今週は、戻りを試したあとは感染拡大に要注意

著者:出島 昇
投稿:2020/07/06 19:06

先週は、週初め500円以上の下げのあとは、22200~22500円の中でのもみあいへ

 前週末のNYダウが柴田罫線では、調整入りの型ができたので、先週の日経平均も連動する可能性があるとしました。しかし、週末こそ▲517円の21995円と22000円を切って引けましたが、その後は米株式が感染者が増加し続けるのも無視して反発して戻りを試す動きとなったことで、日経平均は22000~22500円の間でのもみあい状況となりました。

 6月29日(月)は、前週末の米国市場で、コロナウイルスの感染拡大から景気の回復を遅らせるとの懸念から、NYダウが▲730ドルの25015ドルとなったことで、日経平均は▲257円の22255円で寄り付き、後場になると下げ幅を拡大し、一時▲542円の21969円まで下げ、終値は▲517円の21995円と半月ぶりに22000円を割り込みました。25日移動平均線を4月25日以来下回ることになります。

 30日(火)は、前日の週明けの米国市場は、感染拡大の過度な警戒感が和らぎ3指標大幅反発したことで、日経平均も△340円の22335円で寄り付き、一時△453円の22448円まで上昇するものの、ここから上値重く、終値は△293円の22288円の反発となりました。

 7月1日(水)は、前日の米国市場では、月末、第1四半期の取引で主要3指標そろって続伸したことで、日経平均の寄り付きは△50円の22338円でしたが、買い一巡後は時間外での米株先物が下げたことで前引けは▲41円の22246円と反落し、後場になると指数先物の売りを交えて下げ幅を拡大し、一時▲249円の22039円まで下げ、終値は▲166円の22121円となりました。

 2日(木)は、前日の米国市場は、マチマチの動きとなりましたが、日経平均は△60円の22182円で寄り付いたあと押し目買いで下げ渋り、ジリ高となって前引けは△144円の22266円で引けました。しかし後場に入ると、東京でコロナ感染者が100人を超えると緊急事態の再発動が警戒され、一時マイナスになる場面もありましたが、終値は△24円の22145円と小幅反発となりました。

 3日(金)は、前日の米国市場では、6月の雇用統計が予想以上に改善されたことで、3指標そろって上昇し、これを受けて日経平均は△120円の22266円で寄り付き、22312円まで上昇しました。後場になると東京の感染者が120人以上との報道から上げ幅を縮小し、一時△9円の22154円まで上げ幅を縮小しましたが、大引けかけては持ち直し△160円の22306円で引けました。しかし売買代金は1兆6954億円と2兆円割れ、出来高も9.8億株と10億株割れで市場ボリュームは少なく、指数株の値ガサ株で指数が上昇していることになります。3日(金)の米国市場は「独立記念日の振替休日」のため休場でした。

今週は、戻りを試したあとは感染拡大に要注意

 今週も先週に引き続き、コロナウイルスの感染者増加への懸念と景気回復への期待が入り交じり、22000円台でのボックス相場(22000~22700円)が続きそうです。

 日経平均の指数の上昇は、米国でナスダックが上昇していることで値ガサハイテク株の東京エレクトロン、アドバンテストなどが上昇し、ファーストリテイリングも指数をサポートしています。ボックス相場の上限22700円をぬけると6月9日の23185円水準までの上昇が期待できますが、出来高、売買代金を伴わない指数のみの上昇ですので、あとの反動が懸念されることになります。

 本日は、予想外の上昇となりました。先週末の米国市場は休場でしたが、時間外の米株先物の上昇と円安、さらに上海株式、香港株式の上昇が支えとなって、前場は△306円の22612円と大幅上昇となりました。東京では連日の100人超の感染者ですが、政府が緊急事態宣言はしないということへの安心感から経済正常化への動きは続くという見方で買い安心となっているようです。但し、海外投資家は参加していないと報じられており、短期筋が買いに動いているということのようです。後場もそのまま先物買いを交えて勢いが続き、一時△427円の22734円まで上昇し、終値は△407円の22714円でした。買戻しを誘った上昇となりましたが、何で海外の先物指数が上昇したのかははっきとしないと市場関係者は言っています。

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(指標)日経平均

 先週の予測では、NYダウが前週末に調整入りの型となっていたことで、6月9日の高値26611ドルを上にぬけなければ調整が長引くことになるとし、目先は22000円を守れるかどうか注目としました。

 週始めの6月29日(月)は▲517円の21995円となって22000円を割り込みましたが、注目のNYダウが戻りを試す動きとなったことで、日経平均もその後は22000~22500円の間のもみあいとなりました。

 今週も引き続き、新型コロナウイルス感染再拡大への懸念(東京5日連続で100人突破)と早期回復への期待が入り交じる展開となっています。先週始めは、前週のNYダウの調整型を受けて22000円を一時割り込みまいたが、NYダウが戻りを試したことで、日経平均も連動しています。当面は21969~22693円のレンジの中での動きが想定されます。6月23日の22693円を超えてくると6月9日の23185円に対する2番天井になる可能性があります。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、前週末の柴田罫線によるチャート分析では、6月16日の26611ドルの戻り高値のあと、2回連続の売法則が出て、3月23日の18213ドルの安値からの上昇トレンド(A)を下に切ったことで、早い段階で26611ドルを上回らなければ調整が長引くとしました。

 結果的には、翌週の6月29日(月)に△580ドルの25595ドルと大きく反発し、その後はもみあいながら戻りを試している状況です。週末の7月3日(金)は米独立記念日で休場でした。7月2日(木)は、ザラ場で26204ドルと26000ドル台に乗せましたが終値では△92ドルの25827ドルで終わっています。

 先週は、柴田罫線では調整入りの型となってきたことで、6月16日の26611ドルを早い段階で回復しなければ、調整入りになるとしましたが、ザラ場では26204ドルまで戻してきました。この理由はコロナウイルス治療薬開発が前例にないほどの速さで進んでいることや追加の財政、金融政策が下支えしているためだといえます。最近の経済指標も改善しているものが多いものの、一方で経済や労働市場は危機前の水準を大幅に下回っており、楽観論はリスクがあります。当面は26000ドル水準でのもみあいとなる可能性があります。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、感染拡大が続いており、一部の州では過去最大になっていることで企業レベルで感染拡大した場合は制限措置緩和を停止せざるを得ないとの見方が多くあります。そうなると景気の早期回復期待が後退し、リスク資産からドルへ逃避となってドル・円が底堅い動きになるとしました。

 結果的には、米経済指標の改善を受けて7月1日には108円台前半まで買われましたが、感染者が急増しているとの報道を受け、ドル買いが一服し、107円台半ばでのもみあいとなり、107.51円で引けました。

 今週は、感染拡大の行方と経済の早期正常化を見極める展開となり、ドル・円はもみあいとなりそうです。今週発表の経済指標が先週に引き続き好調ならばリスク回避的な円買いは抑制されドルは底堅い動きとなります。106.5~108.5円のレンジを想定。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム