ただ“決め手に欠く”と見たいところ…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/05/23 11:18

◆ 今度は「米金融政策」がテーマに… - 再び“138円半ば”へ…


注目の「米債務上限問題」に進展が見られない中、昨日は「米要人のタカ派発言」が目立ちました。

 『6月利上げは五分五分(カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁)』
 『年内あと2回、計0.50%利上げが必要(ブラード・セントルイス連銀総裁)』

デイリー・サンフランシスコ連銀総裁は『6月利上げはデータ次第』として言及を避けましたが、少なくとも「6月利上げの可能性」を否定することはありませんでした。
逆にボスティック・アトランタ連銀総裁/バーキン・リッチモンド連銀総裁は『6月利上げ見送り』を示唆したものの、「利上げ終了」を示すこともありませんでした。
このためマーケットは“タカ派寄り”との思惑が優勢となり、「6月利上げ」の確率が“盛り返す(10%割れ→30%超)”中、米10年債利回りは“上昇(→3.72%)”を続けました。

そして為替では幅広い通貨に対して“円売り”が進行し、東京タイム序盤に“137.484円”へと押し下げられていたドル円は“138.685円”へと値を戻していきました。
ただし“5/18高値(138.746円)”を超え切るには至っておらず、その後は“利益確定売り”に押さえ込まれたまま、昨日の取引を終えています。

◆ 「日米金利格差」「円キャリートレード」に意識は傾きやすいが…?


「仕掛け的な動き」を背景に、本日に入ってから再び上値模索という場面も見られていますが、本稿執筆時に“ストップロス”を絡めた動きは見られておりません。
一方で本日は「(米・欧・英の)製造業/サービス業PMI」が予定されますが、これは「金融政策の行方」を探る上で欠かせない「景気動向(景況感)」を探る要因の一つといえます。
「日米金利格差」あるいはそれを背景にした「円キャリートレード」は意識されやすい状況ではありますが、「その結果を見極めたい」という意識も高まりやすい…?
“下値の堅さ”は健在と見ますが、上値追いに関しては“決定打に欠く”と見たいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

141.000(大台)
140.222(ピボットハイブレイクアウト)
140.000(大台)
139.890(22/11/30高値)
上値5:139.589(22/10/21~23/1/16の50%戻し、月足・一目均衡表転換線)
上値4:139.459(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:139.317(+2σ)
上値2:139.000(大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:138.746(5/18-19高値)
前営業日終値:138.589
下値1:138.293(5/22安値後の38.2%押し)
下値2:138.139(5/22安値後の50%押し)
下値3:137.984(5/22安値後の61.8%押し、大台)
下値4:137.820(ピボット1stサポート)
下値5:137.429(5/19-22安値)
137.284(5/18安値、+1σ)
137.178(200日移動平均線)
137.000(大台、ピボット2ndサポート)
136.838(5/11~5/18の38.2%押し)
136.660(50週移動平均線、ピボットローブレイクアウト)
136.296(5/17安値、日足・一目均衡表転換線、5/11~5/18の50%押し)
136.050(20日移動平均線、大台)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想