一旦“失速”も、“もう一段”の可能性は十分…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/06/16 11:10

◆ 一旦上抜けも、押し戻される… - 一時“141円半ば”


FOMC後の流れは続き、分水嶺と見られた“140.450円(6/5高値)-週足・一目均衡表先行スパン上限(140.650円)”も東京タイム序盤には早くも突破しました。
このため“ストップロス”を絡めたドル円は、欧州タイム序盤には“141.497円”へと駆け上がっていきました。

しかしながらその後は“利益確定売り”が先行する中、NYタイム序盤に発表された新規失業保険申請件数も“弱め(26.2万件)”となりました。
こうして米10年債利回りが“低下(→3.70%)”する中、ドル円は“140.154円”へと急激に上げ幅を削っています。

なお注目のECB理事会は“0.25%利上げ”を実施し、7月利上げについても“(事実上の)予告”がなされましたが、想定通りということもあって大きな反応を見せることはありませんでした。

◆ 基本は“サプライズなし”とは見るが…? - 日銀会合


本日は「中銀ウィーク」として最後の注目となる、日銀金融政策決定会合&植田日銀総裁の記者会見が予定されています。
“据え置き”“YCC政策は維持”でコンセンサスは固まっていますので、基本的には“サプライズなし”と見られます。
ただ「次会合でのYCC政策修正」を囃す声が欧米勢の一部からちらほらと聞こえてきていますので、「何らかの示唆」が行われればもちろんのこと、「そうでなくても…」との思惑は台頭しやすいと見られます。

個人的には「示唆なし(YCC政策は当面継続)」と見ていますので、“巻き戻し→円売り”を想定していますが、後は結果次第…。
昨日更新した“年初来高値(141.497円)”を突破するかは微妙(難しい?)とは見ますが、再び窺いにかかる展開を個人的には想定しつつ、神経質なマーケットと対峙したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

142.480(22/11/11高値、22/10/21~23/1/16の61.8%戻し)
142.214(22/11/22高値)
142.134(ピボット2ndレジスタンス)
142.000(大台)
141.607(22/11/23高値)
141.497(6/15高値)
141.211(ピボット1stレジスタンス)
上値5:141.000(大台、+2σ)
上値4:140.924(6/15高値後の61.8%戻し)
上値3:140.747(6/15高値後の50%戻し)
上値2:140.650(週足・一目均衡表先行スパン上限)
上値1:140.570(6/15高値後の38.2%戻し)
前営業日終値:140.289(+1σ)
下値1:140.129(日足・一目均衡表転換線)
下値2:139.938(6/15安値、大台)
下値3:139.806(6/9~6/15の61.8%押し)
下値4:139.684(20日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値5:139.589(月足・一目均衡表転換線)
139.285(6/14安値)
139.005(6/13安値、大台、ピボット2ndサポート)
138.726(6/2NYタイム安値《米雇用統計時安値》、6/9安値)
138.598(6/2安値、-1σ)
138.418(6/1安値、5/4~6/15の38.2%押し)
138.231(5/24安値、-2σ)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想