2020年3月期における国内臨床検査業界のプレーヤーとしてはH.U.グループホールディングス<4544>を筆頭に、ビー・エム・エル<4694>、ファルコホールディングス<4671>の3社が主に競合している。2020年3月期における売上高(受託臨床検査セグメント)を比較すると同社が46.3%、ビー・エム・エル43.4%、ファルコホールディングス10.3%となる。なお、足元では経済活動に甚大なダメージを与えているCOVID-19の影響が、臨床検査業界においても顕在化している。緊急事態宣言は解除されたとはいえ、外出自粛の意識は底流にあり、医療機関の健康診断を含めた受診抑制の影響が出てくることになる。ただし、そのなかでもCOVID-19のPCR検査などの需要は増加することから、COVID-19に関連するサービスを提供している同社のような企業は、全体業績の下支え要因がある格好となる。
同社の強みの1つとしては、日本全国をカバーする広範なラボラトリーネットワークが挙げられる。ビー・エム・エルの35ヶ所、ファルコホールディングスの27ヶ所に対して、同社は第1から第3まである八王子ラボラトリー等の基幹ラボが6ヶ所、その他ラボが34ヶ所、国内合計40ヶ所で構成されている。
さらに、今後は地域ラボの効率化を主眼に置いたラボ再編を行いつつ、2022年1月から稼働予定の国内最大級となる新セントラルラボ(東京都あきる野市)を核拠点とする体制で事業展開を進めていく方針だ。新セントラルラボでは、検体の受付から報告までの工程を自動化することで、1日当たりの検体処理能力が最大30万件まで増強される見通し(検査項目は100種類以上)となっている。これは従来の2倍程度の処理能力となる。
なお、新セントラルラボの稼働によるコスト削減効果について、2025年3月期には営業利益ベースで40億円、EBITDAベースで95億円と、同社は2020年3月期決算説明会の質疑応答で示している(売上成長及び限界利益率の変化がない前提での試算である点は認識が必要)。
(執筆:フィスコアナリスト)
<EY>
同社の強みの1つとしては、日本全国をカバーする広範なラボラトリーネットワークが挙げられる。ビー・エム・エルの35ヶ所、ファルコホールディングスの27ヶ所に対して、同社は第1から第3まである八王子ラボラトリー等の基幹ラボが6ヶ所、その他ラボが34ヶ所、国内合計40ヶ所で構成されている。
さらに、今後は地域ラボの効率化を主眼に置いたラボ再編を行いつつ、2022年1月から稼働予定の国内最大級となる新セントラルラボ(東京都あきる野市)を核拠点とする体制で事業展開を進めていく方針だ。新セントラルラボでは、検体の受付から報告までの工程を自動化することで、1日当たりの検体処理能力が最大30万件まで増強される見通し(検査項目は100種類以上)となっている。これは従来の2倍程度の処理能力となる。
なお、新セントラルラボの稼働によるコスト削減効果について、2025年3月期には営業利益ベースで40億円、EBITDAベースで95億円と、同社は2020年3月期決算説明会の質疑応答で示している(売上成長及び限界利益率の変化がない前提での試算である点は認識が必要)。
(執筆:フィスコアナリスト)
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