インフォネット、売上高は前期比+2.8%と堅調に増加、利益体質への転換が進み、営業利益は前期比+78.3%と大幅増
infoNet Group
日下部拓也氏:本日は株式会社インフォネット決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。株式会社インフォネット代表取締役社長執行役員の日下部拓也です。本日は私から、2024年3月期第2四半期の決算概要をご説明します。
まず、本日初めて当社のことをご存知になる方もいらっしゃるかと思いますので、当社の概要からご説明します。当社は株式会社インフォネットと言います。本社は東京の大手町に構えており、それ以外に開発拠点として福井支社、佐賀支社、第2の営業拠点として大阪支社を設けています。
スライドの事業内容に記載のとおり、サービスはWebサイト構築、CMSサイト構築をメインに展開しており、それらに付随するシステム開発等々も行っています。
その他に子会社として、株式会社アイアクトと株式会社i-MediXの2社を有しています。アイアクトでは当社と同じようにWeb制作を行っていますが、メインはAI商材です。「Cogmoシリーズ」と称して、「Cogmo Attend」「Cogmo Search」といったチャットボットに加え、AIの検索サービスを提供しています。
i-MediXは近年設立された会社です。当社のWebサイト制作は、IRサイトのコンサルティングから入らせていただくことも多く、そちらを補う意味で、例えば統合報告やその他決算説明会の資料などのIR周りのサービスを行っています。
事業領域と顧客ニーズ
事業領域と顧客ニーズです。サービスについてご紹介します。スライドの図の中央にあるCMSサイト構築が当社のメイン事業です。こちらはいわゆるホームページ、Webサイトを作るサービスと、それを管理していくにあたって必要となる自社開発のCMSを一緒に提供しています。
提供後はCMSの運用やWebサイトの運用をサポートすることで、お客さまと継続的に取引しており、お客さまからいろいろなニーズをおうかがいすることがあります。その中で必要となってくる部分を、その他のサービスプロダクトで補っています。
スライド左上は昨年度リリースした「MEGLASS finder」で、アクセス解析のツールです。先ほど少しお伝えしましたが、子会社で展開しているAIチャットボットやAIの検索サービスなども展開しています。
いわゆるマーケティング部分のサポートも行いますし、チャットボットや検索サービスはイントラサイトなどで使われることが多く、Webにまつわる業務効率化の部分も支援して補っていくようなサービスだとご認識いただければと思います。
ビジネスモデル
ビジネスモデルについてご説明します。こちらは主にWebサイトの部分とイメージしていただければよいと思います。まずは調査/分析を行い、お客さまのウェブサイトがどのような状況にあるのかを把握します。その後、ニーズがあれば「どのようなサイトにするか」「どのような問題をどのように解決するか」を企画/プロデュースします。
そして、実際に設計/デザイン/システム開発に入り、Webサイト制作まで行います。その後、Webサイトを運用していくフェーズになるため、その中で運用サポートや当初の目的が達せられているかどうかといった効果測定等々を行います。必要であれば、改善提案なども行い、必要な改修等々を行っていく流れです。
Webサイトは一定時期になるとフルリニューアルのタイミングが来ます。その際はまた調査等々を行い、再び企画/プロデュースへと移っていきます。このようにお客さまと継続的にお付き合いすることが多いビジネスモデルとなります。
収益モデル
そちらを踏まえて、収益モデルをご説明します。スライドの図の一番左側からスタートし、まずWebサイトの構築を行ってフロー収益をいただきます。開発・制作が終わりますと、次はCMSを用いたWebサイト運用となりますので、CMSの利用料、あるいはサーバーのホスティング料などをストック収益としていただきます。
図のグレーの部分が受託開発、いわゆるWebサイトを構築する部分で、薄いブルーがCMSの利用料として月額でいただく部分になります。月額でいただく部分は、お客さまの増加とともにどんどん積み上がっていきます。
みなさまはよくご存知かと思いますが、Webサイトは一度作ると基本的には4年から5年ほどそのままご利用いただくケースが多いため、ストック収益がどんどん積み上がっていくモデルとなっています。
