ゴールデンウィークを含む2週間は、前半軟調だが後半は2日で戻りを試す
先々週(4月26日~30日)の予測では、29000円を中心としたもみあいで28500~29500円のレンジの中の動きとしました。これまでの経験則では、ゴールデンウィークに向かって上昇という確率が高かったが、今回は難しいとしました。それは、新型コロナ感染拡大を防止する非常事態宣言の発令にもかかわらず、人の流れは減少せず感染者が拡大しているところへの警戒感があるためです。
結果的には、連休を前にして手控えムードが強まり、ポジション調整の売り圧力も強まり、日経平均は29000円を中心に高安を日々交互に繰り返す方向性の定まらない展開が続きました。先々週末には一気に手仕舞い売りが出て▲241円の28812円と29000円を割り込んで引けました。
先週は本格的なゴールデンウィークに入り、営業は5月6日(木)から2日となり、この日の米国市場は、ナスダックは軟調が続いたものの、NYダウは5月6日(木)までは、4日続伸で連日の最高値更新でした。
連休明けの6日(木)の日経平均は、前日のNYダウがイエレン財務長官のインフレ問題を懸念していないと明確な発言をしたことで、インフレや利上げへの警戒感が後退し、4月16日以来の史上最高値を更新したことで、一時△617円の29430円まで上昇し、終値は△518円の29331円と大幅反発しました。週末の7日(金)は、非常事態宣言が今月末までの延長と追加の地域が加わる予定となったことで、株価は反落が予想されましたが、しっかりした動きで△26円の29357円で引けました。但し、米国での4月雇用統計の発表を控え様子見ムードもありました。
日経平均は、2日間で予想外の大きな上昇となりましたが、チャート(柴田罫線も同様)をみると、2月高値から上値を切り下げているものの、逆に4月21日の直近の安値28419円からは下値を切り上げており、三角保ち合いが煮詰まりつつある形となっています。何かキッカケ次第で上下どちらかにふれる可能性があります。
週末の日本市場の引け後の米国市場は、注目の4月雇用統計では、非農業部門雇用者数は市場予想の97.8万人を大きく下回る26.6万人と減少し、失業率が3月の6.0%から5.8%への低下が、逆に6.1%と増加し悪化しました。しかし、これが逆に金融緩和長期化観測期待となって、株価の支援となりNYダウは3日連続の史上最高値更新となり、S&P500も3日続伸で6営業日ぶりの史上最高値更新となりました。為替は1ドル=108.58円の円高となったことで、シカゴの日経先物は△20円の29410円となっています。
今週は、緊急事態宣言延長で経済停滞を懸念し、29000円台でのもみあいか
4月始めの予想では、経験則(アノマリー)では、ゴールデンウィークに向けて株価は高いとしましたが、今週は新型コロナによる第4波に対する非常事態宣言が継続し、米株も一時軟調だったこともあり、4月21日には28419円まで下落し、そこから反発するも上値の重い展開となっていました。しかし、連休明けの6日(木)は、政府は、4都府県に発令している緊急事態宣言を月末まで延長する方針を固めたこと報じられたものの、株価は△518円の29331円と大幅高となりました。
この大幅上昇の背景には、1つは溜まっていたショートカバー(買い戻し)とワクチン接種の普及に伴う経済正常化を期待した部分があります、日本の接種率は2%と先進国では最低ですが、大手証券会社のレポートでは「ワクチン接種率が10%に達すると株価は上昇に弾みがつく」というものがあり、5月連休明けから高齢者などへのワクチン接種が本格化することになりますので、株価の大幅上昇は、これを先取りしているのかもしれません。
4月の連休前の上昇は不発に終りました。米国の格言の1つに「株は4月に買って5月に売れ」というものがありますが、4月に買われていないので、5月はゆるやかな上昇となり、「ボーナス月の6月に高値」という次のアノマリーに向けた上昇があるかもしれません。それには上述したようなワクチン接種の普及のスピードがポイントとなります。
日経平均のチャートは、目先的には3月24日の28379円を安値とし、4月6日の30208円を高値とする三角保ち合いになっており、この中で煮詰まって、25日移動平均線(6日時点29411円)にさしかかったところです。まだ、あや戻しで往来相場が続くこともありますが、3万円を回復して6月高値に向かうには、まず25日移動平均線を確実に突破して、4月6日の30208円をぬく必要があります。これが実現するためには、NYダウが史上最高値を更新するような堅調な動きを続けることや、ハイテク株中心のナスダックが調整を終えて出直ることが前提となります。今月末まで緊急事態宣言延長で12日から新たに愛知と福岡の2県も追加されることになり、経済活動の停滞は懸念されるので企業決算を睨んだ個別株物色が中心となりそうです。
