NYコラム(28日)ダウ平均は買い戻し先行でスタートへ−アップル決算はアナリスト予想を下回る

著者:加藤裕一
投稿:2021/01/28 23:27

NY株式市場(28日)10−12月期GDPは市場予想を下回る−連日急騰のゲームストップ株の動向を注視

28日のニューヨーク株式市場でダウ平均は買い戻し先行で取引が始まりそうだ。

ダウ平均は、前日に600ドル超安となった反動から、ひとまず押し目を拾う動きが先行しよう。ダウ平均は寄り付きで、前日の急落局面で割り込んだ節目の3万500ドルや前日の下げ幅(633ドル)の半値戻し水準(3万619ドル)付近が目先的な戻りの目処となりろう。

取引開始前に発表された週間ベースの新規失業保険申請件数は、84万7000件と市場予想(87万5000件)を下回るとともに前週実績(91万4000件)から改善したことは好感されそう。

前日の急落要因となったゲームストップ株をめぐる個人投資家らのマネーゲーム的な動きを注視する必要があろう。ロビンフット証券はゲームストップ株の取引制限を行ったという。時間外取引で急上昇後に失速しているゲームストップ株の動向次第で投資家心理の方向性が決定付けられそうな側面もあろう。

ただ、マクロ経済指標では、取引開始前に発表された10-12月期GDP速報値は前期比・年率換算で4%増と市場予想(4.2%増)を下回ったほか、ミクロ面では本格化している主力企業の決算発表で、前日に決算発表したアップルとテスラが相次いでアナリスト予想を下回る低調な業績を発表したことから、個別に業績動向に応じた選別物色の動きは一段と鮮明となりそうな1日となる。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想