それ以外の濃いブルーの部分では、運用していくにあたって必要な改修等々が入ります。これは当社ではフロー収益の一部と見ており、こちらもお客さまの増加とともにどんどん増えていく積み上げ式の収益モデルとなっています。
プロダクト成長イメージ
現在、我々がどのようにサービスを成長させていこうとイメージしているかを図で示しています。まず、メイン事業であるWebサイトの構築とCMSを図の中央に置いています。
先ほどお伝えしたとおり、その後、継続的に運用面やCMSのサポートでお客さまとコンタクトを取っていくため、お客さまからさまざまなニーズをおうかがいする立場にあります。特にIT周りのご相談が非常に多く、そのような悩み等々を当社で解決できる場合はプロダクト化・サービス化して提供していきます。
スライド右側のマーケティング領域においては、昨年に「MEGLASS Finder」をリリースしました。また、子会社が持つ「Cogmo Attend」は、チャットボットの部分がマーケティングをサポートする1つのプロダクトとなっています。それ以外にも、今把握しているさまざまなニーズがありますので、プロダクトでカバーしていくかたちになります。
スライド左側の業務改善・効率化の部分についてです。Webサイトには、みなさまが他社の情報を知ろうと思って訪れるようなホームページ以外にも、例えばイントラサイトという企業内のメンバーだけがアクセスできるサイトで運用するケースもあります。そちらにひもづく業務改善のサポートも、当社でカバーできる部分は行っています。
具体的には、AIの検索サービス「Cogmo Search」です。例えば、「有給休暇を取りたいが、どのような手続きが必要なのか」という場合に規定等々を検索したい時、Web検索では入力した文字がない限りは見つからないのですが、AIは意味理解が入るため、フィットするような文字がなくても、意味を理解した上で検索をかけられます。
そのため、社内での規定等々の運用には非常にフィットしやすいサービスとなっており、そのようなところをカバーしています。
その他にも業務改善系での提案や悩みごとは多くあると思っていますので、今後はそのあたりをプロダクトおよびサービスでカバーしていくことを進めていきます。
そのため当社のイメージとしては、Web/CMSというサービスを中央に置いた時に、それらに付随する業務をプロダクトやサービスで埋めていくことで、顧客企業のIT周りのDXを総合的に支援していくことに取り組んでいるということです。
マイルストーン
マイルストーンについてです。今お伝えしたプロダクト成長イメージに合うようにプロダクト開発を進めています。まず、スライドの図の2段目に記載の「MEGLASS finder」を昨年リリースしました。現状はバージョンアップ等々を繰り返しながら、よりお客さまのニーズに沿うようにプロダクトの育成を行っています。
3段目の新プロダクト開発については、現在開発中です。マイルストーンどおりに進んでいるため、今期中には新たなプロダクトが開発でき、サービスインできるだろうと踏んでいます。
先ほど図示したプロダクト成長イメージには空いているマスが山ほどあり、例に挙げたもののほかにも取り組めることはあります。もちろん、当社だけですべてをカバーしようとは思っていません。連携できる企業があれば、アライアンス等々でサービスをカバーしていこうと考え、そちらの開拓も進めています。
1段目のCMSメジャーバージョンアップについては、現状、当社のメインプロダクトである「infoCMS10」をお客さまに提供していますが、それをさらに一新します。より便利に、先ほどお伝えしたサービスイメージを実現できるようなCMSに変えるために、メジャーバージョンアップ中です。
今期中はプロダクトの開発を行い、来期中にはサービスインできるようなスケジュールで進めています。
プロダクト関連
第2四半期の具体的なお話に移ります。まずはトピックスです。第2四半期だけでいいますと、今年もSaaS型CMS市場において8年連続シェアナンバーワンという評価をいただきました。CMSは日に日にプレイヤーが増えてきていますが、その中でもシェアが一番大きいことは非常にありがたいと思っています。
当社としては、ナンバーワンを担うべき企業である責任をもって進めていきますが、シェア率はあくまで指標のため、それよりも自分たちが志向するのは先ほどお伝えしたプロダクト成長イメージです。そちらを着実に実現して、ITやWebの部分でお困りの企業にいかに役立ててもらえるかを一番注視しながら進めています。
