【リーマンショック以来】ダウ大暴落、底打ちのメドは?

著者:中原良太
投稿:2020/03/22 18:07

NYダウが前週比17%安、リーマン危機以来

From: 中原良太
散歩から帰ってきて、、、

最近、株式市場は荒れています。
「市場が閉じていると、なんだか安心…」
という方も多そうですね。

あるいは、
「週明けの動向が気になって、夜も眠れない…」
という方もいるかもしれませんが…。

平日は仕事もあり、ゆっくり考える余裕がありませんが、
土日は、ゆっくり腰を据えて計画を練ることができます。

先週は3連休だったこともあり、
たっぷり考える時間を取れました。

先週はNYダウが17%安と大暴落して、
「リーマン危機以来の波乱」でした。

3月第4週はどうなるでしょうか。

…ということで今回は、
「NYダウ暴落はリーマン危機以来、日本株の未来は?」
というテーマで、目先の展望を考えてみました。

◆  ◆  ◆

日本株は「けっこう安い」、米国株は「けっこう高い」

相場展望を占ううえで何より重要なのが、
「今の株価が、割安なのか/割高なのか」
という点です。

過去30年ほどの歴史から見ると、
日本株は「けっこう安い」
米国株は「けっこう高い」
という水準に見えます。

危機において「株価の安さ」を判断するときは、
何よりPBRを使うと良いと考えられています。

PBRを使うのには、

「危機が起きると業績が悪化しやすい」
「業績が悪化すると配当利回りも変わる」
「でも企業が持つ財産価値はあまり変わらない」

といった論拠があります。

なので、今回は参考材料として、
PBRを使ったバリュエーションを考えてみます。

まず、

今のところ、僕は今回の暴落は、
「リーマンショックよりは軽い」
と考えていますので、

リーマン・ショック時のPBRの底が、
底として良い判断材料になると考えます。

リーマンショック時、
TOPIXの底はPBR0.8倍くらいでした。

日本経済新聞が公開している情報によると、
3/19時点のTOPIXのPBRは約0.93倍。

TOPIXのPBRはリーマン時に近いので、
日本株の底打ちは近いように見えます。

一方、

Bloombergのデータによると、
米国株(S&P500)のPBRは2.57倍(3/19時点)

米国株は日本株よりもPBRが高いのはいつものことで、
リーマンショック後につけたPBRの底は約1.5倍でした。

S&P500のPBRはリーマン時よりの1.7倍ほどあります。
まだまだ下落余地があるように見えます。

まとめると、

「日本株はだいぶ安くなってきたけど、米国株はまだ高い」
「だから、アクセルを深く踏み込むタイミングじゃない」

というのが、今のところの見解ですね。

◆  ◆  ◆

米国株では「強気派」が増えている

「米国株はけっこう高い」
という話に加えて、

「米国の個人投資家は強気派が増えている」
という点も気になるところ。

アメリカ個人投資家協会が、
毎週好評しているセンチメント調査によると、

今回の株価下落を受けて、
米国の個人投資家は「強気になってきている」
という結果が出ていました。

…まぁ、株価が下がっているので、
「バーゲンセールだ!」と湧く気持ちは分かります。
(合理的にも、それが正しい反応だとも思います)

とはいえ、

得てして、暴落が底打ちするのは、
「個人投資家が総悲観になった直後」
であることが多いので。

米国の投資家はまだまだ楽観的に見えます。

株価がさらに下がり、
株を買っている人がパニックになってから、
ホンモノの底打ちが来る気がします…。

◆  ◆  ◆

今からできること:ゆっくり動く

3月2週〜3週の株価下落の影響で、
徐々に日本株/米国株が安くなってきました。

日本株はすでにかなり割安なので、
そろそろ「買い」に動くと良さそうです。

とはいえ、

「完全に株価が底打ちする」までには、
まだまだ時間がかかりそうに見えます。

なので、

今から株を買う場合は、
「ゆっくりゆっくり買い増す」
という作戦が有効だと思います。

NYダウが3000ドル下落した翌日、
我が家でも日本株をいくらか買い増しましたが、
「総資産の2%〜3%」の規模に留めておきました。

また、
「もう株を買い増す元手が無い…!」
という方は、

(手元にボロ株や割高株がある場合は)
もう一段の株価下落に備えて、
一部を財務健全で割安な株へ乗り換えると良さそうです。

未来は誰にも分かりませんので、
「決め打ちする」のは自殺行為です。
ぜったいに止めましょうね…。

- 中原良太
中原良太
株式会社テラス システムトレード開発者
配信元: 達人の予想