【IRアナリストレポート】コシダカホールディングス(2157)

著者:鈴木 行生
投稿:2023/05/08 10:52

~コロナ禍を乗り切り、新しいエンタメ・インフラ企業をめざす~

【ポイント】
・今2023年8月期の上期は、極めて好調な業績を達成した。カラオケ部門は、コロナ禍前の水準を一気に更新し過去最高となった。通期での過去のピーク利益は、2019年8月期の営業利益95億円であったが、この時はカラオケのセグメント利益が45億円、スピンオフ前のカーブスの利益が56億円であった。今回はカラオケだけで80億円を上回る利益を計画しており、その路線に乗っている。

・なぜカラオケで大幅に稼げるのか。それは、コロナ下にあって業界が弱る中で、果敢な出店を継続したことによる。前期末のカラオケ店577店中、約2割の105店をこの1年半で出店した。これが需要回復局面で、従来の既存店と遜色ない収益を上げていることによる。まねきねこの集客力の高さが光っている。

・ポストコロナに向けて、腰髙社長は2つの手を打っている。1つは、プライベート エンターテイメント ルーム(PER)の実現を加速させようとしており、もう1つはシェア拡大のチャンスとして、慎重ながらも果敢な出店をM&Aを含めて展開している。駅前繁華街への新規出店は、50店(平均30~40ルーム)ペースでしっかり進めている。

・昨年3月にアドバンテッジ パートナーズ(AA)と資本業務提携した。次の成長戦略の加速化に向けて、カラオケルームでの楽しみ方に、新しいデジタル技術を持込み、新商品や新サービスを開発していく。DXによる新規事業として、タイムルーパー社と組んで、カラオケをメタベース上で楽しむ「メタカラ」を開発した。5月以降、メタカラを楽しめる店が増加し、このタイプのサービスで、業界で先行することになろう。

・海外事業もコロナ禍で苦戦を強いられたが、ようやく黒字化が見えてきた。マレーシアやタイで出店を再開しており、インドネシアを含めて、今後は次第に加速しよう。

・当社のカラオケの競争優位性は引き続き高い。「エンタメをインフラに」をビジョンに、「既存業種新業態」を軸に中長期的な成長を目指す。コロナ禍を克服して、収益性は急ピッチで向上している。AAとの連携による新商品・新サービスに注目したい。

目次
1.特色 「既存業種新業態」の余暇サービス提供企業
2.強み カラオケの首都圏展開で競争力を発揮
3.中期経営方針 カラオケからプライベートエンターテイメントへ
4.業務連携 アドバンテッジ アドバイザーズと提携し、成長を加速
5.当面の業績 本格回復が加速し、収益力が向上
6.企業評価 新たなエンタメの世界へ

コシダカホールディングス <2157>
企業レーティング
株価
(2023年5月2日)
1150円
時価総額 946億円
(82.3百万株)
PBR 4.40倍
ROE 27.2%
PER 16.2倍
配当利回り 1.2%
総資産 52581百万円
純資産 21324百万円
自己資本比率 40.5%
BPS 261.5円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2016.8 51170 4810 4699 1900 26.2 8.0
2017.8 55283 6146 6354 3255 43.6 9.0
2018.8 61771 7858 8207 4426 54.4 10.0
2019.8 65840 9507 9562 6226 76.6 12.0
2020.8 43303 1147 1699 -231 -2.8 12.0
2021.8 20791 -7628 -3092 -4144 -50.8 4.0
2022.8 37995 2205 5331 3643 44.7 8.0
2023.8(予) 53800 7600 7700 7500 92.0 12.0
2024.8(予) 58600 8900 8900 5800 71.1 14.0

(2023.2ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは来期ベース。2018年5月末で1:4の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。カーブスを2020年2月末でスピンオフ(1:2.109の株式分割に相当)。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/kosidaka202305.pdf

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配信元: みんかぶ株式コラム

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