ドル/円、不安定な値動き=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2020/03/02 08:49

ドル/円、不安定な値動き

28日のドル/円は新型コロナウイルスを巡る懸念が強まる中、年初来安値を更新して107円台半ばまで下落。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、新型ウイルスは「経済活動のリスク」とした上で「適切に行動する」との声明を発表すると3月利下げの織り込みが進みドル安・円高が進行した。ただ、パウエルFRB議長の緊急声明を受けて米国株は下げ幅を縮小しており、本日は主要国の株価が下げ止まるかどうかが注目される。なお、週末に発表された中国2月PMIは、製造業、非製造業ともに著しく低下。これを受けて週明けのオセアニア市場でドル/円は一時107.00円台まで下値を切り下げる場面もあった。その後107.70円台へと値を戻したが、再び107.30円台に押し戻されるなど、不安定な相場展開となっている。そうした中、新型ウイルスを巡る懸念で傷んだ市場心理が、米利下げ期待でどこまで回復するかが本日の焦点だろう。材料面では、中国で2月財新製造業PMIが発表される他、米国では2月ISM製造業景況指数が発表される。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想