NYコラム(8日)ダウ平均は買い先行で取引スタートへ−リジェネロンが抗体カクテル治療薬の緊急使用許可をFDA申請

著者:加藤裕一
投稿:2020/10/08 22:18

NY株式市場(8日)副大統領候補のTV討論会はハリス氏に軍配か⁈−新規失業保険申請件数は84万件と前週実績を下回る

8日のニューヨーク株式市場でダウ平均は買い先行で取引が始まりそうだ。

アメリカ航空業界をめぐる支援策に対する期待感が根強いことから、前日までの地合いの良さが継続しそうだ。トランプ大統領は8日朝に追加経済対策の協議が再開したことを明らかにしたという。コロナ治療薬を巡って米リジェネロンとイーライリリーが抗体カクテル療法による治療薬の緊急使用許可をFDAに申請したこともダウ平均の押し上げ要因となる。

取引開始前に発表された週間ベースの新規失業保険申請件数は、84.0万件と前週の実績(修正値:84.9万件)を下回ったほか、同時に発表された失業保険継続受給者数は、1097万人と前週から100万人減少となった。

日本時間8日午前に行われたアメリカ大統領選挙の副大統領候補によるテレビ討論会に関する各世論調査では、野党・民主党のハリス候補に軍配が挙がったようだ。この結果、野党・民主党は2連勝となった。次回15日に行われる予定の大統領候補による第2回テレビ討論会はリモート方式で行われるという。

ただ、トランプ大統領は、15日の第2回テレビ討論会に参加しないことを表明するという異例の事態になっている。引き続き、アメリカ大統領選挙の選挙戦は、2回のテレビ討論会を経て、民主党・バイデン候補がリードを広げて、コロナ感染から復帰したトランプ大統領の巻き返しは不発に終わってもおかしくない状況に陥ることも想定しておかなければならないようだ。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想