「ドル売り介入 VS 日米金利格差」の攻防戦は続く…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/10/25 11:26

◆ 昨日も「ドル売り介入」実施…!? - 一時“4円超”急落


先週末終値から“2円超の上昇”でスタートした昨日でしたが、東京タイム序盤(8時半過ぎ)に突如として“急落(149.701円→145.495円)”に見舞われました。
“わずか10分足らずで4円強”という変動幅を踏まえれば、「ドル売り介入実施」と見るのが妥当といえます。
「介入の有無は公言しない」とされていますので、現時点で定かなことはわかりませんが、それでも『150円超は容認しない』というメッセージとの見方が大勢を占めているのが実状といえます。
このためその後は“149円半ば”では上値が重くなり、一方で“148円半ば”では下値が支えられるという揺れ動きに終始しています。

◆「米大幅利上げのペース鈍化」が現実味を帯びつつある…?


昨日発表の「米製造業/サービス業PMI」では、それぞれが“落ち込み(△2.1の49.9/△2.9の46.6)”を見せています。
これは『次回FOMCで米利上げペース鈍化の是非を検討』という先週末のWSJ紙報道を正当化する内容であり、「米大幅利上げのペース鈍化」が現実味を帯びつつあるといえます。
ただこれを好感したNYダウは“先月12日以来水準(31,499ドル)”へと続伸したものの、米10年債利回りは“高止まり”を続けています。
“株高→米国債売り”が主な要因ですが、この影響にて為替では“決め手に欠く”というのが実状となっています。

「ドル売り介入」少なくとも「その警戒感」に対して、「日米金利格差」からくる「ドル買いニーズ」の攻防は、まだまだ続くと見るのが妥当でしょう。
このため“乱高下(揺れ動き)”も継続すると見ますが、ただ“ドル買い一辺倒”が緩んだのも事実…。
“ドル売り”に転換したかは別にして、目先は“上値の重さ”が先行する展開を想定したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しております。

151.952(10/21高値、大台)
151.000(大台)
150.918(+2σ)
上値5:150.428(10/21~10/24の76.4%戻し)
上値4:150.000(大台)
上値3:149.701(10/24高値)
上値2:149.649(ピボット1stレジスタンス)
上値1:149.463(10/24安値後の戻り高値、10/21~10/24の61.8%戻し水準)
前営業日終値:149.020(大台)
下値1:148.804(+1σ)
下値2:148.724(日足・一目均衡表転換線)
下値3:148.224(10/24安値後の押し目)
下値4:147.947(10/24安値後の38.2%押し、大台)
下値5:147.479(10/24安値後の50%押し)
147.011(10/24安値後の61.8%押し、大台)
146.782(20日移動平均線)
146.443(ピボット1stサポート、10/24安値後の76.4%押し)
146.141(日足・一目均衡表基準線)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想