「0.875」超え成否が喫緊の注目点!
【注目ポイント】「0.87500ポンド」を上抜け突破するか否か
【シナリオ①】同レートを上抜け突破なら、「0.90000ポンド」付近までの上昇も視野
【シナリオ②】同レートで上値抑制なら、「0.85000ポンド」付近までの下落を想定
【向こう1カ月程度の“主戦場”(コアレンジ)】「0.85000~0.90000ポンド」
ここもと、じりじりと上値を切り上げる動きとなっているユーロ/英ポンド。足もとでは、上昇モメンタムの加速を示すシグナルが出現しつつあります。
上図(週足)の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 26週および52週MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態(上図黄色丸印)であること、3) ローソク足が赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)の中で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが右肩下がりでの推移になっている(上図赤色点線丸印)ことから、現在のユーロ/英ポンド・週足チャートは上下圧力が拮抗するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
本稿執筆(10日)時点のローソク足(週足)は、約1年間における市場参加者の平均コストを示す52週MA(≒0.87000ポンド)付近で推移していることから、現在のユーロ/英ポンドは「居心地のいい価格帯にある」と捉えて良いでしょう。
今後の注目ポイントは・・・BB(ボリンジャーバンド)・+2σラインおよび赤色雲の上辺である先行2スパンをメドとする「0.87500ポンド」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜け突破するか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「0.87500ポンド」を終値ベースで上抜け突破した場合は、「上値抵抗線(帯)突破」→「上昇モメンタム加速」のトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転”(=ローソク足上放れ)」や「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、今年2月3日に付けた高値水準である「0.90000ポンド」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇も“あり得る水準”として視野に入れるべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「0.87500ポンド」で上値を抑制された場合は、「上値抵抗圧力の強まり」→「下落フロー」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」や「(約半年間における市場参加者の平均コストを示す)26週MA(≒0.86200ポンド)割れ」、また「SARの売りサインへの転換」なども伴いながら、BB・-2σラインをメドとする「0.85000ポンド」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落も想定すべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、今後のユーロ/英ポンドにとって上述した「0.87500ポンド」は「レンジ相場主体」から「上昇トレンド加速」へと転換し得る“分水嶺(ぶんすいれい)”として捉えるべきでしょう。これを踏まえた上で、ユーロ/英ポンドの週足スパン※での“主戦場”(コアレンジ)は「0.85000~0.90000ポンド」とする動きになりそうです。(※向こう1カ月程度のスパンを想定しています。)
足もとでは、日本時間午後4時に発表される英国の7-9月期GDP(四半期国内総生産)等の結果が、ユーロ/英ポンドの相場動意となりそうです。
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