今週は、3営業日で22500円をはさんだもみあいが想定される

著者:出島 昇
投稿:2020/07/20 17:27

先週は、22500~23000円のレンジで、週半ば23000円に接近するが上値重い

 先週の予測は、前週の流れであるコロナウイルス感染者増加の懸念と経済正常化による経済回復の期待から、基本は22200~22700円のレンジの中で、上限を試す動きを想定しました。下値は前週にETFの分配金支払いのため換金売りが終わり、ETFが正常化するので下がると日銀による買いが期待されるからです。上限の突破は米国市場で金融関連の決算があり、予想ほど悪くなければ金融株が上昇し、日本の金融株をサポートして日経平均が22700円を突破することが考えられました。

 結果的に、週始めの13日(月)に前週末の米国株式は、NYダウが△369ドル、ナスダックは史上最高値更新となっていたことで、△301円の22591円で寄り付き、後場になっても時間外の米株先物が上昇したことで、引けにかけても上げ幅を拡大し、△493円の22784円と上限を突破して引けました。一服したあと15日(水)は、米国でワクチン開発進展期待で米国株式が3指標とも大幅高となり、日経平均も22965円と23000円に接近しましたが、ここから上は重く週末は▲73円の22696円で引けました。結局、レンジを上に伸ばし、22500~23000円の中でのもみあいとなりました。

 7月13日(月)は、前週の米株式がコロナ治療薬への期待が高まり、景気敏感株中心に上昇し、NYダウは△369ドル、ナスダックは△69Pと史上最高値更新となったことで、△301円の22591円で寄り付き、後場になっても買い優勢で上げ幅を拡大し、△493円の22784円と大幅反発し高値引けとなりました。

 14日(火)は、前日のナスダックが大幅安となったことで、日本市場はハイテク株中心に売られ、一時▲245円の22538円まで下げ、戻りは限定的で▲197円の22587円と反落しました。

 15日(水)は、前日の米国市場でフロリダ州、カリフォルニア州の感染者が減少し、FRB理事が大規模な金融政策が続くだろうと発言したことで、NYダウは△556ドルの26642ドルと大幅上昇し、これを受けて日経平均は△230円の22817円で寄り付き、一時△378円の22965円まで上昇し、終値は△358円の22945円と反発して引けました。但し、市場ボリュームは増加していないので上値は重く、23000円水準からは上値は重くなるところでした。

 16日(木)は、前日の米国市場は、ワクチン開発期待が高まったことで、3指標そろって続伸したものの、日本市場は前日の大幅高の反動や為替の円高を受け反落して始まり、前引けは▲113円の22831円でした、後場になると東京の感染者が286人と発表されると、一時▲206円の22739円まで下げ、終値は▲175円の22770円と反落しました。

 17日(金)は、前日の米国株式は3指標そろって下落したものの、朝方は前日の下落の反動や円安で買い優勢となって、一時△87円の22857円まで上昇しましたが、その後、下げへ転換し一時▲126円の22643円まで下げて終値は▲73円の22696円で引けました。

17日(金)の米国市場は、▲62ドルの26671ドルと続落しました。感染拡大が続いていることで、16日(木)の新規感染者数は過去最多の7万7000人超えとなり、景気回復が遅れるとの懸念から、NYダウは▲62ドルの26671ドルと続落しました。一方で経済指標はマチマチの動きとなり、ナスダック、S&Pは小幅反発でした。シカゴの日経先物は△5円の22675円となっていました。

今週は、3営業日で22500円をはさんだもみあいが想定される

 今週の日経平均は、日本中に感染拡大が広がる中、連休を控えて3営業日しかなく、一進一退の動きの中、様子見ムードが広がりそうです。「Go To トラベル」が22日(水)から始まるものの相場の下支えになる期待はあっても、全国で感染が拡大している状況では相場を押し上げるのは難しいとみられています。6月までは経済活動正常化への期待がコロナ下でも期待されるハイテク産業が相場を押し上げてきましたが、ここにきて米国でもハイテク関連が頭打ちとなり、国内では大都市圏を中心に感染再拡大が進行し、IT関連産業の一角以外の他の業種は、東京環境悪化の観測から売り圧力が強まる可能性があります。

