午後:債券サマリー 先物は続落、日銀臨時オペで下げ渋り 長期金利一時0.770%に上昇

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2023/09/29 15:25
 29日の債券市場で先物中心限月12月限は続落した。欧米金利の先高観が根強く、来週の10年債入札への警戒感もあって、先物に売り圧力が強まった。午後に日銀が臨時の国債買い入れオペを通告すると、下げ幅を縮小した。

 海外市場では英国債相場が急落(金利が急上昇)し、欧州債相場も下落した。フランスやイタリアでの財政赤字への懸念に加え、イギリスでは中央銀行による利上げ観測も広がった。米国の債券相場は上昇(金利は低下)し、このところの米長期金利の上昇は一服したものの、日本の債券先物は夜間取引で下落していた。円債相場は朝方から軟調な滑り出しとなり、午前中に先物は一時144円89銭まで売られた。

 日銀は午後、「残存期間5年超10年以下」を対象とする臨時の国債買い入れオペを通告した。定例ではない臨時の買い入れオペの実施は8月3日以来となる。オファー額は前回の臨時オペと同額の3000億円。応札倍率は3.26倍となった。サプライズ的なオペの通告は売り込みにくさを一時的に意識させたが、応札倍率は前回の臨時オペ(2.39倍)を上回ったとあって、先物は安値圏での推移を続けた。

 総務省が29日発表した9月の東京都区部消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除くコアCPIが前年同月比2.5%上昇した。前年比の伸び率は8月から鈍化し、市場予想も下回った。もっとも日銀の金融政策が修正されるとの思惑を後退させるには至らず、円債相場への影響は限定的だった。

 先物12月限は前営業日比15銭安の144円96銭で取引を終えた。現物債市場で新発10年債利回りは同0.010%高い0.765%で推移。一時0.770%に上昇する場面があった。


出所:MINKABU PRESS
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