豪ドル/円、約3年ぶりの「85円台」示現となるか

著者:津田隆光
投稿:2021/03/12 10:06

強気相場継続を示唆するチャート形状

豪ドル/円・日足・複合チャート
豪ドル/円・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】「85.000円」突破成否
【見通し1】同レート上抜け突破なら、上昇モメンタムがもう一段強まる起点に
【見通し2】同レート付近上値抑制なら、「83.000円」付近までの下押しも

直近高値となる「84.925円」(2/25 当社Bid値、上図赤色三角印)を付けた後、「反省相場」(上図赤色丸印)の時間帯である旨を記載した豪ドル/円ですが、足もとでは「先行1スパン付近での下値固め」→「再度上値トライ」の相場展開となっています。

上図チャートを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること、3) ローソク足の下方に青色の雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして、4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、豪ドル/円・日足チャートでは、緩やかな上昇トレンドを示唆するチャート形状となっています。

その他メルクマールでは、a) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”となっていること、また、b) BB・±2σラインが21日MAに対してパラレルとなっていることを合わせると、豪ドル/円は、徐々に上値を切り上げる相場付きとなりそうです。

喫緊のポイントは、心理的水準レートである「85.000円」(上図水色線)を上抜け突破するか否か。

これからの時間にかけて、仮に同レートを終値ベースで上抜け突破した場合は、2018年2月以来、約3年ぶりの「85円台示現」となります。その場合は、「心理的水準超え」→「買い方フェイバー(優勢)/売り方アゲインスト(劣勢)」の“踏み上げ”※も伴いながら、豪ドル/円の上昇モメンタムがもう一段強まる起点となりそうです。(※踏み上げ:損失覚悟の買い戻しを巻き込んだ上昇フローのこと)

一方で、同レート付近で上値が抑制される動きとなった場合は、「上値固め」→「一旦の下押し」となる可能性も。その場合は、ローソク足のBB・+1σライン割れである“上昇バンドウォーク崩れ”も伴いながら、先行1スパン(≒83.000円)付近までの下押しを想定すべきでしょう。12日時点における青色の雲の上下辺(先行1・2スパン)は比較的大きな乖離があることから、そのケースでは「下値しっかり継続」を想定し、押し目買いを実施するのも一案でしょう。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想