“自ずと限界有”は継続で…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/03/23 11:55

◆ ある意味“想定通り”だったが… - FOMC


前日の「信用不安の緩み」もあり、昨日は“リスク通貨買い”が先行しました。
ただ現在は再び、“ドル売り(円買い)”が優勢となっています。

注目の「FOMC」の金融判断は、“0.25%利上げ”でした。
ただ“予想通り”ということもあって、特段の反応は見られませんでした。
一方で「金利見通し(ドットチャート)の中央値」は“前回と変わらず(0.25%利上げだとあと1回)”となり、さらに「パウエルFRB議長会見」では『今回は利上げ停止も考えた』との考えが示されました。
『年内の利下げ実施はない』とはされたものの、マーケットは“ハト派寄り”との意識が高まり、“株高→リスク選好”が台頭する場面が一時見られました。

◆ ただ、またしても“リスク回避姿勢”が… - イエレン発言


そうした中で飛び出したのが、「イエレン財務長官」の以下の発言でした。
 『全面的な預金保険提供は検討していない』
冒頭で記した「信用不安の緩み」は改めて巻き戻され、“株安→リスク回避→円買い”が進行するに至っています。
こうして“132.997円”まで上昇していたドル円は、本日東京タイムに入ってから“130円後半”へとさらに押し下げられています。

◆ それでも“一色”ではない以上、“一方向への動意”は想定しづらい…?


もっとも“ハト派寄り”とマーケットは捉えているものの、信用不安への対応は矢継ぎ早となります。
つまりこのまま“落ち着き”を取り戻せば、インフレ動向を踏まえれば「年内あと数回利上げ」へと再び押し戻されてもおかしくないということになります。

“株安→リスク回避→円買い”が先行していますので、もうしばらくは“下値追い(ドル売り・円買い)”への意識を高めておかざるを得ないでしょう。
それでも“ハト派/タカ派混在”という中で、金融当局の対応は“矢継ぎ早”という事実がある以上、“(下値は)自ずと限界有”との見方を継続したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

134.622(100日/20日移動平均線、ピボットハイブレイクアウト)
134.226(3/8~3/20の50%戻し、日足・一目均衡表基準線)
134.000(大台)
133.822(3/16高値、日足・一目均衡表転換線、20週移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
133.718(3/17高値)
133.357(3/8~3/20の38.2%戻し)
132.997(3/22高値、週足・一目均衡表転換線、大台)
132.703(日足・一目均衡表先行スパン上限)
132.641(ピボット1stレジスタンス)
上値5:132.562(50日移動平均線、-1σ)
上値4:132.146(3/22高値後の61.8%戻し)
上値3:132.000(大台)
上値2:131.883(3/22高値後の50%戻し)
上値1:131.619(3/22高値後の38.2%戻し)
前営業日終値:131.464(日足・一目均衡表先行スパン下限)
下値1:131.000(3/22安値、大台)
下値2:130.644(ピボット1stサポート)
下値3:130.544(3/20安値)
下値4:130.441(-2σ)
下値5:130.000(大台)
129.809(2/10安値、ピボット2ndサポート)
129.747(1/16~3/8の76.4%押し)
129.000(大台)
128.647(ピボットローブレイクアウト)
128.334(2/3安値、週足・一目均衡表先行スパン下限)

《11:15》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想