下方の窓下限の攻防が焦点
昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株 30 種平均は 6.26 ドル安の 35603.08、ナスダック総合指数は 94.02 ポイント高の 15215.70 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28520 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。
昨日の日経平均はわずかに窓を空けて下落。弱気相場に突入しており、先安観が強まっている。下値メドとして意識されていた下方の窓に一部到達したものの、現時点で強い達成感は出ていない。本日は引き続き下落することで、この窓を明確に埋めることになりそうだ。
株価下落の要因となったのが、中国・恒大集団の株価の急落。売買が再開されたことで、その動きが注目されていた。ただ、これはすでに分かっていた事実であり、どうも先物への仕掛け売りの影響が大きい。その理由となりそうなのが、国内の政治情勢への警戒感だ。31 日の総選挙が迫るなか、「衆院での自民単独過半数が微妙」とも報じられている。もし、与党が負けるようなことがあれば、これは政治リスクが強く意識されることになる。「すわっ、また野党政権の誕生か!」と、確率は低いものの、投資家は警戒することになるのだ。これが株価の押し下げ要因となっている可能性がある。
本日の日経平均は軟調スタートとなることで、下方の窓下限(28576.68 円)との攻防が焦点となりそうだ。もし、窓下限に到達することになれば、株価と窓の位置関係が逆転。一転して上昇しやすい需給へと変化する。売り一巡後に急速に下げ渋ることが予想され、実際にそうなるのか見極めることになる。もし、そうならずにズルズルと下げることになれば、それはまさに致命的な動き。相場が何らかの悪材料を織り込みに行っている公算が大きい。投資家は「売りポジション」を維持せざるを得なくなり、その「深度」を推し測ることになる。
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