■NECキャピタルソリューション<8793>の業績動向
2. 事業別業績動向
セグメント業績においては、賃貸・割賦事業の売上高は営業資産残高の増加に伴い192,573百万円(前期比10.1%増)、売上総利益は12,027百万円(同9.3%増)。営業利益は売上高の増加により、3,557百万円(同25.3%増)だった。契約実行高では2,391億円(同0.3%増)、成約高は2,515億円(同4.6%増)であり、要因としては前年にWindows10の更新需要を背景とした情報通信機器の大幅な増加等がありその反動があったものの、コロナ禍におけるICT需要を着実に取り込んだことによる。
業種別契約実行高比率は、官公庁58.8%、民需(サービス業、流通業、製造業、その他)41.2%となり、機種別契約実行高比率においては、情報通信機器(電子計算機及び関連装置、ソフトウェア、通信機器及び関連装置)79.5%、事務用機器・その他20.5%となる。
ファイナンス事業においては、売上高は6,617百万円(前期比9.2%減)だったものの、資産原価の減少などにより売上総利益は5,712百万円(同0.1%減)と前期並みの水準。営業利益は与信関連費用の計上により、2,677百万円(同13.8%減)だった。契約実行高は3,698億円(同24.0%減)、成約高は3,692億円(同24.1%減)となり、これは主に、顧客の売掛債権等の減少に伴い、ファクタリングの対象となる債権残高が減少したことや、大型案件の減少によるもの。
リサ事業においては、売上高は6,801百万円(前期比57.9%減)、売上総利益は5,216百万円(同40.2%減)と前期にファンドによる大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却などを計上したことにより、前期を下回る結果に。営業利益は売上総利益の減少により、955百万円(同76.4%減)だった。ただし、不動産ビジネスなどの先行費用を計上したことにより、第3四半期累計期間では営業損失となっていたが、第4四半期において不動産の売却収益などを計上したことにより、第3四半期までの営業赤字は解消されている。
内訳は、アセットビジネスは前年にファンドのEXIT案件が複数あったことから、売上高51億円(前期比50.8%減)、売上総利益は37億円(同29.1%減)、営業利益は14億円(同48.3%減)だった。不動産では前年に大型の販売用不動産の売却があったことから、売上高10億円(前期比80.3%減)、売上総利益は8億円(同71.0%減)、営業利益は4億円(同83.2%減)だった。アドバイザリーは売上高7億円(前期比19.7%増)、売上総利益は7億円(同19.8%増)、営業利益は2億円(前期は0百万円)だった。手数料収入等の増加により売上総利益が増加している。
その他の事業においては、売上高は15,312百万円(前期比31.8%減)、売上総利益は2,904百万円(同32.5%増)だった。前年に大型売却があったため売上高は減少したものの、収益物件の売却やヘルスケア賃料収入の獲得、太陽光売電売上の増加などにより売上高総利益は増加。営業利益は売上総利益の増加により、397百万円(前期は130百万円の赤字)だった。
3. 営業資産残高の状況
2021年3月期の営業資産残高は953,841百万円となり、前期比で55,571百万円の増加(6.2%増)となった。内訳としては賃貸・割賦事業においてGIGAスクール案件やテレワーク需要を取り込み官公庁・民需共に伸長し、前期比53,234百万円の増加となった。米国子会社買収も寄与している。賃貸・割賦事業は長期的に安定的した収益を稼げるアセットビジネスであるため、先行きの安定した収益に貢献することになる。ファイナンス事業は企業融資が減少し同17,036百万円の減少となった。リサ事業においては営業投資有価証券などの増加により同13,588百万円の増加。その他の事業ではヘルスケア施設の取得などで同5,786百万円の増加となった。足元の事業規模拡大による営業資産残高の伸びからは、今期においては1兆円に増やしてくる可能性が高いと弊社では考えている。
与信関連費用については、コロナ禍の影響を考慮して計上しており、前年並みの水準となる。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<AS>
2. 事業別業績動向
