■要約
1. 2021年8月期第2四半期(実績)
ナガイレーベン<7447>は国内シェア60%超を持つ医療白衣のトップメーカーであり、高い利益率と堅固な財務内容を誇っている。2021年8月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比14.4%増の8,069百万円、営業利益が同30.8%増の2,275百万円、経常利益が同29.5%増の2,322百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同29.1%増の1,595百万円となった。売上高は、2020年8月期からの期ずれ物件を着実に取り込んだこと、厚生労働省向けの特需(感染対策商品315百万円)があったことなどから前年同期比で大幅な増収となった。利益面では、為替レートが前年同期比でやや円高となった一方で海外生産比率は前年同期並みであったことなどから、売上総利益率は前年同期比0.2ポイント低下したが、増収効果によって売上総利益は同13.9%増となった。加えて販管費が引き続き前年同期比で減少したことなどから、営業利益は大幅に増加した。厚生労働省向けの特需などは期初から予想されていたこともあり、2021年8月期上期は前年同期比で増益を見込んでいたが、計画比でも売上高は5.4%増、営業利益は12.6%増と上振れて着地した。
2. 2021年8月期(予想)
2021年8月期の連結業績は、売上高が前期比1.4%増の17,300百万円、営業利益が同2.7%増の5,068百万円、経常利益が同2.2%増の5,140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.3%増の3,518百万円とする期初予想を据え置いている。厚生労働省向けの特需(2020年8月期第4四半期から2021年8月期第1四半期に発生)は2021年8月期第2四半期には剥落すること、今後も新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が不透明であることなどから通期予想は据え置いている。しかしながら、2021年8月期第2四半期が計画比を上回って着地したこと、足元では円安が進行しているものの2021年8月期の為替は既に先物予約されていることなどを考慮すれば、予想を上回る可能性は高そうだ。
3. 中期経営計画
同社はこれまで、終了した決算期の実績をもとにしてその後3ヶ年の中期経営計画を発表してきた。しかし現在は、依然として各医療機関の混乱が続いていることから、現時点で3年先の予想を算定することは困難であると判断し、中期経営計画の数値発表を見送った。今後、市場環境等の見通しが改善し合理的な算定を行えるようになった時点で改めて発表する予定だ。一方で、株主還元の姿勢は変わらず、2020年8月期は年間60.0円の配当、2021年8月期も同額の配当を予定しており、自己株式の取得も前向きに検討していく計画だ。このような株主還元に対する同社の一貫した姿勢は評価に値するだろう。
■Key Points
・2021年8月期第2四半期は期ずれ物件の取り込みや厚生労働省向け特需で前年同期比30.8%の営業増益で着地
・2021年8月期通期は増収増益・営業利益は前期比2.7%増を見込んでいるものの、予想を上回る可能性が高い
・2021年8月期も年間配当60.0円を予定、自己株式の取得も含めて株主還元には積極的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2021年8月期第2四半期(実績)
ナガイレーベン<7447>は国内シェア60%超を持つ医療白衣のトップメーカーであり、高い利益率と堅固な財務内容を誇っている。2021年8月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比14.4%増の8,069百万円、営業利益が同30.8%増の2,275百万円、経常利益が同29.5%増の2,322百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同29.1%増の1,595百万円となった。売上高は、2020年8月期からの期ずれ物件を着実に取り込んだこと、厚生労働省向けの特需(感染対策商品315百万円)があったことなどから前年同期比で大幅な増収となった。利益面では、為替レートが前年同期比でやや円高となった一方で海外生産比率は前年同期並みであったことなどから、売上総利益率は前年同期比0.2ポイント低下したが、増収効果によって売上総利益は同13.9%増となった。加えて販管費が引き続き前年同期比で減少したことなどから、営業利益は大幅に増加した。厚生労働省向けの特需などは期初から予想されていたこともあり、2021年8月期上期は前年同期比で増益を見込んでいたが、計画比でも売上高は5.4%増、営業利益は12.6%増と上振れて着地した。
2. 2021年8月期(予想)
2021年8月期の連結業績は、売上高が前期比1.4%増の17,300百万円、営業利益が同2.7%増の5,068百万円、経常利益が同2.2%増の5,140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.3%増の3,518百万円とする期初予想を据え置いている。厚生労働省向けの特需(2020年8月期第4四半期から2021年8月期第1四半期に発生)は2021年8月期第2四半期には剥落すること、今後も新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が不透明であることなどから通期予想は据え置いている。しかしながら、2021年8月期第2四半期が計画比を上回って着地したこと、足元では円安が進行しているものの2021年8月期の為替は既に先物予約されていることなどを考慮すれば、予想を上回る可能性は高そうだ。
3. 中期経営計画
同社はこれまで、終了した決算期の実績をもとにしてその後3ヶ年の中期経営計画を発表してきた。しかし現在は、依然として各医療機関の混乱が続いていることから、現時点で3年先の予想を算定することは困難であると判断し、中期経営計画の数値発表を見送った。今後、市場環境等の見通しが改善し合理的な算定を行えるようになった時点で改めて発表する予定だ。一方で、株主還元の姿勢は変わらず、2020年8月期は年間60.0円の配当、2021年8月期も同額の配当を予定しており、自己株式の取得も前向きに検討していく計画だ。このような株主還元に対する同社の一貫した姿勢は評価に値するだろう。
■Key Points
・2021年8月期第2四半期は期ずれ物件の取り込みや厚生労働省向け特需で前年同期比30.8%の営業増益で着地
・2021年8月期通期は増収増益・営業利益は前期比2.7%増を見込んでいるものの、予想を上回る可能性が高い
・2021年8月期も年間配当60.0円を予定、自己株式の取得も含めて株主還元には積極的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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