2021年は緩やかなドル安か【フィスコ・コラム】

配信元:フィスコ
投稿:2020/12/06 09:00
新型コロナウイルスに揺れた2020年も残り1カ月弱。米連邦準備理事会(FRB)の長期的な金融緩和方針を背景に、来年はすでにドル安が市場コンセンサスになっています。それがどのぐらいのペースで進むか、がテーマになりそうです。


今年の年明けから11月末までのドル・円は、コロナショックで2月に112円台前半から101円台前半まで11円超下げた後、3月には111円台後半にV字回復。その後はじり安となり、足元では103-104円付近に値を下げています。4年前の米大統領選後にみられた「トランプラリー」の記憶から大相場の可能性もありましたが、終わってみれば値幅はこう着した昨年とさほど変わらず、全般にレンジ相場と言えます。


大統領選は12月14日の選挙人団の投票を残すのみで、現時点でバイデン民主党候補の勝利が確定的とみられます。バイデン氏は政権移行の準備に入っていますが、注目の組閣人事でイエレン前FRB議長の財務長官就任が取りざたされ、それが2021年のドルの行方を決定づける要因となりそうです。物価の上昇を招いても雇用の回復を優先するFRB時代の政策方針は、まさにコロナ禍で期待されます。


イエレン氏は2004-2010年にサンフランシスコ連銀総裁を務めた後、2010年からFRB副議長を経て2014年にFRB議長に就任。オバマ政権下で輸出倍増計画をドル安により側面から支援したと指摘されます。パウエル体制のFRBは2023年まで実質ゼロ金利政策を堅持する方針で、バイデン政権も容認するとの見方から当面のドル安トレンドが市場関係者の間で浸透しつつあります。


株式市場もそんな観測により騰勢を強め、11月下旬にNYダウは史上初の30000ドルを突破しました。それが世界株高に波及し、リスクオンのドル売りにつながっています。ジョージア州での決選投票の結果、上院でも民主党が過半数を獲得し「ねじれ」が解消されるとの観測もあります。それでもワクチンの普及で最終的に米国経済が持ち直せば、金融政策の緩和方針は後退し、ドル安も一服するとみられます。


一方、ドル安により対円で心理的節目の100円を大きく割り込むような展開になるのでしょうか。日経平均株価の29年ぶりの高値は米国株の強気相場に押し上げられた結果と考えれば、日本株高継続を背景に円売りも期待されます。日本がコロナ感染を抑止できれば日本株高を支援し、円安がドル安の進行を弱める可能性もあります。日米金利差も変わらず、急激な円高は避けられるかもしれません。


かく乱要因があるとすれば、トランプ大統領が選挙人投票で一般投票の結果をひっくり返し再選するケースでしょう。といっても、減税路線の継続で財政赤字の拡大により、やはりドル売り基調に振れやすいとみます。また、株式市場の強気相場で日本株高・円安が見込まれます。つまり、ドル安・円安に変わりはなく、ドル・円相場に関しては弱含むにしても急激な下落を回避すると予想します。


※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。


(吉池 威)


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