*14:37JST ハウテレビジョン Research Memo(7):2027年1月期に営業利益15億円を目指す
■成長戦略
1. 中期経営計画
ハウテレビジョン<7064>は中期経営目標に営業利益の2期合計25億円以上の達成を掲げ、2023年4月に策定・公表した中期経営計画(2024年1月期~2027年1月期)では、キャリアプラットフォーム事業(新卒サービスと中途サービス)の安定高成長と新規事業等の寄与により、最終年度の2027年1月期に売上高600億円、営業利益15億円、営業利益率25%水準を目指すとしている。
2. 基本戦略
基本戦略としては、キャリアプラットフォーム事業を着実に成長させるため取引企業数の拡大、多様な顧客ニーズに応える採用ソリューション(商品)の拡充を推進し、新規事業(知見共有プラットフォーム「Mond」)のオーガニックな成長の実現も目指す。さらに、サービスラインナップの拡充や技術的な先進性の獲得に向けて、M&A・アライアンスも積極推進する。
BtoB領域のキャリアプラットフォーム事業は「成長率×収益性」の観点から引き続き高成長が期待されるため、戦略的なマーケティング・営業活動によって顧客層・顧客数を拡大し、採用ソリューション拡充などによって成約率向上や単価向上を推進する。さらに、CtoC領域の知見共有プラットフォーム「Mond」の事業化などにより、中長期成長に向けて事業ポートフォリオの多様化を推進する方針だ。
市場環境としては、ビジネス職・エンジニア職ともに新卒市場での優秀人材獲得がメンバーシップ型では困難となり、外資系企業に留まらず国内大手企業においてもジョブ型採用への移行が加速している。また、社会・産業のDX化に伴って、企業のIT人材に対する量的・質的需要が一段と高まっている。同社資料によると、新卒・中途採用支援市場(BtoB)は約7,000億円、キャリアアップ支援市場(BtoC)は約9,000億円であり、同社にとって事業拡大余地は大きい。さらに中長期的には、知見共有市場(CtoC)の約2.7兆円も含めた能力開花支援領域への展開を目指す方針としている。
なお、M&A・アライアンスに関する候補先企業選定基準及び投資ガイドラインを公表した。対象領域・候補先企業については、キャリア領域では同社の顧客企業群に対してクロスセルが可能なサービス(人事・採用関連サービスなど)を保有している企業、ライフスタイルを含む能力開花領域では同社のキャリアプラットフォームの顧客もしくは将来的に顧客となり得る層に対してオンラインサービスを通じて能力開花の機会(未就学児~高校生の習いごと・語学学習、社会人向けビジネススクール、ハイクラス人材の恋愛・結婚など)を提供している企業、テクノロジー領域では同社のプロダクトの拡張につながるような先進技術及び先進技術を活用したプロダクト(マッチング精度の高度化、生成系AIの活用など)を保有している企業とした。
M&Aの投資ガイドラインについては、対象企業・事業は候補先選定基準に適合する企業及び事業、業績面は原則としてEBITDA黒字企業(想定されるシナジーの大きさによってはEBITDA赤字も許容)、金額はEV/EBITDA倍率10倍以下が目安(EBITDA赤字の場合は投資額5億円が上限)、原資は原則として現預金及び金融機関からの借入(金額の多寡によっては資本性スキームも検討)としている。なお各事業年度における件数・金額目標は定めず、案件に応じて柔軟に検討する。
3. 中長期的に高成長
同社は高付加価値なリクルーティング・メディアとして独自のポジショニングを確立している。そして取引企業数や会員数は増加基調である。フロー型の新卒サービスからストック型の中途サービスへと継続利用される好循環のユーザーストック型プラットフォームであり、一般的な人材サービス企業との比較で広告宣伝費・販促費の額が圧倒的に小さいことも強みである。そして2023年1月期は計画を上回る大幅増益となり、収益拡大フェーズに入ったと考えられる。ハイクラス人材を求める大手優良企業の採用意欲は強く、同社にとって市場環境は良好と考えられる。同社のキャリアプラットフォーム事業の成長余地は大きく、さらに新規事業による事業ポートフォリオ多様化も勘案すれば、中長期的に高成長が期待できると弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 中期経営計画
