先週は、週を通すと大きな上下動となって下値を探る動きとなり、20700円を割って引ける
先週の予測では、今週も新型肺炎の感染拡大による世界経済後退懸念から株価の下落が続くものの、米FRBの利下げのタイミングをみながら乱高下という動きになるとしました。株価が大幅の下落してもコツンと底を打たないのは、感染拡大が不透明なまま、どこで収束するのかわからないためといえます。そのため、大きな上下動を繰り返しながら感染が収束するのを待って底を探る展開となります。先週の予測の中でメジャーSQの13日(金)までの2週間は1日の動きは一方的に振れやすく、週を通すと大きな上下動となって下値を探る動きとなります。今週1週間はまさにその動きでした。来週も同じようなう動きが続くことになりそうですが、NYダウがさらに崩れると日経平均も2万円を割る可能性があります。今週の日経平均のメドはPBR1倍の20700円、今年の1月の高値24115円から15%下げたところの20500円、それから2万円の心理的フシとしていましたが、6日(金)に20613円まで下げて20749円で終わりました。
3月2日(月)は、先週末のNYダウが▲357ドルの25409ドル(一時▲1085ドル)を受けて、▲293円の20849円で寄り付いて▲308円の20834円と今年最安値をつけましたが、売り一巡後、持ち直し日銀総裁の「潤沢なる資金供給と金融市場の安定確保の努めていく」という緊急談話を受けて、400円を超す上昇となって21593円の高値をつけ、終値は△201円の21344円でした。
3日(火)は、前日のアメリカ市場でNYダウが8日ぶりにFRBや主要国で金融緩和が行われるという期待から主要3指標がそろって大幅高(NYダウは上げ幅が過去最高の△1293ドル)となったことで、日経平均は△307円の21651円で寄り付きました。しかし、△375円の21719円まで上昇すると上昇幅を縮小し、終値は▲261円の21082円と一転して大幅反落となりました。円高が進むと同時に時間外取引で米株先物がマイナスとなったことで日経平均は、NYダウの史上最大の上げ幅に連動できませんでした。
4日(水)は、前日の米国市場はFRBの0.5%の緊急利下げに反応せず逆に下げたことで、日経平均も▲185円の20897円で寄り付き、20862円まで下げて、その後は時間外の米株先物が上昇したことで、△163円の21245円まで反発し、終値は△17円の21100円と小反発で引けました。
5日(木)は、前日のアメリカ市場では民主党の中道派のバイデン氏が「スーパー・チューズデー」でトップになったことや、強い経済指標を受けて、NYダウが△1173ドルと今年2番目の上昇幅をつけたことで、日経平均は△299円の21399円で寄り付きました。1ドル=107円台前半の円高のために戻りは限定的なものの、上海株式が上昇したことで、△229円の21329円と続伸しました。
6日(金)は、前日のアメリカ市場では、世界各国に新型肺炎の感染拡大が広がる中、米国内でも感染者が増加を続け、経済への影響が意識され、NYダウは一時▲1147ドル下落し、終値は▲969ドルの26121ドルとなったことで、日本市場も前場は▲319円の21009円で寄り付き、▲676円の20652円と今年の安値を更新しました。さらに後場になると為替が1ドル=105円台後半となったことで、一時▲715円の20613円と再び今年最安値を更新し、終値は▲579円の20749円となりました。
日本市場の引け後のアメリカ市場では、感染拡大を背景に株安の流れが止まらず、一時下げ幅は900ドル近くに達し、終値は▲256ドルの25864ドルでした。2月の雇用統計は市場予想を上回りましたが、株価のサポート要因にはなりませんでした。又、OPECプラスで減産協議が決裂し、原油相場が急落し、米10年債利回りが一時0.70%を割り込み過去最低を更新しました。3指標の株価は大きな上下動となりましたが、週間を通じては3指標はそろって3週間ぶりの反発となりました。シカゴの日経先物は一時20210円まで下げ、引け値は▲280円の20430円でした。日経平均の2万円割れが視野に入ってきました。
今週は、メジャーSQを控え、ボラティリティが高いため波乱商状が続く
今回の始めの予測では、新型肺炎の感染拡大の収束が不透明な中で、FRBの金利引下げや世界各国の金融緩和への期待があるため、3月13日(金)のメジャーSQまでの2週間ほどは上下動を伴った調整をするとしました。先週のNYダウは2回も1000ドルを超す上昇をしながら僅かな上昇で終わり、日経平均は連動するも円高で上値を抑えられ、下値のポイント20700円水準と、その下は20500円としたところを試す動きとなりました。今週はメジャーSQを控えてボラティリティの高い動きが想定され、NY市場が国内の感染拡大の増加を嫌気して相場が崩れることになると、日経平均は2万円を割る可能性もあります、すでに先週末のシカゴ日経先物は20210円まで下げています。
