2023年の大発会は、米株安、円高で大幅安スタート
今年の大発会は、正月連休明けの1月4日(水)から始まりました。この日は、米株安、円高に加えて日銀の第2弾緩和修正が思惑となり、不透明感があることから、一時▲432円の25661円まで売られ、昨年9月30日の25805円(終値25937円)以来、約3ヶ月ぶりの26000円割れとなりました。終値では▲377円の25716円でした。
これは、昨年3月15日の終値25346円以来、ほぼ9ヶ月ぶりの安値水準となりました。
5日(木)は、前日の米国市場で主要3指標がそろって3日ぶりに反発したことで、先物主導で上昇し、一時△230円の25947円まで上昇するものの、その後は戻り売りに押されて上げ幅を縮小し、△103円の25820円で引けました。
6日(金)は、前日の米国市場では、12月ADP雇用統計や新規失業保険申請件数が予想を上回り、FRBによる積極的利上げ見通しが強まったことで、主要3指標そろって反落し、NYダウは▲339ドルの32930ドルだったことで、前場は売り先行となり、▲101円の25719円まで下げて始まりました。その後は円安進行と米株先物高にサポートされ、一時△213円の26034円まで上昇し、終値は△153円の25973円と続伸しました。
週末の引け後の米国市場は、12月雇用統計の就業者数が前月比で増加幅が11月から鈍化し、平均時給伸び率も前月から減速したことで、FRBによる利上げ長期化に対する懸念が後退し、NYダウは△700ドルの33630ドルと急反発しました。為替はドルが売られて、▲1.32円の132.09円となり、シカゴ日経先物は△230円の26160円でした。
2023年度の株式市場を予想しながら今週はどう動くか
昨年は年初からプーチン大統領のウクライナ侵攻に始まり、日米株式市場は波乱の展開となり、全体相場は下値模索の動きとなりました。コロナ対策のため打ち出された各国政府の積極的な財政出動や中央銀行による超金融緩和措置が猛烈なインフレ圧力を生み、これを抑えるためにFRBを始め各国中央銀行は急激な金融引締めに舵を切りました。それが今度は世界経済の景気後退懸念となってマーケットに重くのしかかってきました。
23年度の見通しは、かなりの相場分析家が、年前半は冴えず、年後半から長期的な上昇相場に移るとみています。確かに米国の大発会からの動きをみる限り、経済の実態悪が懸念されており、当面は企業業績の行方を確認しようという動きになりそうです。特に米中対立における中国経済の動きが米国よりハイテク産業への圧力が高まっており、中国経済が弱ければ世界経済も厳しいことになりそうです。
連休明けの今週は、米国の経済指標の動きに左右される展開となります。先週末の6日(金)のアメリカ市場は、12月雇用統計が鈍化したことで、FRBの長期利上げ継続懸念が後退し、NYダウは△700ドルの33630ドルとなり、シカゴ日経先物は26160円と26000円台となっています。
しかし、26000円以上は、上値が重くなるところで重要イベントが多くあり、内容によって上下動となりそうです。国内では、11日発表の11月景気動向指数、13日のオプションSQと日米首脳会談があります。海外では12日発表の中国12月消費者物価指数、13日の12月貿易収支が注目となります。
日経平均が大きく戻るためには、為替で円安が続かなければなりません。為替のドル/円の日足のチャートは、2021年1月4日の102.9円から急角度の上昇トレンドとなっており、昨年2022年の10月21日の150.5円でピークをつけて反落となって、いったん12月5日に134.1円まで下落し、12月14日に138.1円まで戻りをつけて、もみあったあと下放れとなりました。
今年の1月4日に130円まで下げて反発し、もみあっているところです。つまりドルは、12月5日に134.1円の戻り高値をつけて下放れとなって、2021年1月4日の102.4円からの上昇トレンドを切っており、ドル高・円安基調に復帰するには12月14日の138.1円を上回らなければなりません。ここをぬけてドルが買われてくると円安が続き、日経平均も上値が軽くなります。(柴田罫線の為替チャートを参照)
