■要約
C&Gシステムズ<6633>は金型用CAD/CAMシステムの専業メーカーで国内シェアは20%(推定)を誇る。大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで顧客数は約7,000事業所に上る。
1. 2021年12月期:コロナ禍からの反動もあり43.9%の営業増益
2021年12月期決算は、売上高が3,744百万円(前期比1.6%増)、営業利益が276百万円(同43.9%増)、経常利益が377百万円(同142.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が218百万円(同262.1%増)となった。前期が新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を大きく受けて低調であったことから前期比の伸び率は大きくなっているが、期初予想に対しても上回る結果であった。セグメント別では、主力のCAD/CAMシステム等事業の国内は、上期はコロナ禍の影響により抑制されていた設備投資が持ち直したことにより堅調に推移、下期はコロナ禍の影響を受けてやや失速したが通期では増収増益となった。海外CAD/CAMは、半導体分野での需要が好調に推移した韓国に加えて、ベトナム、欧州等でも堅調に推移した。一方で金型製造事業は、上期の受注環境が改善したことにより業績は下期に回復したものの、物流の混乱による金型輸送コスト上昇等が影響し年間では減収減益となった。
2. 2022年12月期通期予想:営業利益は前期比8.0%増予想
同社は現時点で2022年12月期業績について、売上高3,949百万円(前期比5.5%増)、営業利益298百万円(同8.0%増)、経常利益327百万円(同13.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益219百万円(同0.1%増)を見込んでいる。CAD/CAMシステム等事業では、自動車業界等の設備投資意欲は強く、工作機械業界の受注も高水準だが、半導体不足などによって納期が延びていることから同社製品の売上動向は不透明。金型製造事業では、原材料費の高騰が厳しく、主要顧客である日系自動車メーカーの動向が見通し難いことから減収減益を予想している。これらの状況から、通年では連結で増収、営業利益ベースで増益を予想している。
3. 安定した既存収益源の拡充に加え次世代収益源を育成
同社では中長期事業方針として、1)基幹収益源の拡張、2)金型隣接市場(部品加工)向け製品の展開、3)技術の深耕(「AIQ」の拡充)、4)研究開発の推進という4つの柱を掲げている。以前から掲げていた6つの方針を集約したものである。足元の業績はコロナ禍の影響でやや足踏み状態となっているが、これらの事業方針は今後も継続して推進する計画だ。また「高付加価値商品」「高付加価値機能」の提供を目指して研究開発部門を新設しており、今後の動向が注目される。
■Key Points
・金型用CAD/CAMシステム専業メーカーで国内シェア20%(推定)、顧客数は約7,000事業所
・2022年12月期の営業利益は前期比8.0%増と固めの予想
・中長期事業方針は継続:主に4つの分野の拡充で成長を図る。今後を見据えて研究開発部門を新設済み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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C&Gシステムズ<6633>は金型用CAD/CAMシステムの専業メーカーで国内シェアは20%(推定)を誇る。大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで顧客数は約7,000事業所に上る。
1. 2021年12月期:コロナ禍からの反動もあり43.9%の営業増益
2021年12月期決算は、売上高が3,744百万円(前期比1.6%増)、営業利益が276百万円(同43.9%増)、経常利益が377百万円(同142.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が218百万円(同262.1%増)となった。前期が新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を大きく受けて低調であったことから前期比の伸び率は大きくなっているが、期初予想に対しても上回る結果であった。セグメント別では、主力のCAD/CAMシステム等事業の国内は、上期はコロナ禍の影響により抑制されていた設備投資が持ち直したことにより堅調に推移、下期はコロナ禍の影響を受けてやや失速したが通期では増収増益となった。海外CAD/CAMは、半導体分野での需要が好調に推移した韓国に加えて、ベトナム、欧州等でも堅調に推移した。一方で金型製造事業は、上期の受注環境が改善したことにより業績は下期に回復したものの、物流の混乱による金型輸送コスト上昇等が影響し年間では減収減益となった。
2. 2022年12月期通期予想:営業利益は前期比8.0%増予想
同社は現時点で2022年12月期業績について、売上高3,949百万円(前期比5.5%増)、営業利益298百万円(同8.0%増)、経常利益327百万円(同13.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益219百万円(同0.1%増)を見込んでいる。CAD/CAMシステム等事業では、自動車業界等の設備投資意欲は強く、工作機械業界の受注も高水準だが、半導体不足などによって納期が延びていることから同社製品の売上動向は不透明。金型製造事業では、原材料費の高騰が厳しく、主要顧客である日系自動車メーカーの動向が見通し難いことから減収減益を予想している。これらの状況から、通年では連結で増収、営業利益ベースで増益を予想している。
3. 安定した既存収益源の拡充に加え次世代収益源を育成
同社では中長期事業方針として、1)基幹収益源の拡張、2)金型隣接市場(部品加工)向け製品の展開、3)技術の深耕(「AIQ」の拡充)、4)研究開発の推進という4つの柱を掲げている。以前から掲げていた6つの方針を集約したものである。足元の業績はコロナ禍の影響でやや足踏み状態となっているが、これらの事業方針は今後も継続して推進する計画だ。また「高付加価値商品」「高付加価値機能」の提供を目指して研究開発部門を新設しており、今後の動向が注目される。
■Key Points
・金型用CAD/CAMシステム専業メーカーで国内シェア20%(推定)、顧客数は約7,000事業所
・2022年12月期の営業利益は前期比8.0%増と固めの予想
・中長期事業方針は継続:主に4つの分野の拡充で成長を図る。今後を見据えて研究開発部門を新設済み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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