要注目の日銀会合&植田総裁会見
【注目ポイント】パラボリック・SAR基準値の「138.260円」に達するか否か
【シナリオ①】同レート不達(=上昇)なら、「141.030円」超えを模索する動き
【シナリオ②-1】同レートにタッチ(=下落)なら、「136.760円」付近までの下落となりそう
【シナリオ②-2】さらに「136.760円」割れなら、「135.000円」割れを模索する動き
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「136.760~141.030円」
【注目材料】日銀金融政策決定会合および植田総裁会見
米ドル/円のポイントとして着目していた「141.740円(≒21日MA)超え成否」ですが、今週25日以降は「(同MA付近での)上値抑制」→「下押し」の動きとなっています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を下抜けする“逆転”が示現しつつあること、3) ローソク足の上方に赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)があること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが再び右肩上がりでの推移(上図青色点線丸印)になっていることから、現在の米ドル/円・日足チャートは上方硬直性を伴うレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
足もとの注目ポイントは・・・相場のトレンド転換を示唆するパラボリック・SARの28日基準値である「138.260円」(上図黄色矢印および黒色線)に達するか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「138.260円」に不達(=上昇)となった場合は、「SARの買いサイン継続」→「もう一段の上値追い」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“逆転”フェイク(ダマし)」や「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストである21日MAをメドとする「141.030円」(上図Ⓐ赤色線)超えを模索する動きとなりそうです。
[シナリオ②-1]
一方で、「138.260円」に達した(=下落)場合は、「SARの売りサインへの転換」→「もう一段の下押しフロー」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“逆転”示現」や「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、200日MAならびにBB(ボリンジャーバンド)・-2σラインをメドとする「136.760円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落となりそうです。
[シナリオ②-2]
さらに、「136.760円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「重要な下値基準線割れ」→「さらなる下値切り下げ」へのトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「下降バンドウォークの示現」や「(BB・±2σラインの拡張である)エクスパンションの示現」、また「-DI>+DIのさらなる乖離拡大」なども伴いながら、心理的な節目である「135.000円」(上図Ⓑ’紫色線)割れを模索する動きも考慮すべきでしょう。
上記シナリオ①および②(1、2)を概括すると、今後の米ドル/円は上値の重い相場付きが継続する中、もう一段の下値切り下げを模索する動きとなりそうです。よって、当面※は「136.760~141.030円」内のゾーンを“主戦場”(コアレンジ)としつつ、「135.000円」割れも“あり得るケース”との認識を持つべきでしょう。(※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。
足もとでは、本日正午頃に発表される日銀金融政策決定会合の結果とともに、午後3時30分から予定されている植田日銀総裁の会見内容が米ドル/円の相場動意となりそうです。
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