」との市場参加者の思惑もあり、米ドル/円は米ドル安主体で下落。足もとでは、重要線である200日MA(移動平均線)を割り込む動きとなっています。
そんな中、チャートのタイムフレーム(時間軸)を週足に替えてみると、やや違った景色が見えてきます。以下、米ドル/円・週足チャートの各メルクマールを確認しましょう。
上図(週足チャート)の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 26週MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態(上図黄色丸印)になっていること、3) ローソク足が青色雲(=サポート帯、先行スパン)の中に入り込んでいること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが横向きでの推移になっている(上図青色点線丸印)ことから、現在の米ドル/円・週足チャートは上下圧力が拮抗するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
喫緊の注目ポイントは・・・約1年間における市場参加者の平均コストを示す52週MA、そして青色雲の下辺である先行2スパン、さらにはBB(ボリンジャーバンド)・-2σラインといった3つの重要線をメドとする「140.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後※のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
※ここでの「今後」は、向こう1カ月程度のスパンを想定しています。
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「140.000円」で下値サポートされた場合は、「(3つの重要線での)下値固め完了」→「反発/上昇フロー」となりそうです。当該ケースでは、「(約半年間における市場参加者の平均コストを示す)26週MA(≒146.230円)超え」や「SARの買いサインへの転換」、また「+DI>-DIへの変化」なども伴いながら、BB・+1σラインをメドとする「150.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。この場合は、下値しっかりの相場付きが継続し、「140.000~150.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする往って来い主体の展開となりそうです。
[シナリオ②]
一方で、「140.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「下値支持線(帯)割れ」→「下降モメンタム強化」へのトリガーとなりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“逆転”(=ローソク足下放れ)示現」や「26週および52週MAの右肩下がり推移への変化」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、今年の1月ないしは3月時の安値水準であり、また心理的な節目でもある「130.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。この場合は、上値の重い相場付きが継続し、「130.000~140.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする下値切り下げ主体の展開となりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、今後の米ドル/円にとって、「140.000円」ラインは極めて重要なトレンドの“分水嶺(ぶんすいれい)”となりそうです。よって、上記[シナリオ②]が示現(=140.000円割れ)したケースでは、米ドル/円の中長期スパンにおけるフェーズ(局面)転換トリガーと捉えて良さそうです。
目先では、次週19日(火)正午頃に公表される日銀金融政策決定会合の結果および同日15時30分からの植田日銀総裁の会見での発言が米ドル/円の相場動意となりそうです。
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