しかし、そのような中で8年連続シェアナンバーワンの評価をいただいたことは非常に光栄だと思っています。引き続き、事業活動に勤しんでいきます。
ハイライト
決算概況です。まず、ハイライトを3つ提示しています。1番目は、利益額および利益率の改善が順調に進んでいます。前期比で営業利益は78.3パーセント増、営業利益率は2.43パーセントポイント増となりました。
2番目は、下期偏重なビジネスモデルの中、第2四半期の段階で当期純利益の黒字を達成しました。3番目は、Web/CMSでストック、フローともに堅調な増収となりました。前年同期比で約4,400万円増加しています。
業績ハイライト
より具体的な業績ハイライトです。売上総利益はグループ連結で前期比508万円ほどの増加、インフォネット単体では前期比1,220万円ほどの増加となりました。売上総利益率はグループ連結で前期比0.52パーセントポイント減少した一方で、インフォネット単体では前期比1.36パーセントポイント増加しています。
営業利益はグループ連結で前期比2,018万円ほどの増加、インフォネット単体で前期比1,579万円ほどの増加となりました。営業利益率はグループ連結で前期比2.42パーセントポイント増加、インフォネット単体で前期比3.45パーセントポイント増加となっています。
業績ハイライト
総売上高は、グループ連結で前期比約2,213万円増、2.8パーセントの増加です。インフォネット単体も前期比約1,366万円増、3.2パーセントの増加となりました。ストック収益は、グループ連結で前期比約3,827万円増、9パーセントの増加です。インフォネット単体では前期比約481万円増、2パーセントの増加となりました。
業績ハイライト
事業セクションごとの業績です。Web/CMSは、グループ連結で前期比約4,432万円増、6.7パーセントポイントの増加です。インフォネット単体では前期比約1,410万円増、3.3パーセントの増加となりました。
一方、AIはグループ連結で前期比約2,219万円の減、19.3パーセントの減少です。インフォネット単体では前期比約44万円の減、9.7パーセントの減少となりました。個別の内容については、後ほど具体的にご説明します。
売上高実績 グループ内訳(Q/Q)
先ほどお伝えしたとおり、売上高は、グループ全体で前期比約2,200万円増の8億200万円となりました。内訳として、インフォネットはブルーのグラフで4億4,700万円、アイアクトはグリーンのグラフで3億5,500万円となっています。
売上高実績 フロー/ストック内訳(Q/Q)
スライドのグラフは、売上高のうちフローとストックの内訳を図示したものです。フローは前期比1,600万円の減少です。一方で、ストックは前期比3,800万円の増加となりました。
フローは受託開発が減少しました。今期は昨年度と比較してWeb/CMSも下期偏重がより強いと予測しており、第3四半期、第4四半期で売上の積み上げ額が大きくなると想定しています。そのため、昨年度と比較すると1,600万円減少していますが、通期で見ると、おそらく昨年度を上回る数字になると現時点では考えています。
ストックについては顧客の増加に伴って増加していくため、今期も順調に増加しています。
売上高推移 ストック/フロー内訳
ストック/フローの四半期単位の推移です。順調に増加基調であると考えています。昨年度と比較すると第2四半期は見劣りしますが、先ほどお伝えしたとおり、今期は第3四半期、第4四半期に寄っている部分が大きいため、そこでカバーできると考えています。
Web/CMS フロー収益(受託開発)実績(Q/Q)
事業別の実績です。まず、受託開発部分であるWeb/CMSのフロー収益の実績についてご説明します。グループ全体では前期比2,600万円増、9パーセントの増加、インフォネット単体では前期比4.6パーセント増と堅調に増加しています。
スライドのグラフのとおり、アイアクトもインフォネットも順調に増加しています。先ほどお伝えしたとおり、今期はAIもWeb/CMSも下期に寄る部分が大きいですが、その中でもWeb/CMSは受託開発が堅調に推移していると思っています。
AI フロー収益(受託開発)実績(Q/Q)
AIのフロー収益の実績です。先ほどお伝えした下期に寄っている部分が大きいことに加え、当社グループのAIのメインである「Cogmoシリーズ」は、今期は「Cogmo Search」の販売に注力しています。
チャットボットの「Cogmo Attend」とAI検索の「Cogmo Search」の相違点として、まず「Cogmo Attend」は基本的に導入の際の構築部分のイニシャルが比較的大きくなる傾向があります。一方で開発に期間を要しますので、導入後の月額収益の立ち上がりが遅くなる傾向にあります。
