◆ 期待したトーンではなく… - “108円”到達
想定したよりも大きかった“さらなる上値追い”…。
注目の「パウエルFRB議長講演」は、マーケットが期待するほどのトーンではありませんでした。
『当局として金融環境を注視』
『目標にはまだ程遠い』
『年内の完全雇用達成は困難』
『2%を大きく超す水準に留まることは確実にない』
『無秩序な動きにならない限り、積極的に金融抑制する意向はない』
“懸念”こそ示されたものの、“強いけん制”とはならず、“具体的な言及”も見られませんでした。
このため「米10年国債利回りは急上昇(1.45%→1.56%)」を見せる中、“金利選好→ドル買い”がマーケットを席巻しました。
一方で「米主要3指数は下落」を見せたものの、“リスク回避→円買い”が目立つことはありませんでした。
こうして想定していた“20/7/20高値(107.526円)”を一気に突破すると、NYタイム終盤には“2020/7/1以来の高値(107.980円)”へと駆け上がり、そして東京タイム序盤には“108円台”へと到達しています。
◆ “上昇往き過ぎ”が囃されやすいところだが…?
「早過ぎる上昇スピード」「週末の5・10日」「米雇用統計を控えたスケジュール感」を考えれば、一旦は“上昇往き過ぎ→利益確定売り”が囃されると見るのが自然です。
しかし「日米金利格差拡大」への思惑は根強いものがあり、「コロナワクチン接種率(米国は24%を突破、対して日本はこれから…)」も意識されています。
となれば、「ドル買い(円売り)に安心感」が台頭してもおかしくない…?
次なる上値メドと見られるのは、テクニカル的に重要な“20/7/1高値(108.162円)”です。
“押さえられやすい”反面、突破すると“さらなる上値追い”が期待される分水嶺…。
引き続き「米国債利回り動向」「株価動向」を睨み、“(短期的な)上昇往き過ぎ”にも意識を向けながらにはなりますが、期待は募るばかりです。
段落title:◆ ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:108.743(100月移動平均線)
上値4:108.664(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:108.542(20/6/9高値)
上値2:108.321(ピボット1stレジスタンス)
上値1:108.162(20/7/1高値)
前営業日終値:107.978(大台)
下値1:107.855(+2σ)
下値2:107.604(3/4安値後の38.2%押し)
下値3:107.480(3/4安値後の50%押し)
下値4:107.356(3/4安値後の61.8%押し)
下値5:107.252(100週移動平均線、2/23~3/4の23.6%押し、ピボット1stサポート)
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