ハウテレビジョン<7064>は中期経営目標に営業利益の2期合計25億円以上の達成を掲げ、2023年4月に策定・公表した中期経営計画(2024年1月期~2027年1月期)では、キャリアプラットフォーム事業(新卒サービスと中途サービス)の安定高成長と新規事業等の寄与により、最終年度の2027年1月期に売上高600億円、営業利益15億円、営業利益率25%水準を目指すとしている。
2. 基本戦略
基本戦略としては、キャリアプラットフォーム事業を着実に成長させるため取引企業数の拡大、多様な顧客ニーズに応える採用ソリューション(商品)の拡充を推進し、新規事業(知見共有プラットフォーム「Mond」)のオーガニックな成長の実現も目指す。さらに、サービスラインナップの拡充や技術的な先進性の獲得に向けて、M&A・アライアンスも積極推進する。
BtoB領域のキャリアプラットフォーム事業は「成長率×収益性」の観点から引き続き高成長が期待されるため、戦略的なマーケティング・営業活動によって顧客層・顧客数を拡大し、採用ソリューション拡充などによって成約率向上や単価向上を推進する。さらに、CtoC領域の知見共有プラットフォーム「Mond」の事業化などにより、中長期成長に向けて事業ポートフォリオの多様化を推進する方針だ。
市場環境としては、ビジネス職・エンジニア職ともに新卒市場での優秀人材獲得がメンバーシップ型では困難となり、外資系企業に留まらず国内大手企業においてもジョブ型採用への移行が加速している。また、社会・産業のDX化に伴って、企業のIT人材に対する量的・質的需要が一段と高まっている。同社資料によると、新卒・中途採用支援市場(BtoB)は約7,000億円、キャリアアップ支援市場(BtoC)は約9,000億円であり、同社にとって事業拡大余地は大きい。さらに中長期的には、知見共有市場(CtoC)の約2.7兆円も含めた能力開花支援領域への展開を目指す方針としている。
なお、M&A・アライアンスに関する候補先企業選定基準及び投資ガイドラインを公表した。対象領域・候補先企業については、キャリア領域では同社の顧客企業群に対してクロスセルが可能なサービス(人事・採用関連サービスなど)を保有している企業、ライフスタイルを含む能力開花領域では同社のキャリアプラットフォームの顧客もしくは将来的に顧客となり得る層に対してオンラインサービスを通じて能力開花の機会(未就学児~高校生の習いごと・語学学習、社会人向けビジネススクール、ハイクラス人材の恋愛・結婚など)を提供している企業、テクノロジー領域では同社のプロダクトの拡張につながるような先進技術及び先進技術を活用したプロダクト(マッチング精度の高度化、生成系AIの活用など)を保有している企業とした。
M&Aの投資ガイドラインについては、対象企業・事業は候補先選定基準に適合する企業及び事業、業績面は原則としてEBITDA黒字企業(想定されるシナジーの大きさによってはEBITDA赤字も許容)、金額はEV/EBITDA倍率10倍以下が目安(EBITDA赤字の場合は投資額5億円が上限)、原資は原則として現預金及び金融機関からの借入(金額の多寡によっては資本性スキームも検討)としている。なお各事業年度における件数・金額目標は定めず、案件に応じて柔軟に検討する。
3. 中長期的に高成長
同社は高付加価値なリクルーティング・メディアとして独自のポジショニングを確立している。そして取引企業数や会員数は増加基調である。フロー型の新卒サービスからストック型の中途サービスへと継続利用される好循環のユーザーストック型プラットフォームであり、一般的な人材サービス企業との比較で広告宣伝費・販促費の額が圧倒的に小さいことも強みである。そして2023年1月期は計画を上回る大幅増益となり、収益拡大フェーズに入ったと考えられる。ハイクラス人材を求める大手優良企業の採用意欲は強く、同社にとって市場環境は良好と考えられる。同社のキャリアプラットフォーム事業の成長余地は大きく、さらに新規事業による事業ポートフォリオ多様化も勘案すれば、中長期的に高成長が期待できると弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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