前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

配信元:株探
投稿:2023/11/23 05:20

テクニスコ <2962>  723円 (+100円、+16.1%) ストップ高

 テクニスコ <2962> [東証S]がストップ高。株価は22日で4連騰と底値離脱を鮮明としてきた。今年7月26日に東証スタンダード市場に新規上場した直近IPO銘柄で、ヒートシンク(放熱板)製品の製造販売を手掛け、高い商品クオリティを武器に高出力半導体レーザー装置やパワー半導体向けなどで高水準の需要を獲得、中期的にも商機拡大の公算が大きい。足もとの業績も今期は急回復が見込まれており、24年6月期は営業利益段階で前期比56%増の4億2700万円と急拡大予想にある。半導体関連の中小型株に物色の矛先が向かうなか、同関連の出遅れとして投資資金が攻勢をかけた。

JET <6228>  6,690円 (+840円、+14.4%)

 ジェイ・イー・ティ <6228> [東証S]が急反騰。9月25日に東証スタンダード市場に新規上場したニューフェースで、上場直後は需給要因で軟調な値動きを強いられたものの売り一巡後は動きを一変させた。機関投資家とみられる継続的な買いが観測され、株価は今月中旬を境に短期間で70%を超える上昇パフォーマンスをみせている。前日21日は8営業日ぶりにひと押し入れたものの、22日はすかさず押し目を拾われ、840円高と気を吐いている。同社は半導体洗浄装置の開発・設計、製造・販売及びアフターサービスを一気通貫で手掛けるが、半導体王国である韓国や台湾といったアジア地域で需要を開拓しており、多数のウエハーを一括洗浄するバッチ式洗浄装置ではグローバルベースで1割強の商品シェアを誇るなど、その実力の高さがうかがわれる。半導体のみならず、リチウムイオン電池検査装置など新たな成長分野にも照準を合わせ、業容拡大にも前向きだ。ここ数年来、売上高、利益ともに急成長トレンドにあり、23年12月期は営業利益段階で前期比33%増の27億5900万円と過去最高を大幅更新予想にある。時価総額は依然として300億円未満の小型株であり、今後の収益成長力を考慮すると15倍台の時価予想PERは割安感が強い。

ヤマックス <5285>  1,020円 (+115円、+12.7%)

 ヤマックス <5285> [東証S]が3日続急騰。同社は九州最大の土木用・建築用コンクリート二次製品メーカー。今月9日に上期決算とあわせ、24年3月期業績予想の上方修正を発表。売上高を200億円から203億円(前期比12.6%増)へ、営業利益を10億円から15億円(同79.9%増)へ引き上げた。上期の土木用コンクリート製品事業の状況を踏まえ、今後も業績が好調に推移することが予想されるため。あわせて、配当予想を20円から30円(前期16円)に増額修正した。好業績を背景に株価は上昇基調を強め、22日は大幅高で1000円台乗せ(株式分割・併合考慮後)を果たし、1996年以来約27年ぶりの高値圏に浮上した。

カイオム <4583>  147円 (+12円、+8.9%)

 カイオム・バイオサイエンス <4583> [東証G]が3日続急伸。理化学研究所発の創薬ベンチャーで抗体作製に独自技術を有しているのが特徴。同社が開発した抗体作製技術「ADLibシステム」への注目度が高い。21日取引終了後、中国でADLibシステムに関連する特許査定を受領したことを発表。また、欧州でがん治療用候補抗体「CBA-1535」に関する特許査定を受領したことも併せて発表しており、これが足もとの株価を強く刺激する格好となった。株価は100円台前半と低位に位置しており、上値を見込んだ個人投資家の短期資金を誘導したようだ。

高見サイ <6424>  1,097円 (+89円、+8.8%)

 高見沢サイバネティックス <6424> [東証S]が続急伸。21日の取引終了後、パナソニック ホールディングス <6752> [東証P]傘下のパナソニックコネクトと開発したウォークスルー型の顔認証改札機について、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)での設置作業が開始されると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。御堂筋線なんば駅の北東改札への設置を皮切りに、順次設置が進む計画。乗客の利用は2024年度末の開始を予定する。

日ギア <6356>  514円 (+35円、+7.3%)