本日10日(月)は寄り付きは、米4月雇用統計の結果を受け、米金融緩和が継続するとの見方から、前週末の米国株式が上昇し、これが支えとなって寄り付きは小幅高で寄り付き、その後は急速に上げ幅を拡大しました。その後も時間外取引の米株価指数先物高が後押しし、株価指数先物買いを交えに上げ幅を広げましたが、利益確定売りに伸び悩む場面もありましたが、大引けにかけては29500円近辺でもみ合い、主要企業の決算発表が続き、結果を見極めたとの空気もあり手控えムードが強まり、大引けは△160円の29518円と4月19日以来の29500円台回復となりました。
(指標)日経平均
先々週(4月26~30日)は、予想通り29000円をはさんだもみあいの展開となりました。3月決算の発表が本格化することや、非常事態宣言にかかわらず感染者は減少せず、警戒感から手控えムードでした。連休前のポジション調整もあり、週末は▲241円の28812円と29000円を割り込みました。
ゴールデンウィーク中の米国市場は、NYダウが好調さを続け、日本市場の連休明けの5月6日(木)は、前日のNYダウが最高値を更新し、これを受けて前週末に大きく下げていた日経平均は反動高も加わって、一時、△617円の29430円まで上昇し、終値は△518円の29331円と大幅反発となりました。週末も利益確定売りに押される場面もあるものの、△26円の29357円で引けました。
先週は2営業日しかありませんでしたが、ゴールデンウィーク明けの6日(木)は、△518円の29331円と大きく上げ、7日(金)も△118円の29449円まで上昇し、△26円の29357円で引けました。
柴田罫線でもわかりますように、目先は3月24日の28379円を安値とし、4月6日の30208円を高値とする三角保ち合いの中の動きとなって煮詰まりつつあります。日経平均の日足チャートは、25日移動平均線(6時時点29411円)に差し掛かったところであり、25日線を明確に上にぬけて、まず、4月6日の30208円を上回れば、6月高値も期待できます。しかし、その前提は米株式が上昇を継続するという前提が必要です。今週は緊急事態宣言の月末までの延長と12日から愛知と福岡が追加されますので、経済活動の停滞懸念で29000円台のでもみあいとなる可能性があります。
(指標)NYダウ
前週は、ハイテク株が軟調な動きとなってナスダックを中心に冴えない展開でした。しかし、先週はNYダウは5日続伸し、3日連続の最高値更新となって5月7日(金)は、34811ドルまで上昇して、終値は34777ドルで引けました。4月雇用統計が予想を大きく下回りましたが、逆に金融緩和長期化観測から金利が低下し、株が買われる状況となりました。
主要な州でパンデミック対応のため設定された規制もほぼ全てが今週中に解除される予定のため、労働市場や景気の回復にさらに拍車がかかりそうです。経済活動の再開につれて景気循環株が引き続き相場の上昇を支えることになりそうです。FRBは金融緩和策縮小の考え方は示さず、当面、大規模緩和を維持するとみられ株式の上昇をサポートすることになります。
(指標)ドル/円
先週は、米国経済の早期正常化への期待が高まり、ドルは強含みの動きとなりました。バイデン大統領のキャピタルゲイン増税が修正なしで法制化される可能性は低く、ドル売り・円買いが縮小し、逆にワクチン接種拡大によって経済の早期正常化期待から5月3日には109.70円までドルが買われました。5月7日は、4月雇用統計が予想を大きく下回ったことでドル売り優勢となり、108.59円で引けました。
今週のドル・円は、底堅い動きが想定されます。先週発表の4月雇用統計は予想を下回ったことで、FRBの長期金融緩和観測の維持から、ドルが売られましたが、今週は経済指標が好調ならば経済正常化期待がさらに高まり、ドル買い・円売りが継続することになります。4月の消費者信頼感指数が市場予想を下回れば、ドル安にふれる可能性もありますが、一方で4月小売売上高が予想を上回ればドル買い・円売りが高まります。
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