(指標)日経平均
新年初めの週の動きは
1月4日(水)の大発会は、米株安、円高を受け▲259円の25834円で始まり、一時▲432円の25661円まで下げました。終値では▲377円の25716円と26000円割れとなり、昨年3月9日の24681円(終値3月15日の25346円)以来、9ヶ月ぶりの安値となりました。
5日(木)は△103円と反発しました。週末6日(金)は、売り先行で始まるものの、円安歩調と時間外の米株先物が高く、後場には一時△213円の26034円まで上昇し、終値は△153円の25973円でした。
今週の見通し
先週末のアメリカ市場では、12月雇用統計の就業者数の増加数が11月より鈍化したことで、長期利上げ懸念が後退し、NYダウは△700ドルの33630ドルと急反発し、シカゴ日経先物は△230円の26160円となっていました。連休明けの10日(火)は26000円水準で始まると予想されますが、今週は重要イベント多く、26000円台で上値の重い展開となりそうです。戻りを試した場合でも26700円水準は目先のフシとなりそうです。
(指標)NYダウ
新年初めの週の動きは
1月3日(火)の大発会は、IMFが今年の世界経済は昨年より厳しいというコメント。
これを受け3指標そろって小幅下落。NYダウは▲10ドルの33136ドル。4日(水)は、経済指標は強弱まちまちだったが、3指標そろって3日ぶりの反発。NYダウは△133ドルの33269ドル。5日(木)は、強い雇用統計を受け、FRBの利上げ継続見通しが強まり、NYダウは▲339ドルの32930ドル。週末6日(金)は、12月雇用統計で雇用者数の増加が鈍化し、平均時給の伸びも前月比減少したことで、利上げ長期化に対する懸念が後退し、株価は急反発となり、△700ドルの33630ドルと柴田罫線でも短期の買転換となっています。
今週の見通し
企業決算が始まり、高インフレや景気減速により、業績低迷が警戒されており下落要因の可能性には警戒する必要があります。金利ピークアウト観測が浮上して買い材料となる一方で、年内の景気後退懸念は売り材料となるため、上昇は限定的となります。FRBが警戒している賃金の伸びは鈍化しつつありますが、インフレ目標である2%にはまだほど遠く、利上げが必要であるとの見方はでてきます。新年度に入って新規投資は期待できますが、全体としては上昇しづらく戻り売りの対処となります。
(指標)ドル/円
新年初めの週の動きは
6日(金)は、NY市場で、ドル/円は、1ドル=134.77円まで上昇後、132.0円まで反落し、132.15円で引けました。この日は、12月雇用統計の結果によって日米金利差拡大観測から。ドル買い・円売りが加速し、134.77円まで上昇しました。しかし発表された雇用統計は失業率が低下し、雇用者数は前月比より少なくなり、賃金の伸びも予想以上に鈍化したことで、132.00円までドルが売られました。
今週の動き
日銀のこれまで進めてきた大規模金融緩和の段階的修正への思惑は意識されており、円買い圧力は強まります。そのためドルは上げ渋りとなりやすく、米国のインフレケ懸念は弱まる可能性があります。つまりドルは上げ渋りで米インフレ緩和の思惑が強まりそうです。
当面の為替も見通し
為替は2021年1月4日の102.9円からの上昇トレンド(A)をみると、この中で2022年10月21日の151.93円でピークをつけ、12月5日に134円まで下げて、138円まで戻し、もみあったあと下放れとなって、今年の1月4日に130.01円まで下げて反発しています。しかし上昇トレンド(A)を下に切っており、戻しても138円水準が当面の上値のフシとなります。ドル高・円安のトレンドに戻るには、まず138円の突破が必要となります。そうであれば当面、昨年のように円安を武器に日経平均の上昇は当面厳しくなります。
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