“金利選好→円売り”の構図が崩れるというのは…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/09/08 11:16

◆ “巻き戻し”先行… - “年初来高値更新”後に反落


連日の“年初来高値更新(147.859円)”を見せた昨日でしたが、その後は“利益確定売り”が頭をもたげました。
ウィリアムズNY連銀総裁の『金融政策は程よい状態』『今後もデータ次第』との発言が、“ややハト派寄り”と認識されたからです。
このため米金利先高観は後退し、“4.30%台”に乗せた米10年債利回りも定着することはありませんでした。
こうしてドル円は“147円ライン”へ押し戻されると、本日に入って“146円半ば”へとさらに押し戻されるに至っています。

◆ ただ「金利格差拡大」への思惑は如何ともしがたい…?


こうして一旦は押し戻された格好といえますが、日米あるいは日欧の金利格差拡大を巡る思惑は如何ともしがたいものがあるのが実状です。
短期金融市場を見ると、11月までの米0.25%利上げの確率は“50%強”、年内の欧0.25%利上げの確率は“60%強”と“金利選好→円売り”の構図が崩れる展開は想定しづらいところです。
そうなると現在の動きも、あくまで“ポジション調整”と見るのが妥当なところ…?

◆ “38.2%押し”が分水嶺…!?


チャート上のポイントと見られるのが、“9/1~9/7の38.2%押し(146.553円)”となります。
ここを明確に下回ると“日足・一目均衡表転換線”とほぼ合致する“同半値押し(146.150円)”が見えてくる反面、そうでなければ早急に押し戻されてもおかしくない分水嶺…。

週末でもあり、基本的には“動意薄”を想定しながらにはなりますが、引き続き、米10年債利回り動向を注視したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

150.000(大台)
149.701(22/10/24高値)
149.082(22/10/25高値)
149.000(大台)
148.836(22/10/31-11/1高値)
148.562(ピボットハイブレイクアウト)
148.441(22/11/3-4高値)
148.210(ピボット2ndレジスタンス)
上値5:148.000(大台)
上値4:147.859(9/7高値《年初来高値》)
上値3:147.710(+2σ、ピボット1stレジスタンス)
上値2:147.559(9/7高値後の61.8%戻し)
上値1:147.373(9/7高値後の61.8%戻し)
前営業日終値:147.281
下値1:147.017(9/6-7安値、大台)
下値2:146.932(+1σ、ピボット1stサポート)
下値3:146.553(9/1~9/7の38.2%押し、ピボット2ndサポート)
下値4:146.359(9/5安値)
下値5:146.225(20日移動平均線)
146.150(日足・一目均衡表転換線、9/1~9/6の50%押し、ピボットローブレイクアウト)
146.015(9/4安値、大台)
145.747(9/1~9/7の61.8%押し)
145.435(8/7~9/7の38.2%押し、-1σ)
145.000(大台)
144.686(8/7~9/7の50%押し)
144.441(9/1安値)
144.359(8/11安値)
144.000(大台)
143.937(8/7~9/7の61.8%押し)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想