■要約
1. 2023年8月期第1四半期(実績)
ナガイレーベン<7447>は医療白衣のコア市場※において国内シェア60%超のトップメーカーであり、高い利益率と堅固な財務内容を誇っている。2023年8月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比12.5%減の2,954百万円、営業利益が同31.0%減の631百万円、経常利益が同31.1%減の648百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同31.3%減の445百万円となった。売上高は、コア市場が前年同期に大型更新物件を受注したことの反動もあり同15.3%の減収となったことに加え、注力している周辺市場が燃料費高騰によりリネンサプライヤーの新規資材購入の一時的な抑制の影響を受け、減収となった。損益面では、原材料費の高騰や国内工場の加工賃上昇及び、為替(前年同期比で円安)の影響などにより売上総利益率は42.8%と前年同期比2.6ポイント低下したものの、当初の想定は上回って着地した。販管費は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの回復もあり同2.7%増となり、この結果、営業利益は同31.0%減となった。減益率は大きくなったが、第1四半期は従来、年間の売上・利益における比率が大きくないため、わずかな増減額で変動幅は大きくなる。実際、当第1四半期の営業減益額は284百万円と前期の営業利益額5,031百万円に比べればわずかであることから、案ずる結果ではなかったと弊社では見ている。
※2021年8月期より取り入れている新区分で、国内市場のうち同社のシェアが比較的高い市場のこと。ヘルスケアウェア、ドクターウェア、ユーティリティウェア・他、感染対策商品が該当する。なお、新区分はコア市場のほか、周辺市場(患者ウェア、手術ウェア)、海外市場の3つとなる。
2. 2023年8月期(予想)
2023年8月期の連結業績は、売上高が前期比2.6%増の18,200百万円、営業利益が同9.1%減の4,574百万円、経常利益が同9.8%減の4,638百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.2%減の3,164百万円とする期初予想を据え置いている。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に特別利益を計上した反動により減益幅が大きくなっている。売上高は順調な伸びを予想しているが、為替(前期比で円安)の影響や加工賃の上昇などが続くと見ており、原価率がアップすることから営業利益は減益を見込んでいる。これに対し同社は、生産の効率化などさらなる収益性の改善を実施する一方で、製品価格の改定も進めている。価格改定の浸透は2023年2月以降になる見込みであることから、上期の業績が最も厳しく下期には回復する予想となっている。
3. 中期経営計画
同社は、2022年8月期の実績を踏まえ、それまでの計画をロールオーバーした中期経営計画を発表した。数値目標としては、2025年8月期に売上高193億円、営業利益55億円を掲げている。足元では為替が円安に振れており同社業績に対しては逆風だが、売上高は順調に拡大しており、価格改定も検討していることなどから、これらの目標が達成される可能性は有り得るだろう。一方で、株主還元の姿勢は変わらず、2022年8月期は年間60.0円の配当を実施し、2023年8月期も同額の配当を予定している。自己株式の取得にも前向きで、資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することを目的として、2022年8月期に612,700株(1,231百万円)の自己株式取得を行った。このような株主還元に対する同社の一貫した姿勢は評価に値すると言える。
■Key Points
・2023年8月期第1四半期の営業利益は前年同期比31.0%減益となったものの、想定の範囲内
・2023年8月期の営業利益は前期比9.1%減を見込むが、上期が最も厳しく、下期には回復する予想
・中期経営計画では2025年8月期に営業利益55億円を目指す。株主還元にも積極的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NS>
1. 2023年8月期第1四半期(実績)
ナガイレーベン<7447>は医療白衣のコア市場※において国内シェア60%超のトップメーカーであり、高い利益率と堅固な財務内容を誇っている。2023年8月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比12.5%減の2,954百万円、営業利益が同31.0%減の631百万円、経常利益が同31.1%減の648百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同31.3%減の445百万円となった。売上高は、コア市場が前年同期に大型更新物件を受注したことの反動もあり同15.3%の減収となったことに加え、注力している周辺市場が燃料費高騰によりリネンサプライヤーの新規資材購入の一時的な抑制の影響を受け、減収となった。損益面では、原材料費の高騰や国内工場の加工賃上昇及び、為替(前年同期比で円安)の影響などにより売上総利益率は42.8%と前年同期比2.6ポイント低下したものの、当初の想定は上回って着地した。販管費は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの回復もあり同2.7%増となり、この結果、営業利益は同31.0%減となった。減益率は大きくなったが、第1四半期は従来、年間の売上・利益における比率が大きくないため、わずかな増減額で変動幅は大きくなる。実際、当第1四半期の営業減益額は284百万円と前期の営業利益額5,031百万円に比べればわずかであることから、案ずる結果ではなかったと弊社では見ている。
※2021年8月期より取り入れている新区分で、国内市場のうち同社のシェアが比較的高い市場のこと。ヘルスケアウェア、ドクターウェア、ユーティリティウェア・他、感染対策商品が該当する。なお、新区分はコア市場のほか、周辺市場(患者ウェア、手術ウェア)、海外市場の3つとなる。
2. 2023年8月期(予想)
2023年8月期の連結業績は、売上高が前期比2.6%増の18,200百万円、営業利益が同9.1%減の4,574百万円、経常利益が同9.8%減の4,638百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.2%減の3,164百万円とする期初予想を据え置いている。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に特別利益を計上した反動により減益幅が大きくなっている。売上高は順調な伸びを予想しているが、為替(前期比で円安)の影響や加工賃の上昇などが続くと見ており、原価率がアップすることから営業利益は減益を見込んでいる。これに対し同社は、生産の効率化などさらなる収益性の改善を実施する一方で、製品価格の改定も進めている。価格改定の浸透は2023年2月以降になる見込みであることから、上期の業績が最も厳しく下期には回復する予想となっている。
3. 中期経営計画
同社は、2022年8月期の実績を踏まえ、それまでの計画をロールオーバーした中期経営計画を発表した。数値目標としては、2025年8月期に売上高193億円、営業利益55億円を掲げている。足元では為替が円安に振れており同社業績に対しては逆風だが、売上高は順調に拡大しており、価格改定も検討していることなどから、これらの目標が達成される可能性は有り得るだろう。一方で、株主還元の姿勢は変わらず、2022年8月期は年間60.0円の配当を実施し、2023年8月期も同額の配当を予定している。自己株式の取得にも前向きで、資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することを目的として、2022年8月期に612,700株(1,231百万円)の自己株式取得を行った。このような株主還元に対する同社の一貫した姿勢は評価に値すると言える。
■Key Points
・2023年8月期第1四半期の営業利益は前年同期比31.0%減益となったものの、想定の範囲内
・2023年8月期の営業利益は前期比9.1%減を見込むが、上期が最も厳しく、下期には回復する予想
・中期経営計画では2025年8月期に営業利益55億円を目指す。株主還元にも積極的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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