「Cogmo Search」は、構築にそこまで時間はかかりません。しかしその分、構築部分でいただくフロー収益が「Cogmo Attend」と比べて小さくなります。構築期間が短く済むことから、月額収益の立ち上がりという意味では「Cogmo Search」のほうが早く、今期販売に注力したことも相まって、フロー収益は前期比4,200万円減少しています。
一方で、受託件数は昨年度1年間の水準と同等の水準を、この第2四半期の段階ですでに達成している状況です。一定のレベルでもくろみどおりに進められていると思っており、月額収益の積み上がりは主に来期に響いてくると見込んでいます。
Web/CMS ストック収益(月額)実績(Q/Q)
Web/CMSのストック収益の実績です。インフォネット、アイアクトともにグループ全体で前期比4.8パーセント増と順調に増加しました。インフォネット単体でも前期比500万円増、2.2パーセントの増加です。
AI ストック収益(月額)実績(Q/Q)
AIのストック収益の実績です。グループ全体では前期比2,000万円増、37.8パーセントの増加となりました。アイアクトをメインに「Cogmoシリーズ」による収益が順調に増加するとともに、お客さまも増加しています。グループ全体としても堅調な増加です。来期以降の積み上がりをより一層鋭角にできるように取り組んでいます。
受託開発受注高実績 (Q/Q)
受託開発受注高は、順調に推移していると考えています。現時点でインフォネット単体では2億5,000万円、アイアクトは2億8,200万円の積み上がりとなっています。受注活動も順調に推移していると思っており、通期で見た時には昨年度を上回る水準での受注高となるように励んでいるところです。
MEGLASS finder アカウント数推移
2023年1月にリリースしたアクセス解析ツール「MEGLASS finder」のアカウント数についてです。8ヶ月にわたり運用し、329件まで増えています。
Web/CMS以外のプロダクト・サービスも、これからどんどん増やしていこうと思っています。当社のCMSを前提にしないと動かないといったサービスではなく、それぞれのサービスが単体でも利用できるようになっていますので、双方向から顧客企業を増やし、さらなるアップセルとクロスセルにつなげたいと考えています。
その意味でも、アカウント数が順調に増加していることは好ましい状況だと思っています。アカウント数を増やす動きをしばらく継続した後、きちんと有料のほうに移っていただけるようなオペレーションの道筋を引いていきたいと思っています。
売上総利益実績 (Q/Q)
売上総利益は、グループ全体で前期比500万円増加しました。今期は受託開発で下期偏重傾向がより強いと思っている中、順調な推移だと考えています。
売上総利益推移
売上総利益の四半期ごとの推移です。昨年度は赤字体質を改善して利益率を向上させていく取り組みが功を奏し、利益をしっかりと出すことができました。今期も継続して取り組んでいますので、しっかりと利益が出てくると考えています。
前々期と比べて非常に良い数字ですが、今期はさらなる改善をすべくいろいろと取り組んでいますので、下期に数字として表れてくれると大変ありがたいと思いつつ事業を進めているところです。
営業利益実績 (Q/Q)
営業利益についてです。第2四半期の累計営業利益は、グループ全体で前期比2,000万円ほど増加の約4,500万円となりました。昨年同時期のタイミングでは2,500万円でしたので、78.3パーセントほど増加したことになります。
今期は下期偏重傾向が非常に強い中で、昨年度を上回る営業利益がしっかりと出せている上に、この後も利益がしっかり出てくるだろうと想定できていることは非常に好ましい状況かと思っています。
一方で、我々はまだまだ利益を出せるような改善施策を取れるだろうとも踏んでいますので、引き続き利益がしっかり出る体制作りに取り組んでいきたいと思っています。
営業損益推移
営業利益の四半期ごとの推移です。第2四半期単体では昨年を下回っている状況です。一方で、第3四半期、第4四半期は受託開発の売上が順調に積み上がるだろうと踏んでいますので、しっかりと巻き返せると考えています。
以上をもちまして、当社の決算説明を終了します。ありがとうございました。
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