“一喜一憂”だが、“下値の堅さ”は変わらない…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/08/30 11:07

◆ そして“往って来い”へ… - “年初来高値更新”も急反落


“緩やかに上昇(→4.23%)”する米10年債利回りを背景に、NYタイム序盤にかけて“147.374円”へとさらに上値を伸ばす場面が見られたドル円。
しかしその後は一転して“ドル売り(戻し)”が目立ちました。
「データ次第」が意識される中、米JOLTS求人件数が“2021年3月以来最低(882.7万件)”を記録したからです。
また米消費者信頼感指数も“大きく低下(106.1)”したことで、「米利上げは最終局面」との認識を改めて意識されたからです。
この影響にて米10年債利回りが“急低下(→4.10%)”する中、ドル円も“145.662円”へと押し戻されていきました。

◆ あくまで「データ次第」なだけに… - 決め打ちは厳禁、臨機応変な対応を


まさに“一喜一憂”といった状況といえますが、少なくともこれでパウエル講演後の上昇分は“全て吐き出した”格好となります。
つまり現在地は“中立”も当たりだけに、“さらなる下値模索”に関しては「新たな材料が必要」と見るのが自然ということになります。

当然、本日以降も“悪化”となれば、“さらなる下値模索”は否めないところです。
しかし“好内容”ともなれば、「米利上げ長期化」を織り込み直す可能性もゼロではない…?

あくまで「データ次第」という点を踏まえながら、引き続き“一喜一憂”する展開を想定したいところです。
個人的には“下値の堅さ”が意識され、場合によっては“再度の上値模索”を想定しながら…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

148.653(ピボットハイブレイクアウト)
148.441(22/11/3-4高値)
148.000(大台、ピボット2ndレジスタンス)
147.834(+2σ)
147.574(22/11/7高値)
147.374(8/29高値《年初来高値》)
上値5:147.000(大台、ピボット1stレジスタンス)
上値4:146.720(8/29高値後の61.8%戻し)
上値3:146.518(8/29高値後の50%戻し)
上値2:146.316(8/29高値後の38.2%戻し、+1σ)
上値1:145.954(日足・一目均衡表転換線、大台)
前営業日終値:145.869
下値1:145.662(8/29安値、8/23~8/29の61.8%押し水準)
下値2:145.229(ピボット1stサポート)
下値3:145.135(8/7~8/29の38.2%押し)
下値4:144.998(20日移動平均線、大台)
下値5:144.533(8/23-24安値、ピボット2ndサポート)
144.444(8/7~8/29の50%押し)
144.359(8/11安値)
144.000(大台)
143.819(7/28~8/29の38.2%押し)
143.752(8/7~8/29の61.8%押し)
143.503(7/14~8/29の38.2%押し、-1σ、ピボットローブレイクアウト)
143.260(8/10安値)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想