「下方向は限定的」「伸びるとすれば上方向」を継続したいところ…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/06/14 11:17

◆ 混在にて“方向感定まらず”は続く… - 米CPI


注目の米CPIは、「インフレ鈍化(前年比は予想を下回る+4.0%)」「根強いインフレ(コア前年比は予想を上回る+5.3%)」が併存する内容となりました。
このため「米6月利上げ停止/7月利上げ再開」との思惑もは双方共に維持される格好となり、“方向感定まらず”から抜け出すことはありませんでした。
ただ「前者(6月利上げ停止)」が当初は上回り、次第に「後者(7月利上げ再開)」へと意識が傾いたことで、ドル円は“上を下へ(実際には下を上へ…)と揺れ動いています。
こうして発表直後に“139.005円”へと下値を拡大したドル円でしたが、米利回り上昇に引っ張られる格好で、NYタイム終盤には“140.299円”へと駆け上がっています。

◆ 「利上げ停止」が確実視される中、ポイントは「その次」 - FOMC


こうした中、本日はさらに注目が集まるFOMCが予定されています。
そして「6月利上げ停止」は“ほぼ確実”と見られますので、ポイントは「声明」そして「パウエルFRB議長会見」ということになりそうです。
『据え置きは利上げの停止ではない(いわゆるタカ派姿勢)』との意向を打ち出すとの見方が現時点では大勢を占めていますが、果たしてその通りとなるか…?

翌日(15日)には「欧0.25%利上げ」が、翌々日(16日)には「日銀現状維持(据え置き)」が見込まれていますので、基本的には“金利選好→円売り”が意識されやすいと見ます。
ただすでに“織り込み済”とも見られる中、『FOMCを見極めたい』との思惑はさらに増した印象は強いです。
発表までは“様子見(膠着)”を基本とし、やや“(昨日の)巻き戻し”を想定しながら、まずは情勢をしっかりと見極めたいところですね。
個人的には昨日同様、「下方向は限定的」「伸びるとすれば上方向」と考えていますが…?

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

143.000(大台)
142.480(22/11/11高値、22/10/21~23/1/16の61.8%戻し)
142.214(22/11/22高値、+2σ)
142.000(大台、ピボットハイブレイクアウト)
141.607(22/11/23高値)
141.138(ピボット2ndレジスタンス)
上値5:141.000(大台)
上値4:140.922(5/30高値)
上値3:140.650(週足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット1stレジスタンス)
上値2:140.450(6/5高値)
上値1:140.299(6/13高値)
前営業日終値:140.229(+1σ)
下値1:140.000(大台)
下値2:139.711(6/9~6/13の38.2%押し)
下値3:139.530(6/9~6/13の50%押し、日足・一目均衡表転換線、20日移動平均線、月足・一目均衡表転換線)
下値4:139.349(6/9~6/13の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値5:139.005(6/13安値、大台)
138.726(6/2NYタイム安値《米雇用統計時安値》、6/9安値)
138.598(6/2安値、-1σ、ピボット2ndサポート)
138.418(6/1安値)
138.231(5/24安値、5/11~5/30の38.2%押し)
138.096(ピボットローブレイクアウト)
138.000(大台)
137.429(5/19-22安値)
137.284(5/18安値、200日移動平均線、日足・一目均衡表基準線、5/11~5/30の50%押し)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想