日経平均は、円高進行によって上値を重くしていますが、先週実施されたFRBの緊急利下げは、逆に株価は下落となっており、それは追加利下げが浮上しているためだと言われており、そうなると円高がさらに進むことになりますので、日経平均は2万円の攻防となっていきます。しかし、すでに日経平均は4週連続下落で3000円強の下げとなっていますので、18~19日の日銀金融政策決定会合で前向きな金融政策がでるといったん反発してもおかしくないところです。
本日9日(月)は、先週末の米国株安、原油安、103円台の円高を受け、▲406円の20343円と2万円台で寄り付きましたが、すぐに2万円台を割り込み、為替が一時101円台半ばまで下げると、日経平均は一時▲1277円の19472円まで下落し、前引けは▲1277円の19472円で引けました。後場になると日銀のETF買い観測で下げ渋るものの戻りは限定的で▲1050円の19698円で引けました。今年最大の下げ幅で1年2ヶ月ぶりの2万円台割れとなりました。週末にメジャーSQを控えて下値のメドはたてにくく、ボラティリティが高いままなので波乱商状が起きそうです。
出島式ズバ株投資情報ブログ
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(指標)日経平均
先週の予測では、21000円を終値で守れるかどうかとし、下値は21000円をきるとPBRが現在、1倍で20700円水準ですので、ここが次の下値ポイントとしました。新型肺炎の感染拡大が収束することが見えないため、底値も確認できない状況ですが、FRBが金利引下げを検討していることで下値では買いも入り、NYダウは大きな上下動となり、日経平均も連動する動きとなりました。
日経平均は、週始めの3月2日(月)に20834円と今年の安値をつけたあと。NYダウの上昇につれ高し、3日(火)は21719円まで上昇。その後、もみあって週末はNYダウの下落につれ安し20613円まで下げて今年の安値を更新し、20749円で引けました。
今週は週末の13日(金)にメジャーSQを控え、ボラティリティが高まるため、2万円を試す展開が想定されます。特に米国株式が感染拡大の増加から、さらに下落してくる場合は、さらに金利低下、ドル売り・円高となって日本株式は2万円を割ってくる可能性があります。柴田慶罫線では、先週2016年11月9日の16111円からの上昇トレンド(A)を下に切りました。
(指標)NYダウ
先週の予測では、チャートでは24000ドル水準からは、いったん反発してもいいところですので、FRBの金利引下げをみながらのタイミングと思われます。米国市場でも感染者が増加しており、企業業績にも悪影響を与えていますので、悪材料を織り込んでの底打ちとはなりにくいとしました。
結果的には、週始めは世界各国の金融緩和を期待して△1293ドルという過去最大の上げ幅となるも、翌日3月3日(火)は▲785ドルと反落。翌日の4日(水)は再び△1173ドルという史上2番目の上昇幅となるも、5日(木)は▲969ドルの急落となり、大きな上下動を繰り返しました。週末の6日(金)も900ドル近く下げて終値は▲256ドルの25864ドルで引けました。
今週は先週と同じく、株価は大きな乱高下が予想されます。新型肺炎の感染拡大は中国は治まってきましたが、逆に米国や世界各地での感染拡大は始まったばかりです。特に米国では感染者の乗船しているクルーズ船の対応次第で米国内感染拡大が懸念され、これを織り込む動きで下落する一方、FRBのさらなる追加利下げが上昇材料となるため、大きな上下動となって下値を探る展開となりそうです。
(指標)ドル/円
先週の予測では、新型肺炎の感染拡大による世界景気の低迷からのリスク回避の円買いとFRBの利下げ観測をもとにしたドル売り・円買いによる円高の一方、長期的には日本経済の弱体化による円売りが加わっているので一方的な円高にはなりにくいとしました。106~109円のレンジを想定しましたが、週末の6日(金)には、105円台の円高となり、引け値は105.29円でした。
今週もドルの上値は重いものと思われます。米国内でのウイルス感染拡大が続き(ドル売り)、さらにFOMCでの追加利下げ観測(ドル売り)のため、ドル売りが続くと見られます。目先的には米国の株安→金利低下→ドル売り→円高による日本株安の流れが基本と思われます。101~103.5円のレンジを想定。
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