スカラ Research Memo(7):有利子負債は増加したもののネットキャッシュは均衡水準で財務の健全性は維持

配信元:フィスコ
投稿:2020/04/17 15:17
スカラ<4845>の業績動向

3. 財務状況と経営指標
2020年6月期第2四半期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比4,222百万円増加の22,917百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び現金同等物が770百万円、営業債権及びその他の債権が582百万円それぞれ増加した。非流動資産ではIFRS第16号の適用により使用権資産が2,120百万円増加したほか、のれんが202百万円増加した。

負債合計は前期末比3,468百万円増加の12,554百万円となった。有利子負債が1,523百万円増加したほか、IFRS第16号の適用によりリース負債が2,167百万円増加した。資本合計は同754百万円増加の10,362百万円となった。新株予約権行使により資本金が95百万円、新株予約権の行使及び株式交換等により資本剰余金が309百万円それぞれ増加したほか、親会社の所有者に帰属する四半期利益255百万円、及び非支配持分に帰属する四半期利益218百万円を計上した一方で、配当金の支出で203百万円等となっている。

経営指標を見ると、親会社所有者帰属持分比率は前期末の37.5%から4.6ポイント低下の32.9%となった。このうち3.5ポイント程度はIFRS第16号適用に伴うリース資産の計上による影響で、実質ベースでは1ポイント強の低下となっている。中期経営計画の実現に向けた先行投資費用として有利子負債を積み増したことが主因で、有利子負債比率についても前期末の85.3%から99.4%に上昇している。ただ、ネットキャッシュ(現金及び現金同等物−有利子負債)は均衡水準をキープしていることから、財務の健全性は維持されているものと判断される。ただし、資産の約28%はのれん(6,394百万円)で占められており、その大半を占めるソフトブレーンの収益が今後大幅に悪化した場合には、減損処理による財務体質の悪化リスクがある点には留意する必要がある。ただし、現時点ではソフトブレーンの業績も安定して推移しており、そのリスクは極めて低いものと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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