 日本ギア工業 <6356> [東証S]が続急伸。歯車装置メーカーで電力向け中心に高い実績を誇る。なかでも電気や油圧などのエネルギーを動力に変換してバルブの開閉・制御を行うバルブアクチュエータは国内原子力発電所向けで約90%の独占的シェアを獲得している。業績も好調だ。24年3月期の営業利益は従来予想の6億5000万円から14億6000万円(前期比52%増)に大幅上方修正しており、7倍前後のPERは水準訂正余地の大きさを示唆している。株式需給面でも特徴的な動きが観測された。30日に大商いでザラ場510円の高値をつけた後に値を消したが、その後の株価の出直り局面で30日にこなした出来高よりも遥かに少ない水準で高値を奪回した。これは上昇過程で戻り売りを浴びていないことを意味しており、同社株式を実需で抱えている大口投資家(機関投資家)が存在する可能性を示唆している。

栗林船 <9171>  766円 (+48円、+6.7%) 一時ストップ高

 栗林商船 <9171> [東証S]が続急伸、一時ストップ高となった。日本海事新聞電子版が22日、栗林船などが特許を持つ新型舵「ゲートラダー」に関し、レトロフィット(据え付け工事)したトルコの内航貨物船で約35%の燃費性能向上を確認したことが明らかになったと報道。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。先月、イスタンブール工科大学で開催された国際会議において発表されたという。

毎コムネット <8908>  758円 (+40円、+5.6%)

 毎日コムネット <8908> [東証S]が急反発。21日の取引終了後、24年5月期第2四半期累計(6-11月)の連結業績予想の上方修正を発表。売上高は101億円から104億3000万円(前年同期比8.1%減)、最終利益は3億6000万円から5億8500万円(同0.5%減)に見通しを引き上げており、好感されたようだ。販売用不動産の売却が計画通りに進み、不動産マネジメント部門は計画を上回って順調に推移する見込み。課外活動ソリューション部門と人材ソリューション部門も売上高が計画を上回る見通しとなった。

アイスタイル <3660>  521円 (+26円、+5.3%)

 東証プライムの上昇率10位。アイスタイル <3660> [東証P]が3日続急伸。22日、Amazon.co.jp上に公式ストア「@cosme SHOPPING」をオープンしたと発表。今後の収益貢献を期待した買いを集めたようだ。2022年8月に締結したアマゾン・ドット・コム との資本・業務提携に基づいた協業の一環。オープンにあたり「ANNA SUI」や「shu uemura」などのブランドが参画した。開設を記念して12月1日まで、対象商品のアマゾンポイントが最大20%ポイント還元となるキャンペーンを実施する。

IMV <7760>  512円 (+24円、+4.9%)

 IMV <7760> [東証S]が大幅高で3日続伸。21日の取引終了後、取得総数40万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.45%)、取得総額2億5000万円を上限とする自社株買いを実施すると発表。これを好感した買いが入ったようだ。取得期間は12月1日から2024年9月30日までとする。

桜ゴム <5189>  1,805円 (+84円、+4.9%)

 桜ゴム <5189> [東証S]が大幅高で3日続伸。21日の取引終了後、配当方針を変更すると発表した。連結配当性向30%を目標とした業績連動型配当を行う方針を示し、手掛かり視されたようだ。今期から適用する。

UACJ <5741>  3,265円 (+120円、+3.8%)

 UACJ <5741> [東証P]が3日ぶり大幅反発。SMBC日興証券は21日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を3100円から4000円に引き上げた。24年3月期は数量低迷、コスト高の逆風が吹くが、価格重視の姿勢で利益を上積みする見通し。缶材は米国、日本で調整が進むが、米国では環境配慮からアルミ缶へのシフトは継続。半導体製造装置用の厚板の調整も続くが、日本、米国では半導体工場の建設計画が増加中であり、缶材、厚板の出荷数量が回復すれば利益水準は一段と高まる可能性がある、とみている。同証券では24年3月期の連結営業利益を従来予想の268億円から270億円に見直しており、25年3月期は367億円と予想している。

三菱紙 <3864>  562円 (+20円、+3.7%)

 三菱製紙 <3864> [東証P]が大幅続伸。王子ホールディングス <3861> [東証P]や日本製紙 <3863> [東証P]が買われた。外国為替市場では前日、ドル円相場が一時1ドル=147円台前半までドル安・円高が進行した。足もとでは148円台前半まで戻している。もっとも、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げサイクルの終了が市場の大方の見方となるなか、来年は利下げに転じるとの観測が広がっており、ドルの先安観を背景とした円高シナリオに投資家は身構えつつある。一方、東京市場では22日、日銀が定例の国債買い入れオペを実施。買い入れ予定額を減額したことなどを背景に、長期金利は上昇した。米長期金利も時間外取引では低下基調に一服感が出ている。バリュー株の下支え効果をもたらすなか、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回るパルプ・紙株に対しては円高による収益改善期待も相まって、物色の矛先が向かったようだ。

※22日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース
配信元: 株探

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