【QAあり】ディーエムエス、セールスプロモーションおよびイベント事業が好調に推移するも、前年の新型コロナ対策案件の反動が影響

投稿:2023/11/01 13:00

本日の内容

山本克彦氏(以下、山本):株式会社ディーエムエス代表取締役社長の山本克彦です。本日は、はじめて当社を知る方のために、担当より、当社の事業についてご紹介した上で、2024年3月期第2四半期の業績をお伝えし、そのあと、私から、2024年3月期の業績予想、今後の成長に向けた取組みと利益還元についてご説明いたします。

1.事業紹介 ①事業の全体像

村上遥香氏:それでは、当社の事業について、お話しします。当社は、1961年の会社設立以来、企業や公的機関と消費者との「よい関係づくり」をトータルサポートする事業を展開してまいりました。

中核となる事業は、ダイレクトメールの企画制作・発送です。また、2015年から、既存事業のノウハウを応用して物流事業を新たな事業の柱として取り組んでいます。

その他、セールスプロモーション支援、イベント企画運営など、企業と消費者が直接コミュニケーションする分野で幅広いサービスを提供しております。

1.事業紹介 ②選ばれる理由

当社の強みは大きく3つです。顧客企業が必要とする機能を複合的に提供できる「ワンストップサービス」、年間3億通を超えるダイレクトメールを扱う「スケールメリット」、品質や情報セキュリティのJIS認証を持ち、情報と安心をセットでお届けできる「マネジメントシステム」の強みです。

これらを活かして、付加価値が高く、かつ、規模の大きな案件に組織的に取組めることが、当社が大手企業を中心に選ばれる理由となっています。

2.2024年3月期第2四半期業績 ①決算ハイライト

次に、2024年3月期第2四半期の業績です。売上高は、前年同期比5.2パーセント減少の134億3,100万円、営業利益は、1.4パーセント減少の7億9,300万円、四半期純利益は、6.7パーセント減少の5億6,100万円となりました。

期初の業績予想にも織り込んでおりましたが、前年度にありました新型コロナ対策案件などの反動が出るかたちとなりました。

2.2024年3月期第2四半期業績 ②ダイレクトメール事業

次に、事業セグメントごとに決算概要をご説明します。まず、ダイレクトメール事業では、既存顧客の取引窓口拡大や新規受注に取組む一方で、前年同期にあった大型案件の終了などが影響し、減収減益となりました。

2.2024年3月期第2四半期業績 ③物流事業

物流事業では、通販出荷案件や企業の販促活動に伴う物流支援案件が安定的に推移する一方で、プレゼントキャンペーンに関連する物流案件が若干低調となりました。また、期初からの川島ロジスティクスセンター賃借料値上げが、利益を圧迫することになりました。

現在、足元では、物流事業の収益性改善につながる取扱量の拡大に向けて、新規案件の獲得に注力しているところです。

2.2024年3月期第2四半期業績 ④セールスプロモーション事業

従来、顧客企業のバックオフィスやコンタクトセンター業務などを担ってきたセールスプロモーション事業では、期初まで、新型コロナ対策関連の事務局案件が業績を押し上げました。

足元では、新型コロナ対策の収束により反動も出ていますが、この機会に培った、業務設計提案と運営のノウハウを活かして、地方自治体の住民サービスなど、公共分野の案件受注にも力を入れていくことにしています。

2.2024年3月期第2四半期業績 ⑤イベント事業

最後のイベント事業でも、期初までの新型コロナワクチン接種会場運営が、業績に寄与しました。足元では、これらの案件は収束に向っていますが、一方で、従来からの顧客基盤を活かして、集客を伴う販売促進やスポーツイベントの再開需要を取り込んでおり、大幅な増収増益を維持しています。

3. 2024年3月期業績予想 ①事業環境及び重点施策

山本:ここからは、私から、今後の取組みについて、お話しします。今後、当社をとりまく社会経済環境は、物価上昇や海外景気の下振れリスクなどが懸念されるものの、緩やかな回復が続くものと期待されています。

このような中、当社では、コロナ収束による民間企業の販売促進ニーズ増加、在宅消費で蓄積された顧客データのダイレクトメール利用、ダイレクトメールや物流事業との関連が強いEC通販市場の拡大などを前向きな機会として、受注を拡大してまいります。

3. 2024年3月期業績予想 ②業績予想

2024年3月期は、期初に発表しました、売上高290億円、営業利益16億5,000万円の予想を維持しております。第2四半期までの進捗率は、それぞれ、46パーセントと48パーセントです。予想にはすでに、コロナ関連案件の反動を織り込んでいますが、公共分野の業務受託経験を活かして、コロナ以外の案件ニーズに展開するとともに、年末年始と年度末の商戦を含む後半期に向けて、各事業とも受注を推進してまいります。

4.成長に向けた取組み ①事業戦略

このような中、当社では、成長に向けた戦略として、デジタル分野で既存事業と相乗効果を発揮する「次世代事業の創出」と、物流・セールスプロモーション・イベント事業をダイレクトメール事業に次ぐ「第2・第3の事業の柱」とすること、さらに、「主力事業の深化」として、ダイレクトメール事業の新市場開拓と新サービス提供によるシェア拡大を目指しております。

また、これらの取組みにより、現在おおよそ20パーセントの売上構成であるダイレクトメール以外の割合を増やし、全体的な事業機会の拡大を図る考えです。

4.成長に向けた取組み ②基盤戦略

また、これらの取組みを支える基盤戦略として、「デジタル・トランスフォーメーションの推進」と、気候変動や、個人情報の保護と活用の両立、多様性の確保と人材の活用といった「サステナビリティへの取組み」、さらには、すべてのもととなる「健康経営の推進」に取組んでいます。