 柴田罫線では、いったん売りの形から再び短期の買いの形となりましたが、市場ボリュームをみると商いが薄い中での値動きであり23000円台前半にあるフシをみると何か新しい材料が出なければ上に向かう形ではありません。今の相場は「もうはまだなり、まだはもうなり」の格言通りの動きとなっていますが、これはテクニカルも関係ない世界中にお金がだぶついた需給関係によって動きている状況ですので、リスクをとれない人は様子見に徹しておく場面です。マイナス材料に浮上してきそうなのは米中対立です、アメリカは今しきりに中国企業に的を絞って米国内から排除しようとしています。大統領選挙が近づけば、よりいっそう激しくなる可能性があります。

 本日の日経平均は、先週末の米国市場でハイテク株が高かったことで、これに後押しされ日経平均はハイテク株中心に100円近く上昇しましたが、コロナ感染拡大の流れで経済の停滞が懸念され、徐々に上げ幅を縮小し、逆にマイナスに転じて前引けは▲80円の22616円でした。後場は持ち直したものの薄商いの中の上昇であり、力強い動きではなく△21円の22717円と3日ぶりの小反発でした。

出島式ズバ株投資情報ブログ
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(指標)日経平均

 先週は予想通りウイルス感染拡大動向と景気回復期待が入り交じる展開とし、レンジを22000~22700円としました。

 結局、東京の感染拡大によって上値は抑えられましたが、ワクチン開発期待でNYダウが上昇したことで日経平均も7月15日には22965円と一時23000円に接近しました、しかし、ここからは上値重く東京の感染拡大を受けて週の終値は▲73円の22696円で引けました。レンジが22500~23000円の動きへ移行しました。

 今週は、経済活動正常化への期待よりもコロナウイルスの感染拡大状況を睨む展開となり、22000円台中心に不安定な値動きとなる可能性があります。NYダウも上値が重くなってきているので国内で感染が東京から地方に広がるのがはっきりすると22000円を試す動きも。下げた場合は、目先は6月29日の21969円を守れるかどうか。今週は3営業日しかないので23000円を試す動きは来週へ。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、決算シーズンに入り、最悪の結果が予想されている銀行株が予想よりよければ相場は上へ、又、ワクチン開発の好材料が出ればサポート要因になって上昇するものの、27000ドル水準からは上値は重いとしました。

 結果的に、感染者拡大の中で、ワクチン開発期待が高まり、ナスダックも再高値更新を続けたことで、注目の決算はマチマチだったものの、NYダウは7月15日には一時27071ドルまで上昇し、終値では26671ドルで引けました。

 チャートでは、終値ベースでは3月23日の18213ドルからの上昇ラインにアタマを抑えられていますが、ここを突破するには27000ドル台に乗せてくるかどうかにかかります。

 今週も、これまで相場を引っ張ってきたハイテク株の利益確定売りが続く可能性が高く、一方でFRBや米政府の大規模な金融緩和策への期待は高まり、もみあい状況が続くことになりそうです。但し、中国企業への米国内での事業を規制する方向にあり、米中対立が相場の上値を抑えることになりそうです。26000~27000ドルの中でのもみあいが基本となります。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、ドル・円はウイルスの感染拡大が強まっても強力な制限措置が導入されなければ、安全回避のドル買いや経済指標の改善が続けば、ドルは底堅い動きとなるとしました。106~108円のレンジを想定。

 結局、ウイルスの感染拡大が続いたがリスク回避のドル売りは拡大せず、政府による追加の経済支援策への期待が続き、ドル・円相場は下げ渋り取引レンジ106.67~107.43円となり、週の引け値は106.98円でした。

 今週も先週と同じく、ドルは底堅い動きが想定されます。新型コロナのワクチン開発の期待が高まれば、ドル買いが強まる可能性があり、一方で政策金利が0付近に長期的に留まるとの見通しからドル売り要因もあるが、政府の資産買入れ政策拡大の思惑もありドル買も考えられます。106~108円のレンジを想定。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム