*14:26JST 電算システムHD Research Memo(6):2023年12月期は大幅増収を計画、人材投資のため利益率は低下
■今後の見通し
1. 2023年12月期の業績予想
電算システムホールディングス<4072>の2023年12月期業績は、売上高62,500百万円(前期比16.9%増)、営業利益3,900百万円(同14.2%増)、経常利益3,912百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,643百万円(同12.5%増)を計画している。同社は経済活動の正常化が進むことから2022年12月期までのコロナ禍による影響が和らぐと見ている。また、「収益認識に関する会計基準」等の適用の影響による子会社の混乱はあったようだが、基準がまとまったようである。子会社では高水準の受注残が積み上がっており、黒字化が見込まれると弊社では考えている。一方で、営業利益率は6.2%と前期比0.2ポイント低下する計画である。これは人材不足が深刻で、処遇面の見直しなども含めた人材投資を積極化するためである。
2. セグメント別業績予想
(1) 情報サービス事業
情報サービス事業の売上高は35,159百万円(前期比12.0%増)、営業利益は1,655百万円(同4.4%増)と見込んでいる。内訳は、SI・ソフト開発の売上高24,966百万円(同13.1%増)、情報処理サービス7,445百万円(同17.7%増)、商品及び製品販売2,654百万円(同9.8%減)、その他の収益64百万円(同29.3%増)となっている。
BPO(情報処理アウトソーシング)事業では、東濃BPOセンターの稼働は順調で、引き続き事業の量的拡大を支える。デジタル化、DXへの取り組みに対して、システム提供を含めたサービスのワンストップ化、並びに領域拡大による質的充実により既存顧客の深耕に加えて新規顧客の獲得を進め、さらなる事業規模拡大に取り組む予定である。
SI・ソフト開発では、クラウド技術の利用等による付加価値の高いシステム提案、大手システムインテグレーターとの協業による受注拡大に取り組む計画だ。クラウドサービス分野では、働き方改革や社員とのエンゲージメント対応に「Google Workspace」を中心としたサービスを、東濃インターネットデータセンター(IDC)では新型モジュール棟の増築を契機とし、さらなる事業拡大に注力する。デジタルサイネージ事業では、屋外大型看板広告のデジタル化に伴う需要が大幅拡大している。東京オリンピック・パラリンピックの特需を終え、需要が落ちついた後の回復が見られるかが注目される。
商品及び製品販売は、2020年7月にピーエスアイをグループ会社化したことにより、高水準のセキュリティ製品と技術サポートの提供を開始した。さらに2021年12月期第3四半期よりグループ会社化したマイクロリサーチとともに情報セキュリティ分野における事業拡大に取り組む計画である。十六FGと進めている事業については、グループ全事業分野での協業を推進する予定としている。
(2) 収納代行サービス事業
収納代行サービス事業の売上高は27,341百万円(前期比23.7%増)、営業利益は2,245百万円(同22.5%増)を見込む。内訳は、収納・集金代行サービス25,123百万円(同24.7%増)、オンライン決済サービス1,061百万円(同2.8%増)、送金サービス507百万円(同26.4%増)、収納代行周辺サービス350百万円(同0.1%減)、その他の収益300百万円(同88.1%増)を計画している。
収納代行サービス事業では、コロナ禍による新たな生活様式の定着や政府の普及促進の後押しもあって、キャッシュレス化及びDXへの対応が急務となる。他社との競合が一層激しさを増すなかで、同社はスマートフォンを活用した新しい支払い方法を取引先に広めていくとともに、提携先の拡大や最新の技術基盤を利用したオンライン決済を中心とした新総合決済サービスの構築を進める計画である。
2020年に開始した「DSK後払い」を推進するとともに、成長が見込まれる分野に経営資源を集中し、決済サービスの拡大を推進する。国内送金サービス事業の拡大や、世界最大級の国際送金事業者The Western Union Companyとの提携により、消費者の利便性を追求する新たなサービスの創出として取扱い窓口を増やす予定である。海外分野では、2016年にフィリピンの収納代行最大手であるCIS Bayad Center, Inc.と技術業務提携を締結、2017年には資本提携を締結しており、現地での新たなサービス提供に向けた提案や協議等の深度を深める計画である。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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1. 2023年12月期の業績予想
電算システムホールディングス<4072>の2023年12月期業績は、売上高62,500百万円(前期比16.9%増)、営業利益3,900百万円(同14.2%増)、経常利益3,912百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,643百万円(同12.5%増)を計画している。同社は経済活動の正常化が進むことから2022年12月期までのコロナ禍による影響が和らぐと見ている。また、「収益認識に関する会計基準」等の適用の影響による子会社の混乱はあったようだが、基準がまとまったようである。子会社では高水準の受注残が積み上がっており、黒字化が見込まれると弊社では考えている。一方で、営業利益率は6.2%と前期比0.2ポイント低下する計画である。これは人材不足が深刻で、処遇面の見直しなども含めた人材投資を積極化するためである。
2. セグメント別業績予想
(1) 情報サービス事業
情報サービス事業の売上高は35,159百万円(前期比12.0%増)、営業利益は1,655百万円(同4.4%増)と見込んでいる。内訳は、SI・ソフト開発の売上高24,966百万円(同13.1%増)、情報処理サービス7,445百万円(同17.7%増)、商品及び製品販売2,654百万円(同9.8%減)、その他の収益64百万円(同29.3%増)となっている。
BPO(情報処理アウトソーシング)事業では、東濃BPOセンターの稼働は順調で、引き続き事業の量的拡大を支える。デジタル化、DXへの取り組みに対して、システム提供を含めたサービスのワンストップ化、並びに領域拡大による質的充実により既存顧客の深耕に加えて新規顧客の獲得を進め、さらなる事業規模拡大に取り組む予定である。
SI・ソフト開発では、クラウド技術の利用等による付加価値の高いシステム提案、大手システムインテグレーターとの協業による受注拡大に取り組む計画だ。クラウドサービス分野では、働き方改革や社員とのエンゲージメント対応に「Google Workspace」を中心としたサービスを、東濃インターネットデータセンター(IDC)では新型モジュール棟の増築を契機とし、さらなる事業拡大に注力する。デジタルサイネージ事業では、屋外大型看板広告のデジタル化に伴う需要が大幅拡大している。東京オリンピック・パラリンピックの特需を終え、需要が落ちついた後の回復が見られるかが注目される。
商品及び製品販売は、2020年7月にピーエスアイをグループ会社化したことにより、高水準のセキュリティ製品と技術サポートの提供を開始した。さらに2021年12月期第3四半期よりグループ会社化したマイクロリサーチとともに情報セキュリティ分野における事業拡大に取り組む計画である。十六FGと進めている事業については、グループ全事業分野での協業を推進する予定としている。
(2) 収納代行サービス事業
収納代行サービス事業の売上高は27,341百万円(前期比23.7%増)、営業利益は2,245百万円(同22.5%増)を見込む。内訳は、収納・集金代行サービス25,123百万円(同24.7%増)、オンライン決済サービス1,061百万円(同2.8%増)、送金サービス507百万円(同26.4%増)、収納代行周辺サービス350百万円(同0.1%減)、その他の収益300百万円(同88.1%増)を計画している。
収納代行サービス事業では、コロナ禍による新たな生活様式の定着や政府の普及促進の後押しもあって、キャッシュレス化及びDXへの対応が急務となる。他社との競合が一層激しさを増すなかで、同社はスマートフォンを活用した新しい支払い方法を取引先に広めていくとともに、提携先の拡大や最新の技術基盤を利用したオンライン決済を中心とした新総合決済サービスの構築を進める計画である。
2020年に開始した「DSK後払い」を推進するとともに、成長が見込まれる分野に経営資源を集中し、決済サービスの拡大を推進する。国内送金サービス事業の拡大や、世界最大級の国際送金事業者The Western Union Companyとの提携により、消費者の利便性を追求する新たなサービスの創出として取扱い窓口を増やす予定である。海外分野では、2016年にフィリピンの収納代行最大手であるCIS Bayad Center, Inc.と技術業務提携を締結、2017年には資本提携を締結しており、現地での新たなサービス提供に向けた提案や協議等の深度を深める計画である。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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