*14:05JST レンティア Research Memo(5):2022年12月期は増収ながら先行投資的費用の計上で営業減益
■業績動向
1. 2022年12月期の業績概要
コーユーレンティア<7081>の2022年12月期の連結業績は、売上高26,188百万円(前期比9.1%増)、営業利益2,430百万円(同3.6%減)、経常利益2,421百万円(同3.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,249百万円(同18.5%減)となり、期初予想(営業利益1,700百万円)を大幅に上回った。またレンタル資産を含めた減価償却費は1,517百万円(同1.0%減)となり、EBITDAは3,980百万円(同1.8%減)となった。
売上高は、「収益認識に関する会計基準」採用の影響(マイナス)があったものの、2022年4月からジービーエス等3社が連結に加わったことから増収となった。売上総利益率は43.9%(前期41.5%)と改善したが、「収益認識に関する会計基準」採用の影響を除いた場合でも42.8%となっており改善が見られた。その一方で新規連結子会社の影響などから販管費が前期比21.7%増となり営業利益は減益となった。下記のように、のれんの償却も含めて前向きな経費を計上したことが営業減益の主要因であり、懸念される結果ではなかった。
営業利益の増減要因を分析すると、増収による増益が1,334百万円、売上総利益率の改善による増益が108百万円、備品の償却減による増益が82百万円、人件費の増加による減益が931百万円、営業活動費の増加による減益が205百万円、設備費用の増加による減益が178百万円、ジービーエス等3社ののれん償却費増等による減益が61百万円、その他経費の増加による減益が240百万円であった。
人件費の増加は、既存事業の営業力強化や新規事業の展開に伴う人材採用に加えて、ジービーエス等3社の連結化を含めたICT事業強化とそれに伴う人件費の増加による。また設備費用の増加もICT事業に関連したものである。以上から、営業減益の主要因は、今後のICT事業強化に向けた費用増であり、懸念されるような内容ではなかったと言える。同社でも「これらは費用計上されているが、内容としては将来の事業拡大に向けた投資と捉えている」と述べている。
2. セグメント別状況
(1) レンタル関連
売上高は前期比13.9%増の19,597百万円、営業利益は同3.1%減の2,301百万円、営業利益率は11.7%(前期13.8%)となった。すべての向け先別で増収となり、利益率は健全な水準を維持したが、新規連結子会社の影響や先行投資的な費用増もあり、営業利益は減益となった。
建設向けの売上高は8,444百万円(前期比4.6%増)となった。大型開発案件が稼働したことなどから増収となり、全体を牽引した。イベント向けの売上高は2,789百万円(同44.7%増)と堅調に推移した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が残ったものの、イベント開催件数の回復により増収を確保した。オフィス向けの売上高は7,113百万円(同81.9%増)と大幅増収となったが、新規連結となったジービーエス等3社の影響に加え、ワクチン接種・経済復興支援等のBPO(Bisiness Process Outsourcing)案件を引き続き受注したことによる。
期末の総在庫商品数(イベント商品数を除く)は、約107万点(約2,000アイテム)に上り、2019年初比で10%増加した。また2022年末時点の稼働率は80.3%となり、ほぼ適正レンジ(75%~80%)内に収まっている。
(2) スペースデザイン
売上高は前期比3.9%増の4,337百万円、営業利益は同251.5%増の140百万円、営業利益率3.2%(前期は1.0%)となった。資材供給の不透明感が残ったが、営業活動において選択と集中を行い、比較的付加価値の高い(利益率の高い)案件を獲得することで増益を達成した。
(3) 物販
売上高は前期比13.9%減の2,253百万円、営業損失9百万円(前期は106百万円の利益)を計上した。政府予算の配分見直し、東京オリンピック関連施設向け案件の剥落、抗ウイルスコーティングサービスの競争激化等により減収となり、営業損失を計上した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2022年12月期の業績概要
コーユーレンティア<7081>の2022年12月期の連結業績は、売上高26,188百万円(前期比9.1%増)、営業利益2,430百万円(同3.6%減)、経常利益2,421百万円(同3.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,249百万円(同18.5%減)となり、期初予想(営業利益1,700百万円)を大幅に上回った。またレンタル資産を含めた減価償却費は1,517百万円(同1.0%減)となり、EBITDAは3,980百万円(同1.8%減)となった。
売上高は、「収益認識に関する会計基準」採用の影響(マイナス)があったものの、2022年4月からジービーエス等3社が連結に加わったことから増収となった。売上総利益率は43.9%(前期41.5%)と改善したが、「収益認識に関する会計基準」採用の影響を除いた場合でも42.8%となっており改善が見られた。その一方で新規連結子会社の影響などから販管費が前期比21.7%増となり営業利益は減益となった。下記のように、のれんの償却も含めて前向きな経費を計上したことが営業減益の主要因であり、懸念される結果ではなかった。
営業利益の増減要因を分析すると、増収による増益が1,334百万円、売上総利益率の改善による増益が108百万円、備品の償却減による増益が82百万円、人件費の増加による減益が931百万円、営業活動費の増加による減益が205百万円、設備費用の増加による減益が178百万円、ジービーエス等3社ののれん償却費増等による減益が61百万円、その他経費の増加による減益が240百万円であった。
人件費の増加は、既存事業の営業力強化や新規事業の展開に伴う人材採用に加えて、ジービーエス等3社の連結化を含めたICT事業強化とそれに伴う人件費の増加による。また設備費用の増加もICT事業に関連したものである。以上から、営業減益の主要因は、今後のICT事業強化に向けた費用増であり、懸念されるような内容ではなかったと言える。同社でも「これらは費用計上されているが、内容としては将来の事業拡大に向けた投資と捉えている」と述べている。
2. セグメント別状況
(1) レンタル関連
売上高は前期比13.9%増の19,597百万円、営業利益は同3.1%減の2,301百万円、営業利益率は11.7%(前期13.8%)となった。すべての向け先別で増収となり、利益率は健全な水準を維持したが、新規連結子会社の影響や先行投資的な費用増もあり、営業利益は減益となった。
建設向けの売上高は8,444百万円(前期比4.6%増)となった。大型開発案件が稼働したことなどから増収となり、全体を牽引した。イベント向けの売上高は2,789百万円(同44.7%増)と堅調に推移した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が残ったものの、イベント開催件数の回復により増収を確保した。オフィス向けの売上高は7,113百万円(同81.9%増)と大幅増収となったが、新規連結となったジービーエス等3社の影響に加え、ワクチン接種・経済復興支援等のBPO(Bisiness Process Outsourcing)案件を引き続き受注したことによる。
期末の総在庫商品数(イベント商品数を除く)は、約107万点(約2,000アイテム)に上り、2019年初比で10%増加した。また2022年末時点の稼働率は80.3%となり、ほぼ適正レンジ(75%~80%)内に収まっている。
(2) スペースデザイン
売上高は前期比3.9%増の4,337百万円、営業利益は同251.5%増の140百万円、営業利益率3.2%(前期は1.0%)となった。資材供給の不透明感が残ったが、営業活動において選択と集中を行い、比較的付加価値の高い(利益率の高い)案件を獲得することで増益を達成した。
(3) 物販
売上高は前期比13.9%減の2,253百万円、営業損失9百万円(前期は106百万円の利益)を計上した。政府予算の配分見直し、東京オリンピック関連施設向け案件の剥落、抗ウイルスコーティングサービスの競争激化等により減収となり、営業損失を計上した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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