トレードの要諦は・・・『中央銀行には逆らうな!』
【注目ポイント】「162.560円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「165.000円」付近までの上昇
【シナリオ②】同レート割れなら、「160.700円」付近までの下落も想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「160.700~165.000円」
今月に入り、BB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”が継続しているユーロ/円。まさに教科書的な上昇トレンド、いわゆる“電車道相場”が続いており、足もとでは08年8月以来約15年ぶりの高値を示現しています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIの乖離が拡大(=ワニの口)し、ADXが右肩上がりでの推移になっている(上図赤色点線丸印)ことから、現在のユーロ/円・日足チャートは、上述の通り、教科書的な上昇トレンドを示すチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、ⅰ) 上述の通り、ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間で推移する“上昇バンドウォーク”となっていること、またⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が示現していることを合わせると、今後のユーロ/円はもう一段の上値を試す可能性も。
そんな中、足もとにおける注目ポイントは・・・BB・+1σラインをメドとする「162.560円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「162.560円」で下値サポートされた場合は、「上昇バンドウォークの継続」→「もう一段の上値追い」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのさらなる上放れ」や「(BB・±2σラインの拡張である)エクスパンションの進展」、また「+DI>-DIのさらなる乖離拡大」なども伴いながら、心理的な節目である「165.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇となりそうです。
[シナリオ②]
一方で、「162.560円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「一旦の下押し」のトリガーとなりそうです。当該ケースでは、「(BB・±2σラインの拡張である)エクスパンションの鎮静化」や「SARの売りサインへの転換」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAをメドとする「160.700円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落もあり得そうです。ただし、現状では青色雲が厚い形状(=下値しっかり)となっていること、また200日MAが右肩上がりでの推移となっていることから、下値余地は限定的となりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、今後のユーロ/円は他のクロス円通貨同様、下値しっかりかつ上値追い模索の相場付きが継続するとの想定の下、当面※は「160.700~165.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。(※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
最後に一言。
今後のユーロ/円のトレンド観測をする上で、当然ECB(欧州中銀)の金融政策スタンスを確認する必要がありますが、現時点での対円通貨の動向はBOJ(日銀)の同スタンスがより重要度(影響度)が高いと考えます。先般の植田日銀総裁のコメントからも、早々に日銀による大規模金融緩和方針のコペルニクス的な転回が見込めない中、値頃感でのトレードは禁物と言えます。常にトレードの一丁目一番地には相場格言である『中央銀行には逆らうな』を置きつつ、加えて『休むも相場』を取り入れるのも一案でしょう。常に心と資金に余裕を持った状態でお取引をしていただければ幸いです。
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