「健全な利食い売り、下方の窓埋めを拒否」~黒岩の眼(夕刊)

著者:黒岩泰
投稿:2021/02/17 18:32

投資家は引き続き「上目線」

http://chart.fisco.co.jp/madoc

 本日の日経平均は 175.56 円安の 30292.19 円で取引を終了した。朝方から利食い売りが優勢となり、終始、軟調な値動き。前日までの急騰の反動もあり、さえない動きとなった。

 日経平均の日足チャートでは、短い下影陰線が出現。おおむね売りが優勢だったものの、安値圏では買いが入っている。下方に空いている窓埋めを拒否しており、それが相場の強さを示している。

  「窓・ひげ理論」では短期的に下方の窓を埋めやすい状態に変化はない。ただ、この窓を埋めずに上昇した場合には、「潜在的な上昇力」の大きさを示唆する。株価は近くにある窓を埋める習性があり、それを拒否する動きとなるからだ。それだけ「軸」が上向きに傾いており、そういった強い動きが表れる可能性がある。

 トレンドにまったく変化が見られないことから、投資家は引き続き「買い姿勢」を維持するしかない。一部のハイテク株には利食い売りが出たものの、商社株などには積極的な買いが入っている。「健全な循環物色」が行われており、そういった安心感もあるだろう。東証一部の売買代金は2兆 7000 億円程度。極端な過熱感は存在せず、「相場の持続性」を示唆している。短期的には下方の窓を埋めるリスクはあるが、投資家は引き続き「上目線」でいたい。

<マーケット・ストーリー>
子供たちが大きく飛び跳ねるもので、ふわふわ怪獣バランスをやや崩した。親たちはこのまま無事、着地することを望んでいるが、その思いとは裏腹、子供たちの期待は高まるばかりだ。「もっともっと上がれ!」と、場内に甲高い声が響き渡っている――。

黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想