それでも“上値模索”が勝る…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/09/26 11:19

◆ 「日米金利差拡大」を再テーマにして… - “149円手前”


中銀ウィークを終えたこともあり、基本的には材料難に苛まれた昨日…。
ただ“タカ派寄り(FOMC)”VSハト派寄り(日銀)”が再認識された中、「日米金利差拡大」への思惑は根強いものがあります。
特に昨日は植田日銀総裁&内田副総裁が『持続的・安定的な物価目標実現を見通せる段階ではない』『粘り強く金融緩和を継続する必要』と相次いで述べたことから、その動きが加速しました。
こうして米10年債利回りが“4.54%”へとさらに上昇する中、ドル円は“年初来高値更新(148.959円)”を見せています。
もっとも“149円手前”に展開する「ドル売りオーダー」をこなすには至っておらず、概ね“そのままの水準”にて昨日の取引を終えています。

◆ ただし“ゆっくり”は変わらない…?


このため本日は、その「(149円手前の)ドル売りオーダー」を“こなし切るか?”それとも“跳ね返されるか?”が注目ということになります。
「日米金利差拡大」との思惑が鮮明となる以上、“ドル買い+円売り”には安心感が漂いやすい点は否めないところです。
一方で「円買い介入」への思惑が燻っている以上、“過度or急激な動き”となる可能性は比較的低いと考えるのが自然ということになります。

◆ 「150円まで動けない」との声をどう認識するか…!?


短期投機筋からは『(現在のペースであれば)心理的節目:150円までは当局は動かない(動けない)』との見方が広がりつつありますが、こればかりは蓋を開けるまで分からないという類のものになります。
“崩れる”は想定しづらいとは見ますが、新たな材料が飛び出さない限り、上値模索に関しても“比較的ゆっくり”との認識を持ちながら、神経質なマーケットと対峙したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

151.952(22/10/21高値、大台)
151.000(大台)
150.000(大台)
149.870(ピボットハイブレイクアウト)
上値5:149.701(22/10/24高値)
上値4:149.415(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:149.200(+2σ、ピボット1stレジスタンス)
上値2:149.082(22/10/25高値)
上値1:148.959(9/25高値《年初来高値》、大台)
前営業日終値:148.884
下値1:148.420(ピボット1stサポート)
下値2:148.238(9/25安値、+1σ)
下値3:147.990(日足・一目均衡表転換線、ピボット2ndサポート、大台)
下値4:147.789(9/11~9/25の38.2%押し、ピボットローブレイクアウト)
下値5:147.494(9/22安値、20日移動平均線、9/11~9/25の50%押し)
147.321(9/21安値)
147.233(9/1~9/25の38.2%押し)
147.001(9/13-14安値、9/11~9/25の61.8%押し、大台)
146.700(9/1~9/25の50%押し、日足・一目均衡表基準線)
146.441(9/12安値、-1σ)
146.167(9/1~9/25の61.8%押し)
146.000(大台)
145.895(9/11安値)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想