セグメント業績においては、賃貸・割賦事業の売上高は営業資産残高の増加に伴い192,573百万円(前期比10.1%増)、売上総利益は12,027百万円(同9.3%増)。営業利益は売上高の増加により、3,557百万円(同25.3%増)だった。契約実行高では2,391億円(同0.3%増)、成約高は2,515億円(同4.6%増)であり、要因としては前年にWindows10の更新需要を背景とした情報通信機器の大幅な増加等がありその反動があったものの、コロナ禍におけるICT需要を着実に取り込んだことによる。
業種別契約実行高比率は、官公庁58.8%、民需(サービス業、流通業、製造業、その他)41.2%となり、機種別契約実行高比率においては、情報通信機器(電子計算機及び関連装置、ソフトウェア、通信機器及び関連装置)79.5%、事務用機器・その他20.5%となる。
ファイナンス事業においては、売上高は6,617百万円(前期比9.2%減)だったものの、資産原価の減少などにより売上総利益は5,712百万円(同0.1%減)と前期並みの水準。営業利益は与信関連費用の計上により、2,677百万円(同13.8%減)だった。契約実行高は3,698億円(同24.0%減)、成約高は3,692億円(同24.1%減)となり、これは主に、顧客の売掛債権等の減少に伴い、ファクタリングの対象となる債権残高が減少したことや、大型案件の減少によるもの。
リサ事業においては、売上高は6,801百万円(前期比57.9%減)、売上総利益は5,216百万円(同40.2%減)と前期にファンドによる大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却などを計上したことにより、前期を下回る結果に。営業利益は売上総利益の減少により、955百万円(同76.4%減)だった。ただし、不動産ビジネスなどの先行費用を計上したことにより、第3四半期累計期間では営業損失となっていたが、第4四半期において不動産の売却収益などを計上したことにより、第3四半期までの営業赤字は解消されている。
内訳は、アセットビジネスは前年にファンドのEXIT案件が複数あったことから、売上高51億円(前期比50.8%減)、売上総利益は37億円(同29.1%減)、営業利益は14億円(同48.3%減)だった。不動産では前年に大型の販売用不動産の売却があったことから、売上高10億円(前期比80.3%減)、売上総利益は8億円(同71.0%減)、営業利益は4億円(同83.2%減)だった。アドバイザリーは売上高7億円(前期比19.7%増)、売上総利益は7億円(同19.8%増)、営業利益は2億円(前期は0百万円)だった。手数料収入等の増加により売上総利益が増加している。
その他の事業においては、売上高は15,312百万円(前期比31.8%減)、売上総利益は2,904百万円(同32.5%増)だった。前年に大型売却があったため売上高は減少したものの、収益物件の売却やヘルスケア賃料収入の獲得、太陽光売電売上の増加などにより売上高総利益は増加。営業利益は売上総利益の増加により、397百万円(前期は130百万円の赤字)だった。
3. 営業資産残高の状況
2021年3月期の営業資産残高は953,841百万円となり、前期比で55,571百万円の増加(6.2%増)となった。内訳としては賃貸・割賦事業においてGIGAスクール案件やテレワーク需要を取り込み官公庁・民需共に伸長し、前期比53,234百万円の増加となった。米国子会社買収も寄与している。賃貸・割賦事業は長期的に安定的した収益を稼げるアセットビジネスであるため、先行きの安定した収益に貢献することになる。ファイナンス事業は企業融資が減少し同17,036百万円の減少となった。リサ事業においては営業投資有価証券などの増加により同13,588百万円の増加。その他の事業ではヘルスケア施設の取得などで同5,786百万円の増加となった。足元の事業規模拡大による営業資産残高の伸びからは、今期においては1兆円に増やしてくる可能性が高いと弊社では考えている。
与信関連費用については、コロナ禍の影響を考慮して計上しており、前年並みの水準となる。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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