米雇用統計がドルカナダの相場動意となりそう
【注目ポイント】「1.35000カナダドル」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「1.36400カナダドル」付近までの上昇
【シナリオ②-1】同レート割れなら、「1.34600カナダドル」付近までの下押し
【シナリオ②-2】さらに「1.34600カナダドル」割れなら、「1.33700カナダドル」付近までの下落フローも視野
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「1.34600~1.36400カナダドル」
先月25日に直近高値となる「1.36349カナダドル」を付けた後、一旦下値を切り下げる動きとなっている米ドル/カナダドル(以下、ドルカナダ)。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方で推移していること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)があること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが高位置での横ばい推移となっている(上図赤色点線丸印)ことから、現在のドルカナダ・日足チャートは「上昇トレンド一服」→「下値固め模索」の時間帯(局面)を示すチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインを割り込む“上昇バンドウォーク崩れ”になっていること、またⅱ) BB・±2σラインが収縮する“スクイーズ”になっていることを合わせると、足もとのドルカナダは相場の力を溜め込む「涵養(かんよう)」の時間帯(局面)とも言えるでしょう。
そんな中、足もとで注目すべきポイントは・・・約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAをメドとする「1.35000カナダドル」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「1.35000カナダドル」で下値サポートされた場合は、「下値固め」→「反発(上昇)フロー」となりそうです。当該ケースでは、「SARの買いサインへの転換」や「BB・+1σライン(≒1.35700カナダドル)超え」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、BB・+2σラインをメドとする「1.36400カナダドル」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇となりそうです。
[シナリオ②-1]
一方で、「1.35000カナダドル」を終値ベースで割り込んだ場合は、「基準線割れ」→「下押し」となりそうです。当該ケースでは、「(青色雲の上辺である)先行1スパン(≒1.34800カナダドル)割れ」や「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、200日MAをメドとする「1.34600カナダドル」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しとなりそうです。
[シナリオ②-2]
さらに、「1.34600カナダドル」を割り込んだ場合は、「遅行スパンのローソク足への接近」や「+DI>-DIのさらなる乖離縮小」なども伴いながら、BB・-2σラインおよび青色雲の下辺である先行2スパンをメドとする「1.33700カナダドル」(上図Ⓑ’紫色線)付近までの下落フローも視野に入れるべきでしょう。ただし、現状では青色雲が分厚い形状(=強い下値サポート帯)となっていることから、下値余地は限定的となりそうです。
上記シナリオ①および②(1、2)を概括すると、今後のドルカナダは引き続き下値しっかりの相場付きが継続する中、「1.35での攻防戦」をこなしつつ、当面※は「1.34600~1.36400カナダドル」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。[シナリオ②-2]で記載した「1.33700カナダドル」までの下落フローについては、「(テクニカル上)あり得る動き」として捉えるべきでしょう。(※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています)
足もとでは、いずれも日本時間午後9時30分に発表されるカナダの四半期GDPおよび米8月雇用統計の結果がドルカナダの相場動意となりそうです。
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