*13:25JST テラスカイ Research Memo(5):クラウドプラットフォームの導入支援で国内トップクラスの実績と人材を持つ
■クラウドサービス市場の動向と事業内容
3. 強みと課題
テラスカイ<3915>の強みは大きく2つにまとめることができる。第1に、クラウド創成期から市場に参入して積み重ねてきた導入実績により蓄積された豊富なノウハウと人材である。2023年2月末時点のクラウド導入実績は同社単体で6,500件超、グループ全体では16,000件超と業界トップクラスを誇り、また、事業の中核をなすSalesforceの認定資格取得者数でも国内トップクラスの陣容を誇っている。セールスフォースの発表資料によれば、2021年12月時点における国内のSalesforce MVP※認定者数14名のうち3名(国内1位)が同社に在籍しており、技術系の最上位資格となる認定テクニカルアーキテクトも19名中5名(国内1位)が在籍している。
※Salesforceの製品に卓越したエキスパートとして、コミュニティの繁栄や多くの人の学習を助ける活動に力を注いできた人に送られる称号。世界では約250人がMVPに認定されている。
Salesforceにおける技術認定資格取得者数合計でも、同社はアクセンチュア(株)と並んで突出しており、特にテラスカイ・テクノロジーズにおける資格取得者数が伸びており、グループ全体では延べ2,500人を超える資格取得数となっている。技術認定資格取得者数は受注能力にほぼ比例するため、同社がSalesforceの開発・導入支援で国内トップクラスの実績及び能力を持っていると言っても過言ではない。同社ではエンジニアの入社後は、こうした認定資格の取得を目指すためオリジナルカリキュラムによる教育・研修を3ヶ月間行い、資格を取得したのちに実戦部隊として4ヶ月目から現場に投入している。人材育成は企業が成長していくためのコア・コンピタンスとして位置付けており、成長の原動力となっている。
また、BeeXにおいても業界に先駆けてSAPシステムのクラウド移行支援を手掛けてきたことから、同分野でトップの実績を持つ。SAPシステムをクラウドに移行するためには、SAPシステムのインフラレイヤーの技術力だけでなく、AWSなどのクラウドプラットフォームに関して高い技術力を有していることが必要で、両方の技術者を揃えている会社は少なくBeeXの強みとなっている。2019年にはAWSの「Well-Architectedパートナー」※1に認定されたほか、2022年3月にはAWSのグローバルパートナープログラム「AWSパートナーネットワーク(APN)」の「AWS移行コンピテンシー」※2に認定されている。
※1 顧客のAWS環境の問題を解決するための高いスキルと専門知識を有し、シームレスにAWS上でソリューションを提供することができると認められたAPNパートナー。
※2 APNのなかでも、既存オンプレミス環境からAWS環境への移行スキルや移行後の運用管理など、移行に関する一連の技術力が優れているパートナーであることを、第三者監査法人の監査によりAWSが認定するプログラムで、2022年4月時点で国内で14社が認定されている。
第2の強みとしては、SalesforceやAWS、GCP、Microsoft Azureなど複数のクラウドプラットフォームをグループでカバレッジしている点が挙げられる。大企業ではオンプレミスも含めて複数のプラットフォームを利用しているケースが多く、マルチ・クラウドプラットフォームに対応できる技術力・ノウハウをグループで有していることで受注機会も増大し、高成長を継続している要因ともなっている。
一方、課題としては旺盛な需要に対応していくためのエンジニアの採用・育成が挙げられる。クラウドサービス市場の高成長が続くなか、今なお技術者不足が続いている状況にある。同社ではこうした課題を解決するために2023年2月期に社員寮(マンション1棟)を整備したほか、2023年1月から企業のブランド力向上を目的としたテレビCMの放映も開始した(2023年6月まで予定)。また、クラウド技術者の派遣・紹介事業を行うテラスカイ・テクノロジーズを2021年に新設したのも、人材不足を解消するための戦略の1つとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 強みと課題
テラスカイ<3915>の強みは大きく2つにまとめることができる。第1に、クラウド創成期から市場に参入して積み重ねてきた導入実績により蓄積された豊富なノウハウと人材である。2023年2月末時点のクラウド導入実績は同社単体で6,500件超、グループ全体では16,000件超と業界トップクラスを誇り、また、事業の中核をなすSalesforceの認定資格取得者数でも国内トップクラスの陣容を誇っている。セールスフォースの発表資料によれば、2021年12月時点における国内のSalesforce MVP※認定者数14名のうち3名(国内1位)が同社に在籍しており、技術系の最上位資格となる認定テクニカルアーキテクトも19名中5名(国内1位)が在籍している。
※Salesforceの製品に卓越したエキスパートとして、コミュニティの繁栄や多くの人の学習を助ける活動に力を注いできた人に送られる称号。世界では約250人がMVPに認定されている。
Salesforceにおける技術認定資格取得者数合計でも、同社はアクセンチュア(株)と並んで突出しており、特にテラスカイ・テクノロジーズにおける資格取得者数が伸びており、グループ全体では延べ2,500人を超える資格取得数となっている。技術認定資格取得者数は受注能力にほぼ比例するため、同社がSalesforceの開発・導入支援で国内トップクラスの実績及び能力を持っていると言っても過言ではない。同社ではエンジニアの入社後は、こうした認定資格の取得を目指すためオリジナルカリキュラムによる教育・研修を3ヶ月間行い、資格を取得したのちに実戦部隊として4ヶ月目から現場に投入している。人材育成は企業が成長していくためのコア・コンピタンスとして位置付けており、成長の原動力となっている。
また、BeeXにおいても業界に先駆けてSAPシステムのクラウド移行支援を手掛けてきたことから、同分野でトップの実績を持つ。SAPシステムをクラウドに移行するためには、SAPシステムのインフラレイヤーの技術力だけでなく、AWSなどのクラウドプラットフォームに関して高い技術力を有していることが必要で、両方の技術者を揃えている会社は少なくBeeXの強みとなっている。2019年にはAWSの「Well-Architectedパートナー」※1に認定されたほか、2022年3月にはAWSのグローバルパートナープログラム「AWSパートナーネットワーク(APN)」の「AWS移行コンピテンシー」※2に認定されている。
※1 顧客のAWS環境の問題を解決するための高いスキルと専門知識を有し、シームレスにAWS上でソリューションを提供することができると認められたAPNパートナー。
※2 APNのなかでも、既存オンプレミス環境からAWS環境への移行スキルや移行後の運用管理など、移行に関する一連の技術力が優れているパートナーであることを、第三者監査法人の監査によりAWSが認定するプログラムで、2022年4月時点で国内で14社が認定されている。
第2の強みとしては、SalesforceやAWS、GCP、Microsoft Azureなど複数のクラウドプラットフォームをグループでカバレッジしている点が挙げられる。大企業ではオンプレミスも含めて複数のプラットフォームを利用しているケースが多く、マルチ・クラウドプラットフォームに対応できる技術力・ノウハウをグループで有していることで受注機会も増大し、高成長を継続している要因ともなっている。
一方、課題としては旺盛な需要に対応していくためのエンジニアの採用・育成が挙げられる。クラウドサービス市場の高成長が続くなか、今なお技術者不足が続いている状況にある。同社ではこうした課題を解決するために2023年2月期に社員寮(マンション1棟)を整備したほか、2023年1月から企業のブランド力向上を目的としたテレビCMの放映も開始した(2023年6月まで予定)。また、クラウド技術者の派遣・紹介事業を行うテラスカイ・テクノロジーズを2021年に新設したのも、人材不足を解消するための戦略の1つとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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