*14:45JST 戸田工業 Research Memo(5):2024年3月期は連結除外の影響を除くと実質増収かつ営業利益は横ばいの見通し
■戸田工業<4100>の今後の見通し
● 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期会社予想は売上高32,000百万円(前期比8.4%減)、営業利益900百万円(同34.2%減)、経常利益2,000百万円(同40.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,400百万円(同57.2%減)とした。売上高は戸田聯合の連結除外影響が大きく、これを除くと実質は増収確保予想となる。利益面でも戸田聯合の連結除外影響が大きく、原材料・エネルギー価格が依然として高水準で推移するものの、需要は徐々に回復し、価格是正効果が下期には寄与するとみられ、実質的には営業利益で横ばいを確保する見通しと想定される。なお経常利益では持分法適用会社の寄与の減少を想定、減益幅が拡大する見通しとなっている。さらに親会社株主に帰属する当期純利益は前期の戸田聯合の関係会社出資金売却益がなくなるため、さらに減益幅が高まる見通しとなっている。なお上下比較では上期が前年同期比17.4%減収、同91.4%営業減益予想に対し、下期は前年同期比2.0%増収、営業利益3.9倍増予想と、下期に価格改定効果や半導体、ICT機器関連の回復が寄与し、収益の復元を見込んでいる。
2024年3月期における事業セグメント別業績についての開示はないが、電子素材事業では磁石材料の好調、誘電体材料の回復、一方ではLIB用材料については回復が遅れる見通しである。電子素材事業全体では価格是正などが寄与し、増収を確保する見通しである。機能性顔料事業については複写機・プリンター、触媒向け材料の好調が持続する見通しにあるが、戸田聯合が連結除外となるため、塗料分野は5,000百万円程度の減少は避けられず、全体として10,000百万円を多少上回る程度に止まるとみられる。
主要5事業フィールド別の売上予想についても開示はないが、戸田聯合の連結除外で塗料部門が5,000百万円近く減収となる見通し。複写機・プリンターに関しては引き続き堅調な需要から拡大が見込まれ、自動車関連も磁石の好調、LIB用材料は伸び悩みも全体としては自動車生産の回復で増収を確保する見通しである。家電・通信機器もICT機器関連が下期から回復し、在庫調整の緩和などで増収を確保する見通しである。
利益面では戸田聯合の連結除外影響が大きく、これを差し引いて考えると実質営業利益は横ばいを確保する見通しである。引き続き原材料・エネルギー価格上昇の影響が少なくとも上期中は続く見通しながら、下期は価格改定効果、ICT機器関連部門の回復などが見込まれ、MIX良化も進み、利益の回復が高まるとみられる。なお経常利益では持分法による投資利益の減少を見込み、営業外損益を2023年3月期の1,982百万円から1,100百万円に減少するとみて経常減益率をさらに高く見積もっている。但し、持分利益対象企業の状況はさほど悪くないため、設備増強による持分利益対象企業の投資負担増を考慮しても会社予想を上回る利益が得られるとみられ、経常利益は多少増額を確保できる見通しである。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、出資金売却933百万円がなくなり、半額以下に落ち込む見通しとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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● 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期会社予想は売上高32,000百万円(前期比8.4%減)、営業利益900百万円(同34.2%減)、経常利益2,000百万円(同40.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,400百万円(同57.2%減)とした。売上高は戸田聯合の連結除外影響が大きく、これを除くと実質は増収確保予想となる。利益面でも戸田聯合の連結除外影響が大きく、原材料・エネルギー価格が依然として高水準で推移するものの、需要は徐々に回復し、価格是正効果が下期には寄与するとみられ、実質的には営業利益で横ばいを確保する見通しと想定される。なお経常利益では持分法適用会社の寄与の減少を想定、減益幅が拡大する見通しとなっている。さらに親会社株主に帰属する当期純利益は前期の戸田聯合の関係会社出資金売却益がなくなるため、さらに減益幅が高まる見通しとなっている。なお上下比較では上期が前年同期比17.4%減収、同91.4%営業減益予想に対し、下期は前年同期比2.0%増収、営業利益3.9倍増予想と、下期に価格改定効果や半導体、ICT機器関連の回復が寄与し、収益の復元を見込んでいる。
2024年3月期における事業セグメント別業績についての開示はないが、電子素材事業では磁石材料の好調、誘電体材料の回復、一方ではLIB用材料については回復が遅れる見通しである。電子素材事業全体では価格是正などが寄与し、増収を確保する見通しである。機能性顔料事業については複写機・プリンター、触媒向け材料の好調が持続する見通しにあるが、戸田聯合が連結除外となるため、塗料分野は5,000百万円程度の減少は避けられず、全体として10,000百万円を多少上回る程度に止まるとみられる。
主要5事業フィールド別の売上予想についても開示はないが、戸田聯合の連結除外で塗料部門が5,000百万円近く減収となる見通し。複写機・プリンターに関しては引き続き堅調な需要から拡大が見込まれ、自動車関連も磁石の好調、LIB用材料は伸び悩みも全体としては自動車生産の回復で増収を確保する見通しである。家電・通信機器もICT機器関連が下期から回復し、在庫調整の緩和などで増収を確保する見通しである。
利益面では戸田聯合の連結除外影響が大きく、これを差し引いて考えると実質営業利益は横ばいを確保する見通しである。引き続き原材料・エネルギー価格上昇の影響が少なくとも上期中は続く見通しながら、下期は価格改定効果、ICT機器関連部門の回復などが見込まれ、MIX良化も進み、利益の回復が高まるとみられる。なお経常利益では持分法による投資利益の減少を見込み、営業外損益を2023年3月期の1,982百万円から1,100百万円に減少するとみて経常減益率をさらに高く見積もっている。但し、持分利益対象企業の状況はさほど悪くないため、設備増強による持分利益対象企業の投資負担増を考慮しても会社予想を上回る利益が得られるとみられ、経常利益は多少増額を確保できる見通しである。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、出資金売却933百万円がなくなり、半額以下に落ち込む見通しとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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