■ソフト99コーポレーション<4464>の業績動向
3. 財務状況と経営指標
2022年3月期末の総資産は、前期末比1,944百万円増加の59,231百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金・有価証券が725百万円増加したほか、棚卸資産が551百万円増加した。固定資産では新工場建設に伴う建設仮勘定の増加により有形固定資産が1,133百万円増加し、のれんが142百万円、投資有価証券が413百万円それぞれ減少した。
負債合計は前期末比427百万円増加の7,839百万円となった。未払法人税等が125百万円減少した一方で、未払金及び未払費用が385百万円増加したほか、仕入債務が26百万円増加した。また、純資産は同1,517百万円増加の51,391百万円となった。利益剰余金が1,901百万円増加した一方で、自己株式が205百万円増加(減少要因)したほか、その他有価証券評価差額金が227百万円減少したことなどによる。
経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は86.8%と高水準を維持しており、無借金経営でネットキャッシュも20,497百万円と潤沢にあることから、財務基盤は健全な状態にあると言える。また、収益性に関しては営業利益率で13.2%とここ数年来で最高水準に達したほか、ROIC(投下資本利益率)も8.7%と前期から1.0ポイント上昇し、同社が目標とする6%以上を上回っている。ROICを事業セグメント別で見ると、すべての事業セグメントで上昇したが、なかでもポーラスマテリアル事業が前期比2.6ポイント上昇し、全体のROIC改善に寄与した。ROEについても前期の3.1%から5.4%に上昇している。ただ、水準としてはまだ低く、同社の株式時価総額が250億円程度と純資産の約5割の水準にとどまっているのも、資本コストを上回るリターンを得られていないことが一因と考えられる。同社は保有する潤沢な資金(現金及び預金・有価証券+投資有価証券で約270億円)を、M&Aも含めて成長性の見込める事業に投下することでROICを高め、また、資本効率の向上を目的とした自己株式取得等にも充当していくことでROEの向上にも取り組んでいく方針だ。特に、投資に関してはファインケミカル事業における新製品・サービスの開発やポーラスマテリアル事業における新工場建設など積極的に進めており、今後こうした取り組みの成果が収益面で顕在化してくれば、株式市場での評価も変わってくるものと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 財務状況と経営指標
2022年3月期末の総資産は、前期末比1,944百万円増加の59,231百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金・有価証券が725百万円増加したほか、棚卸資産が551百万円増加した。固定資産では新工場建設に伴う建設仮勘定の増加により有形固定資産が1,133百万円増加し、のれんが142百万円、投資有価証券が413百万円それぞれ減少した。
負債合計は前期末比427百万円増加の7,839百万円となった。未払法人税等が125百万円減少した一方で、未払金及び未払費用が385百万円増加したほか、仕入債務が26百万円増加した。また、純資産は同1,517百万円増加の51,391百万円となった。利益剰余金が1,901百万円増加した一方で、自己株式が205百万円増加(減少要因)したほか、その他有価証券評価差額金が227百万円減少したことなどによる。
経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は86.8%と高水準を維持しており、無借金経営でネットキャッシュも20,497百万円と潤沢にあることから、財務基盤は健全な状態にあると言える。また、収益性に関しては営業利益率で13.2%とここ数年来で最高水準に達したほか、ROIC(投下資本利益率)も8.7%と前期から1.0ポイント上昇し、同社が目標とする6%以上を上回っている。ROICを事業セグメント別で見ると、すべての事業セグメントで上昇したが、なかでもポーラスマテリアル事業が前期比2.6ポイント上昇し、全体のROIC改善に寄与した。ROEについても前期の3.1%から5.4%に上昇している。ただ、水準としてはまだ低く、同社の株式時価総額が250億円程度と純資産の約5割の水準にとどまっているのも、資本コストを上回るリターンを得られていないことが一因と考えられる。同社は保有する潤沢な資金(現金及び預金・有価証券+投資有価証券で約270億円)を、M&Aも含めて成長性の見込める事業に投下することでROICを高め、また、資本効率の向上を目的とした自己株式取得等にも充当していくことでROEの向上にも取り組んでいく方針だ。特に、投資に関してはファインケミカル事業における新製品・サービスの開発やポーラスマテリアル事業における新工場建設など積極的に進めており、今後こうした取り組みの成果が収益面で顕在化してくれば、株式市場での評価も変わってくるものと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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