4.成長に向けた取組み ③トピックス1

これらの戦略に基づいたいくつかの取組みをお知らせします。まず、AIを活用した、ダイレクトメールの広告表現チェックツールの開発です。郵便サービスを利用するダイレクトメールには、郵便法規により、一定の制作ルールがあります。

このため制作の現場では、多くの時間を使って、広告表現のチェックをしています。今回開発したツールは、AIを実装し、パートナー企業の特許技術と、当社が培ってきたダイレクトメールや郵便の知識を組み合わせることで、表現チェックと代替提案を自動的に行う独自のものになっています。

今後は、これらを活用した、DM制作のDX化を図っていきたいと考えています。

4.成長に向けた取組み ③トピックス2

次に、ダイレクトメール事業の新分野を開発する取組みです。この度、当社は、「ZOZOTOWN DM広告」の一次代理店契約を締結しました。従来から、当社が取扱うダイレクトメールは、広告主の既存顧客向けに送付するものが主流です。

これに対して、当社が代理店になることで、「ZOZOTOWN」が保有する1,000万人のデータをダイレクトメールの新たな対象とすることができます。今後は、さらに二次代理店を開発し、利用拡大を図る一方で、他のデータ保有社とも同様の取組みを展開し、ダイレクトメールの用途・機会を拡げたいと考えています。

4.成長に向けた取組み ③トピックス3

また、コロナ特需後のセールスプロモーション事業の開発にも注力しています。当社は7月から、「茅ヶ崎市ファーストプレゼント事業」の運営を受託しました。この事業は、新しくお子さんが生まれたご家庭をカタログギフトで応援する事業です。茅ヶ崎市では、すべての子どもたちが希望を持って健やかに成長できるまちを目指すプロジェクトが展開されています。

当社内でも、新たに育児支援制度による女性活躍を推進しており、茅ヶ崎市の取組みには大いに共感するところがあります。

4.成長に向けた取組み ③トピックス3

実際の受託内容は、広範囲にわたります。具体的には、コンセプトやビジュアルの企画制作にはじまり、ご家庭にお贈りするギフト商品の企画調達とお届け、事業の運営を担うホームページやシステム開発と、ネット環境をお持ちでない方へのご対応や、コールセンター運営、さらにデジタルとアナログ両面からのプロモーションを担います。

当社では、この他にも、公共分野を含むさまざまな分野で、複数の事業を組み合わせた、”よい関係づくりのトータルサポート”を進めてまいります。

4.成長に向けた取組み ③トピックス4

イベント事業にも変化があります。現在、コロナ収束により、イベント需要に回復が見られます。当社は、イベントの企画設計・運営を主なサービスにしてきましたが、さらに屋内外の大規模な構造物や内装工事を含むイベントニーズにも対応していきたいと考えています。

そこで、この取組みのために、新たに建設業の許可を取得しました。今後は、スポーツ、ビジネス、アミューズメント、公共などの広い分野で、サービス領域の拡大によるイベント事業の強化を図ってまいります。

4.成長に向けた取組み ③トピックス5

最後はサステナビリティのトピックスです。この夏、当社では、健康的で生産性の高い職場環境の向上を図るため、業務センターの食堂・休憩スペースを改修しました。リフレッシュ効果のあるグリーンを取り入れ、多くの用途に使えるように、簡単にレイアウト変更ができる設計にしています。

また、スペースの壁面を利用して、障害のあるアーティストと社員やその家族の共同作業によるウォールアートを制作しました。作品のテーマは、「多様性と飛躍」です。社員が描いた、当社のハートフルな雰囲気と、今後の変化に向けた期待やポテンシャルの高さが表現されています。

5.利益還元 方針・目標・取組み

最後になりますが、利益還元について、ご説明します。当社では、PBR1倍超の早期実現と、 2027年3月期末までの時価総額200億円達成を目指して、3つの対策に取組むことにしています。

1つ目に、2024年3月期において上限1億5,000万円の自己株式取得を実施しています。

2つ目に、2024年3月期における配当金額を、前期比15円増の1株当たり50円と予想して取組んでいます。

3つ目に、従来、実行時期を設定してこなかった配当性向30パーセントを、2027年3月期末までに段階的に引上げてまいります。

顧客企業と生活者のよい関係づくりをトータルサポート

これらの取組みにより、株主のみなさまに対する利益還元を重要な経営課題の1つと認識し、経営基盤の強化を図りつつ、競争力強化のための設備投資の原資を確保するとともに、株主のみなさまへの利益還元を行うことを方針としてまいります。

以上で、株式会社ディーエムエス2024年3月期第2四半期の決算説明を終了します。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。最後まで、ご視聴いただき、ありがとうございました。

質疑応答:コロナ特需反動規模や見通しについて

Q:コロナ特需反動の規模や見通しについて教えてください。

A:今期の第2四半期から今期中にかけて本格的な反動が見込まれます。個別の案件や各事業における影響規模については説明を控えさせていただきますが、期初の業績予想にはこれらの影響を織り込んでおり、足元では、その予想に沿った進捗となっています。

質疑応答:「ZOZOTOWN DM広告」の業績貢献見込みについて

Q:「ZOZOTOWN DM広告」の業績貢献見込みについて教えてください。

A:当社が取扱うダイレクトメールの多くは、企業の自社既存顧客に向けた施策に利用されています。第三者の顧客に向けた施策となる本DM広告サービスは、企業の新たなDM利用機会を作ることにつながるため、有望なDM案件の受注につながることを期待しています。ただし、当社としても新たな試みであるため、今後の業績に与える影響の説明は控えさせていただきます。

配信元: ログミーファイナンス

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